3Dプリンタでキッチンの蛇口にホースを繋ぐアダプタを自作してベランダでケルヒャーした

ℹ️ この記事は、2021-09-19に別のブログ媒体に投稿した記事のアーカイブです。

自宅のベランダに水道がなくて掃除がしづらかった

住んでいるマンションのベランダに水道がないため、ベランダの掃除をするときには室内でバケツに水を溜めてそれをベランダに持ち出すということをしていました。

これだと一度にバケツ1杯分の水しか使えないので、何度も水を汲みに室内に戻る必要があり掃除の効率が非常に悪く、大変不便を感じていました。

室内から長いホースでベランダへ送水できればよかったのですが、残念ながら室内にあるすべての蛇口(キッチン、洗面所、お風呂)がホースに接続するアダプタ(いわゆる蛇口ニップル)を取り付けられない形状だったため、ずっと諦めていました。

ちなみに「ゴムのような素材で任意の形状の蛇口をホースに接続できるアダプタが世の中にあってもいいのに」とずっと思っていたのですが、ググった限り市場に存在しているのは以下の怪しげな海外製品だけっぽく、国内メーカー産のまともな製品はなさそうでした🤔

任意の蛇口に接続できる長いホース - AINOIE

蛇口の工学にまったく詳しくないので、なぜ特定の形状の蛇口に対応するアダプタは市販されているのにこういうゴム製の万能アダプタは市販されていないのか、とても不思議に思っています。もし詳しい方いらしたらぜひ 教えてください🙏

3Dプリンタを買った

それはそうと、最近、前々から憧れていた3Dプリンタを購入しました。

以前に @toyoshi さんから「3Dプリンタはいいぞ」というお話を聞いて感銘を受けていたのですが、なんとなくハードルが高い気がして腰が上がらずにいたのを、最近になって思い切って購入しました。

自分なりに色々調べた結果、

  • 温度が安定する箱型がよかった

  • ググった感じQIDI TECHは造形精度に定評がある感じがした

  • 自室に置くことを考えて大きすぎない機種がよかった

  • 初心者なので予算は5万円ぐらいで

あたりの理由から以下の機種を購入しました。

ちなみに @toyoshi さんがおっしゃっていた3Dプリンタの魅力は 3Dプリンターを買いたくなるLT のスライドに全部書いてあるので、興味のある方はぜひ見てみてください!

3Dプリンタの練習がてら蛇口のアダプタを作った

3Dプリンタを買ったことで、以前から不満に感じていた室内からベランダへの送水を、蛇口のアダプタを自作することによって解決できるのではと考えるに至りました。

そこで、3Dプリンタの練習も兼ねて、ベランダに一番近いキッチンの蛇口と一般的な送水ホースを繋ぐためのアダプタを自作してみました。

使用したホースはこちらです。

このホースの蛇口側(画像左側)のコネクタをキッチンの蛇口に接続するためのアダプタを自作しました。

キッチンの蛇口の形状は下図のようになっていました。

ちなみに蛇口は 三菱レイヨン(現三菱ケミカル)のF-402 という型番のものです。

3Dモデリング

3Dモデリングは Fusion 360 というソフトを使って行いました。

Fusion 360は個人での非商用利用なら無料ということもあり、3Dプリンタホビーユーザーにはとても広く愛用されているソフトのようです。

ここでは3Dモデリングの細かい手順は紹介しませんが、ド素人の僕でも2〜3時間ググりながら軽く練習しただけで今回の蛇口アダプタ程度のものなら作れてしまうぐらいの難易度です。(つまり、簡単な操作で大体のことができてしまう神ソフトです)

何度も試作と検証を重ねた結果、最終的に下図のようなモデルに行きつきました。

上部のタブタイトルをよーく見ると `蛇口アダプタ v20` と書かれており、試行錯誤の跡が伺えます笑

上側を蛇口に、下側をホースにもともと付属していたコネクタにそれぞれ嵌め込んで使います。

固定・密閉のための工夫

3Dモデル図を見ると両脇に小さなスリットがありますが、これは結束バンドを通すための穴です。

実際に蛇口に嵌めて水を出してみたところ、水圧でアダプタ自体が押し出されて外れてしまうことが分かったので、結束バンドで固定する作戦です。

結束バンドは以下のものを使用しました。

寸法的に35cm以上の長さが欲しかったのですが、その長さで再利用可能(付け外し可能)なタイプの結束バンドはAmazonにはこれしか存在していませんでした。

また、もとの蛇口の径に対して変換後の口の径がかなり小さいため、普通に嵌めただけでは隙間から水が溢れてしまうので、少しでも密閉性を高めるためにアダプタの口の周囲にゴムのテープを巻きました。

完成品

こうして出来上がったのが以下のパーツです。(3Dプリントしたものを、ホースにもともと付属していたコネクタに嵌め込んでネジで固定してあります)

これを蛇口に設置すると、このようになります。

おお〜!イケてますやん!😳

ちなみに、付属品コネクタが一部大きく窪んだ形状になっていて、そこから水漏れしてしまったので、隙間をパテで埋めてあります。

さらに、これにホースをカチッと接続するとこうなります。

完璧ですやん!😳

ただし、水をマックスで出すとどうしても溢れる

一見完璧っぽいのですが、やはり蛇口の径に対して変換後の径が小さいため、水をマックスの量で出すとどんなに密閉しても溢れてしまいました😓

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マジで色々な方法を試したのですが、無理やり完全に密閉すると自作パーツではなく蛇口ユニット本体の根本とかから水が溢れてしまったので、この変換は完全に想定外の水圧(口の狭さ)なんだと思います。

こればかりはどうしようもないので、水圧はマックスより少し弱くして使うことにします。

勢いに乗ってケルヒャーを購入

さて、もともとはホースでベランダに送水できればそれでよかったのですが、この際なので前々から欲しかったケルヒャーを買ってさらにQuality of ベランダ掃除を上げたいなと思ってしまいました。

クソデカガチケルヒャーを買うほどではなかったので、こちらのコンパクトタイプのやつにしました。収納も楽でパワーも十分なので大変気に入っています。

キッチンから引いたホースをリビングの窓際でケルヒャーに接続し、ケルヒャーの高圧ホース(灰色の細いやつ)を窓からベランダに出します。

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これで、無事に水道のないベランダでケルヒャーすることができるようになりました!感無量です!🙌✨

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供養

蛇足ですが、どうにかして水漏れを完全に防げないかとマジで色々な方法を試行錯誤したので、犠牲となったフィラメントを供養するために試作・失敗作たちの写真も見てやってください🙏

最後に

ところで、すべてが終わってから気づいたのですが、多分これを買えば洗濯機用の蛇口から水漏れなしでホースを引くことができます😂

洗濯機蛇口はマジで盲点でした…

まあ今回は3Dプリンタの練習になったし楽しかったのでヨシとします。

おしまい😇

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