【クラゲシャーク】のひそかな革命 アビスオーパー

 こっそりypをしているttoです。「WORLD PREMIERE PACK 2022」において登場するアビスオーパーが【クラゲシャーク】で果たす役割について話していきたいと思います。

新規 アビスオーパー

《アビス・オーパー/Abyss Keeper》 †
リンク・効果モンスター
リンク2/水属性/魚族/攻1500
【リンクマーカー:左下/右下】
水属性モンスター2体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
このカードはリンク召喚されたターンにはリンク素材にできない。
(1):このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。
手札から魚族モンスター1体をこのカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する。
(2):このカード以外の自分フィールドの魚族モンスター1体と相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを除外する。

 遊戯王初の魚族リンクモンスターです。魚族はシーラカンスの存在故にペンデュラムは1枚のみ、リンクもこのカードのみとすさまじい冷遇を受けています。
 それは置いておくとしてこのカードについて語ります。
 まずステータスが優秀です。攻撃力1500というのはコーラルアネモネで蘇生できる値であり、そのままジーランティスにつなげれば、相手の場の全体除去を行うことができます。ただ、リンク召喚したターンはリンク素材にできないため、このカードをリンク召喚して効果で魚族を特殊召喚し、そのままコーラルアネモネを出す、といったことはできません。初動でこのカードを出した後、とりあえず墓地に送られた場合、蘇生してジーランティスに繋ぐという使い方が主になると思われます。
 次に(1)の効果です。これがメインとなる効果です。基本的に水属性デッキは手札からの展開力は弱く、召喚権が重視されます。魚族は特にそれが強く、以後紹介する「カッターシャーク」を中心に様々なモンスターを展開することが可能となります。
 (2)についても有用です。水属性エクシーズ全般は「ステルスクラーゲン」を筆頭に表側表示のモンスターを除去する効果に偏っており、裏側守備モンスターや罠魔法を除去する手段に乏しいです。(一応「FAブラックレイランサー」はあるにはあるのですが、条件が「戦闘で相手モンスターを破壊したとき」と厳しいうえに遅いです)。そのため、労力はかかりますが、貴重な除去手段になります。
 ではクラゲシャークではどうやって出すのかという話になりますが、主に「アビスシャーク」を使用して出すことになります。「カッターシャーク」や「クリスタルシャーク」は展開時の制約からリンク召喚は出来ず、「サイレントアングラー」は特殊召喚時の制約から(1)の効果を使用することができません。「サイレントシーネットル」を使用するという方法もありますが、このカードをデッキに入れるかについては悩ましいところです。

【クラゲシャーク】とは


 シャーク1枚からランク4を出せることを生かして、水属性ランク4の「ステルスクラーゲン」を主体としたビートダウンを行うデッキです。以前は「バハムートシャーク」と「餅カエル」というもう一つの軸があったのですが、スプライトでガエルが暴れまわったため「餅カエル」が禁止になりました。
 「深淵の決闘者編」で登場したアビスシャークやクリスタルシャークはランク4エクシーズを出す場合、ナンバーズしか出せない条件があるので、以前と比べてさらに「ステルスクラーゲン」に依存することになります。
 その他にも汎用ランク4を採用することで対応力が上がっており、「深淵に潜むもの」や「バグースカ」で相手の動きを封じたり、ホープ系統を採用してワンショットを狙ったり、「バックザコック」を採用して遅延したりと様々なことができます。
 特に強みとしては「ステルスクラーゲン」と併用することで「御前試合」が「虚無空間」と同じように働きます。すなわち、ステルスクラーゲンで場のモンスターがすべて水属性になるので、相手は水属性以外のモンスターを召喚、特殊召喚できなくなります。通称クラゲ御前。
 一方でメインに採用されるモンスターが「カッターシャーク」「デッドリーフ」や「鰤っ姫」、貫通要因としての「アビスシャーク」「クリスタルシャーク」など、いうなればエクシーズ素材になるモンスターに偏っており、メインのみで解決できる状況というのは少ないです。特に「次元障壁」には弱く、事実上のターンスキップになります。

アビスオーパーの強み


 さて、アビスオーパーが【クラゲシャーク】で採用されるのか?ということについてですが、そのためには一枚のカードを紹介したいと思います。

《マーメイド・シャーク/Mermaid Shark》 †
効果モンスター
星1/水属性/魚族/攻 100/守 300
このカードが召喚に成功した時、
デッキからレベル3~5の魚族モンスター1体を手札に加える事ができる。

このカードとアビスオーパーを組み合わせることで新たな1枚初動になります。
具体的には
1 マーメイドシャークを通常召喚しアビスシャークをサーチ
2 アビスシャークを特殊召喚してカッターシャークをサーチ
3 アビスオーパーをリンク召喚してカッターシャークを特殊召喚
4 カッターシャークの効果を使いランク4を特殊召喚
というものです。

元々の【クラゲシャーク】は鰤3枚カッターシャーク3枚ワンフォーワン1枚の7枚体制でした。それがクリスタルシャークの登場によりデッドリーフ3枚も初動となり、今回のアビスオーパーによりマーメイドシャークも追加され、合計13枚が初動として計算できるようになりました。
デッドリーフでクリスタルシャークを落とす流れではランク4はナンバーズしか出せないため、ステルスクラーゲンとバグースカは出せますが、昨今流行しているティアラメンツに対抗できる深淵に潜むものは出せませんでした。
もう一つ強みとして挙げられるのが、初動が重複した場合の話です。例えばカッターシャークと鰤、デッドリーフはいずれも召喚権を使うため手札に重なった場合は事故といえる状態です。しかし、マーメイドシャークからアビスシャークをサーチする流れの場合、手札に別の初動があった場合でもエクシーズリモーラをサーチするなどすれば、2体のエクシーズを立てることができます。

《エクシーズ・リモーラ/Xyz Remora》 †
効果モンスター 星4/水属性/魚族/攻 800/守 800 (1):このカードは自分フィールドのX素材を2つ取り除き、手札から特殊召喚できる。 (2):このカードの(1)の方法で特殊召喚に成功した時、 自分の墓地の魚族・レベル4モンスター2体を対象として発動できる。 その魚族モンスターを守備表示で特殊召喚する。 この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できず、効果は無効化され、表示形式の変更もできない。 この効果で特殊召喚したモンスターをX召喚の素材とする場合、水属性モンスターのX召喚にしか使用できない。

まとめ

 短めの話になりましたが、読んでいただきありがとうございます。
 クラゲシャークも少しずつではありますが着実に強化されています。また、次元障壁が減っており、深淵に潜むものが有効な相手が多いことも追い風です。
 もうすぐの10月のリミットレギュレーション次第ではありますが、少しずつ使っていきましょう。

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