[筋トレしても痩せません][腹筋しても割れません] ダイエット理論について要点を分かりやすくまとめてみます
筋トレを習慣的にやるようになってだいたい1年ぐらい経ちました。
割とマイペースにやっているのでまだ範馬刃牙みたいな体にはなっていませんが、36歳にしては十分に体型維持ができていると思います。
何事も理屈に納得できないと安心して実践できないタイプなので、筋トレを始めた頃にYouTubeで筋トレ系の動画を見まくったり栄養学についてググりまくったりして、ダイエット理論について素人なりに一所懸命理解しました。
今日は、これについて僕なりに理解している内容を改めて分かりやすくまとめてみたいと思います。
痩せたい、かっこいい体になりたいと考えているダイエット初心者・筋トレ初心者の方の参考になれば幸いです💪
筋トレでは痩せないし、腹筋しまくっても腹筋は割れないという事実
まず、ほとんどの人が間違って理解しているのがこれ。
基本的に筋トレでは痩せないし、 いくら腹筋運動をしまくっても腹筋は割れません。
筋トレというのは単に 筋肉を大きくするための作業 です。
もちろん筋トレも運動なので多少のカロリー消費はありますが、 食事制限の効果に比べると誤差みたいなもの です。
また、筋肉をいくら大きく育てても、 その上に分厚い皮下脂肪が乗っていたら腹筋は割れて見えません。
つまり、痩せることと筋肉を大きくすることは別々のプロセスなのです。
「割れた腹筋」という結果を得るためには、
痩せる (皮下脂肪を減らす)
痩せたときに腹筋が割れて見えるように 腹筋を大きくしておく
という2つのことをする必要があるのです。
痩せるための基本はとにかく食事制限
痩せるための基本はとにかく食事制限です。
痩せたいだけなら 運動など一切やらなくても食事制限さえしておけば普通に痩せられます。
痩せる方法はこの世にたった1つしかなくて、 摂取カロリーが消費カロリーを下回ること 、これだけです。
摂取カロリーが消費カロリーを下回れば、その分だけ体脂肪(場合によっては筋肉も)が分解されて体重が減る、というの痩せる理屈です。
消費カロリーは「基礎代謝+生活代謝+運動代謝」に分けられます。
基礎代謝:人体が生命維持活動をするために消費されるエネルギー
生活代謝:日常生活の中で自然に消費されるエネルギー
運動代謝:能動的に運動することで消費されるエネルギー
「ダイエットのために運動する」という行為はつまり、「運動代謝」を増やそうとすることです。
例えば30分ランニングするとだいたい250kcalぐらい消費できますが、これは茶碗一杯分の白米で摂取されるカロリーと同じぐらいです。
毎日30分ランニングするのと、毎日ごはんのおかわりを1杯我慢するのと、どっちが楽か という話です。
ほとんどの人にとって、後者のほうが圧倒的に習慣化しやすいと思います。
筋肉が増えれば基礎代謝が上がって痩せるんじゃないの?
先ほど「筋トレしても痩せません」と断言しましたが、皆さんの中には「筋肉が増えれば基礎代謝が上がって痩せるんじゃないの?」と思った方もいると思います。
確かに、筋肉は脂肪よりも代謝が大きいので、筋肉を増やすことで基礎代謝が上がるというのは事実です。
ただし、筋肉による代謝が基礎代謝に占める割合はせいぜい2割程度なので、残念ながら ちょっとやそっと筋肉が増えたぐらいで基礎代謝全体が劇的に増えるということはありません。
ちなみに、筋肉1kgの純粋な基礎代謝は13kcal、脂肪1kgは4kcalだそうです。つまり、脂肪を1kg減らして筋肉を1kg増やしたときに上がる基礎代謝はたったの9kcalということになります。
とんでもなく少なくてアホらしくなりますが、もう少し詳しく調べてみると、筋肉が増えることによって基礎代謝に及ぼす影響は筋肉が純粋に消費するカロリーだけではなくて、むしろ筋肉が増えることで内臓機能が鍛えられて結果的に基礎代謝が大きく上がることが知られているようです。
具体的には、個人差などを無視して超ざっくり計算してみると 筋肉が1kg増えると基礎代謝が100kcal程度増える と考えることができるようです。
筋肉を1kg増やすというのは、体重60kgの人なら筋肉の増加だけで結果的に体脂肪率が2%ぐらい減るような変化なので、相当に大変なことです。
それだけの苦労をして得られる基礎代謝の上昇がたったの100kcal(茶碗半分の白米ぐらい)ということを考えると、やはり 食事制限に比べると誤差のようなもの と言えると思います。
「部分痩せ」は存在しない
