戻らないもの
忙しい日々に、大切なものを失った20代後半の男性の物語。
彼は、大学を卒業後、就職し、仕事に就いた。
慣れない仕事に毎日悪戦苦闘するものの、やりがいのある仕事で毎日充実していた。
職場の同期とも仲良くなり、よくごはんを食べに行ったり、たまにある休みの日に遊びに行くこともあった。
充実した毎日の仕事や同期との付き合いで、久しぶりに高校時代の親友から「遊ぼう」と連絡が入っても、「そうだね、今度遊ぼう」と流していた。
仕事はどんどん忙しくなり、あまり休みもなくなっていった。
そんな日々を過ごしている中、高校時代の友だちから電話があった。
「久しぶりー」「元気?」そんなやりとりをしたあと、その友だちから
「○○君覚えてる?」
と聞かれた。
もちろん覚えている。以前「遊ぼう」と連絡をくれた親友の名前だ。
次の瞬間、彼は耳を疑った。
「○○君、亡くなったんだって。」
親友は病気になり、闘病の末亡くなったそうだ。
「遊ぼう」と連絡をくれたのは、もう長くない人生を悟り、最後に会いたい、そう思ったのだと思う。
二度と会えない親友へ贈る。
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