ところで、体脂肪には「皮下脂肪」(指でつまめるやつ)と「内臓脂肪」があり、基本的には内臓脂肪が燃焼し切ったあとで皮下脂肪が使われます。
なので、いわゆる お腹周りのぜい肉とかが落ち始めるまでにはかなりの忍耐と継続が必要 です。
また、皮下脂肪は全身均一に減るものなので、 「腹筋運動を頑張ればお腹が痩せる」とかはありません。
よく「腹筋をするとお腹の脂肪が筋肉に変化する」というイメージで理解している人がいますが、これはまったくの間違いです。
最初にも書いたとおり、
摂取カロリーを調整することで全身の皮下脂肪を少しずつ減らしていく
その結果、お腹の皮下脂肪もだんだん減ってくる
皮下脂肪が減ってきた結果、下に隠れていた腹筋があらわになる
あらわになったときに、かっこよく割れた状態で見えるためには、腹筋を大きくしておく必要がある(そのために腹筋をしておく)
というのが「割れた腹筋」の正しい因果関係です。
食事制限の具体的な方法
結局痩せるためには食事制限がすべて、という話ですが、具体的にどういう方針でやればいいか(僕がどうやっているか)を説明します。
①摂取カロリーをおさえる(腹八分目メソッド)
まず大前提として、「摂取カロリー < 消費カロリー」でないと痩せないので、食事のとりすぎを防ぐことが最重要です。
細かい話をすれば、体脂肪が持つエネルギー量というのは1kgあたり約7000kcalなので、例えば体重を5kg減らしたいなら食事による摂取カロリーをトータルで3万5000kcal減らせばよいということになります。仮に目標期間が3ヶ月なら、1日あたり約390kcalカットすればいいということが分かりますね。
こんなふうに痩せたい体重と目標期間から逆算すれば1日にカットすべきカロリーが分かる、というのはよく言われている話なんですが、正直食べたもののカロリーやその日消費したカロリーを正確に把握するのは難しすぎるしめんどくさすぎるので、あまり細かい数字で管理する方法は僕には合っていないなと思っています🙄
そこで僕が実践しているのは、 「腹八分目しか食べない」 という方法です。感覚的すぎるようにも思われますが、「腹八分目と感じる」=「消費カロリーに対して摂取カロリーがちょっと足りていない」ということ(だとも思う)なので、ごちゃごちゃ考えずに感覚を頼りにやるのが実は一番スマートな方法だと思っています。
実際この方法で、最初の半月で2kgぐらい痩せました。
②血糖値の急上昇をおさえる
いくら気をつけていても、常に「摂取カロリー < 消費カロリー」というわけにはいかないのが現実です。
そこで、摂取しすぎたカロリーがどのように体に蓄えられる(つまり太る)のかを知って、できるだけ回避できるような食事の方法を知っておくことが重要です。
そのための前提知識として、 PFC という言葉を知っておきましょう。
PFCとは、Protein(タンパク質)・Fat(脂質)・Carbohydrate(糖質)の略で、いわゆる三大栄養素のことです。
それぞれ、人体における役割はざっくり言うと以下のとおりです。
タンパク質:筋肉や皮膚などの組織を作る役割
脂質:エネルギーを蓄える役割
糖質:エネルギーを直接使う燃料の役割
「太る」というのは「体内の脂質が増える」ということなので、「じゃあ脂質をあまり食べないようにすればいいんですね!」と思ってしまいがちですが、実は 脂質は食べすぎると便になって排泄されるので過剰に体内に残ることはありません。
一方で、 糖質は100%吸収され、使い切れなかった分が脂質に変換されて体脂肪として蓄えられます。
つまり、太る原因の大部分は 糖質のとりすぎ なのです。
もう少し細かく言うと、「糖質をとると太る」のメカニズムは、
糖質をとりすぎると血糖値が上がりすぎる
血糖値が上がりすぎると、すい臓からインスリンという物質が分泌される
インスリンは血糖値を下げるために使い切れなかった糖質を体脂肪に変える
太る
というものです。
つまり、 血糖値をコントロールしてインスリンの分泌をおさえることこそが食事制限のカギ なのです。
血糖値の急上昇をおさえるような食事を心がける上では、 GI値 という指標を知っておくと便利です。
GI値とは、食材ごとの血糖値の上がりやすさを示す指標で、ググれば一覧表などがすぐに見つかります。
食事の際に
できるだけGI値の低い食材を選ぶ
GI値の低い食材(野菜など)から順に食べる
といった習慣を持つことで、血糖値の急上昇を抑えることができます。
特に、野菜から食べるというのは、 食べる量を変えずに順番を変えるだけで太りにくくなる という、とても簡単に実践できて効果が見込める方法の一つです。
あとは、ごはんに玄米を混ぜて食べるというのも効果的です。玄米は白米と比べて、糖質の量は同じですがGI値がかなり低いので、満腹感を得つつ血糖値の急上昇を防ぐことができます。
③PFCバランスを整える
糖質のとりすぎを防ぎつつも、体に必要な栄養はしっかりととらなければいけません。
そこで大事になってくるのが PFCバランス という考え方です。
三大栄養素PFCをバランスよくとりましょうというごく当たり前の話なのですが、ほとんどの現代人が実践できていないのが現実です。
僕は管理栄養士さんのような専門家でもないですし、腹八分目メソッドのところでも言いましたが、事細かに数字を計算して管理するのはめんどくさすぎてやってられないので、もう少し簡便な方法でPFCバランスの調整を行っています。
それは、 「人は基本的に脂質や糖質の多いものを『おいしい』と感じがちなので、意図的にタンパク質を多くとるようにすれば概ねPFCバランスは整うだろう」 というものです。
三大栄養素すべての摂取量を事細かに管理するのはめんどくさすぎますが、毎日のタンパク質摂取量をおおまかに把握するぐらいならそれほど大変ではありません。
ボディービルダーの方々が発信されている情報を見ると、一般人なら毎日「体重x1〜1.5g」ぐらいのタンパク質をとるのが理想らしいです。
つまり、体重60kgなら60g〜90gのタンパク質をとればよいというわけです。
僕は体重がだいたい60kgなので、
朝夕に牛乳でプロテインを飲んで45g
夕食はあまり何も考えずに食べてもだいたい20gぐらいはとれる
おおよそ肉100gにタンパク質20gぐらいらしいので、夕食でそれぐらいはとれる
昼食と間食(コンビニに売ってるサラダチキンとかプロテインとかプロテインバーとか)で25g
という感じで90gを目安に摂取するようにしています。
ボディービルダーとかになると「体重x2〜3g」のタンパク質をとっているそうですが、そこまでハードに筋トレしてないならとりすぎもよくないです。タンパク質の過剰摂取は肝臓に負担をかけていろんな障害を引き起こすらしいので無闇にとりすぎるのはやめましょう。
④チートデイを設ける
食事制限を習慣として継続していくにあたり、1〜2週間に1回ぐらいは適切にチートデイを入れるのが人体構造的にも、精神衛生的にも大事です。
チートデイとは「食事制限のことを忘れて好きに食べていい日」のことです。
低カロリー生活に慣れてくると、体がそれに順応して「少ないカロリーでも蓄積できる体」に変化してしまうので、定期的に高カロリーな食事をして体に「あ、心配しなくていいんだ」と思わせることが必要ということらしいです。
週末に飲み会とかがあればその日がちょうどチートデイになるという感覚でいいかと思います。
おまけ:筋トレの方法について
筋肉には速筋と遅筋という2種類があり、速筋は瞬発力を発揮する筋肉、遅筋は持久力を発揮する筋肉だそうです。
速筋は鍛えると大きくなりますが、遅筋は(マラソン選手の足が細いことからも分かるように)大きくなりません。
なので、 筋肉を大きくするという目的で筋トレをする場合、速筋をつける必要があります。
速筋をつけるには、 10回がきついぐらいの負荷で10回を3セット行う がセオリーです。
自重トレーニングだとなかなか速筋がつきにくいので、自宅で腕立て伏せや腹筋をするよりも、素直にジムに行ってウェイトトレーニングを行うほうが圧倒的に効果が高いです。
ちなみに、筋肉を増やすことで得られる基礎代謝の向上はたかが知れていると言いましたが、それでもあえて意識するなら、できるだけ大きな筋肉を鍛えるのが合理的です。
具体的には、大腿四頭筋と大臀筋とハムストリングスで全身の筋肉量の50%ぐらいを占めるらしいので、スクワットが最強です。さすが筋トレの王様と呼ばれているだけのことはあります。
おまけ:有酸素運動について
登山は3時間で2000kcalぐらい消費できるらしいです。
一気に脂肪を落としたいならそういうハードな運動を集中して実践するのは効果的だと思います。
が、生活習慣にまで昇華して継続的に体型を維持していくということを考えると、やはり有酸素運動より食事制限だと個人的には思います。
繰り返しになりますが、毎日30分ランニングするのと、毎日ごはんのおかわりを1杯我慢するのと、どっちが楽ですかという話ですね。
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