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1年半ぶりの深圳にて(その2)

前回前々回と既報の通り、2/26-3/1に深圳・香港へ訪問した。今回はその滞在記2回目。

前回も書いたように、以前から深圳への興味はあったが、行こうと決断するに至ったのはこの動画がキッカケ(あとはHK Expressのチケットが格安だったというのもある)。動画はWiredの特集2回目。

3日目(2/28)深圳(華強北→深圳市博物館→深圳大学→新幹線)→香港【前半戦】

3日目は事実上最終日。当初予定は博物館と大学だったが,無人コンビニを探し忘れ,華強北にあることが判明。そして,新幹線で香港に移動するには福田駅よりも深圳北駅に行く方が本数が多いことがわかったため,市内を西へ東へ,北へ南への大移動の1日になった。

本当に無人だった無人コンビニ…

まず,今回のツアーで要望が多かった無人コンビニの訪問。大きな荷物を持って向かったもののシャッターが下りており,本当に無人に…。実は前日にこのお店の向かい側の茶店で休憩をしていた。ホテルに戻って調べている時に「この看板見覚えある…」と思ったのだった。前日に開いていたのか,朝9時では開いていないのか,事実は不明である。ただし,右上にあるようにこの店は24時間営業…。

深圳市博物館を見学

早々に諦め,続いて夕方の新幹線乗車のために深圳北駅へ移動。華強北駅から乗り換えで30分。荷物を預け,再び来た道を戻る。また30分。人民中心(civic center)駅へ移動した。

巨大な人民中心。深圳市政府に隣接している。

駅を出て歩くこと約10分。深圳市博物館に到着。圧巻の規模。

深圳市博物館は3階建て。深圳の自然史,文化史,そして改革開放後の経済史がまとめられている。

事前にネットで調べたところ,普通に回れば3時間かかるとのこと。時間も限られていたのですべて見ることは諦め,改革開放後の経済を学ぶため,3階に直行した。

1978年の四人組打倒から展示が始まる。

前半は鄧小平を称賛する改革開放政策と深圳の歴史がまとめられている。

有名な写真の1つ。工事現場でサックスを吹く現場の工員。

鄧小平が深圳に来た際に使用した車も現物展示。泊まった部屋,視察に使用したバスも展示されている。

深圳の発展がよく分かる暦年比較

よく知られているように,約40年前には漁村に過ぎなかった場所が今は1,300万人を超える人口に。街の到るところで新しいビル,道路工事が行われていた。

後半は発展後の深圳で製造されていた家電製品,スタートアップ都市へ変貌を遂げていくまでの現代史,共産党による指導がいかに優れているのかについてまとめられていた。残念ながら中国語が読めないので何と書いているのかはわからないんだけれども…。

深圳市博物館を出て昼食。そして,深圳大学へ移動することに。深大駅ではなく,1つ先の桃園駅で下車して約15分歩く。

深圳大学創業園の視察

広大なキャンパスの文系ゾーンにその施設は設けられていた。国立深圳大学創意園。言い方を変えれば,インキュベーションセンターである。

深圳大学から見えるI♡SZ(Shenzen)

深圳大学には創業学院,創業園,学院コーヒーと,アップルと共同創設しているコワーキングスペースが1つの建物に集約されている。

深圳大学創業園は2009年に設立。これまでに1,800万元(約2.9億円,1元=16円で計算)を学生に投資している。現在70社が入居している。入居希望倍率は2倍弱。入居許可が出ると半年間オフィスが与えられる。

お茶販売,旅行企画などサービス系の企業もあれば,ミドリムシを使ったビジネス(日本で言えばユーグレナですね)を立ち上げている学生もいる。寮が3人1部屋なのでチームを作って応募したり,講義もグループワークが多いので自然とリーダーシップとフォロワーシップが身につくようになるそう。

実践と理論,学内活動と学外活動のサイクルをいかに築くかがポイント

企業との連携,ピッチイベントなども頻繁に行われており,学内にいながら実践的な学びができる環境。「なぜそんなにみんな起業しようと思うのか?」と尋ねたところ,深圳という土地柄もあるけれども「本学では全学部に教養科目として起業に関する科目が18単位必修化されています」とのこと。全学部ですか。そうですか。

そもそも政策として共産党,市政府からの指導(領導)があって大学にてアントレプレナーシップ教育を行うように導かれている部分もあるが,大学,学生,企業が一体化して価値ある新たなモノ・サービスを生み出す意欲に溢れているように感じた。

とりあえず今回はここまで

さて,深圳大学の視察はまだまだ続くのだが,今回はここまでにしておく。

私にとってここまでの2日間はガイド的な役割が大きかった一方,私にとって価値ある視察はこの1日に集約されている。しかも,当初想定していたレベルを遥かに超えた濃いものになった。それは管理学院=商学部でのミーティングが予定の1時間から2時間になり,学生・院生の交流が深まったからだ。これについてはまた改めて記すことにしたい。

ここまでで感じていたことは,ゼミでやっていることへの手応えだろうか。ここまで現職について7年。(私自身のパーソナリティの問題もあってか)うまくいかない部分も多々あるが,ゼミでの教育方法としては必ずしもレベルが低いものではないことを確認できた。昨年のボストンでもそうだったが,定期的に確認しないと気づけない。

ただ,深圳大学にしても,昨年のMITやハーバードの視察でも感じたことだし,指摘をされていることだが,形にする,社会に実装するまでにはたどり着けていない。ようやく形になりそうなものが出てきそうではあるが,私自身がやり切ることをしなければ価値が伝わらないのだろう。

単にプロジェクトやりましたで終わらせない,形にするがここ2-3年の課題。これで良いやと思う自分と,本当にやりたいならとことんやれよという思い,そういう場を創れない自分へのもどかしさ。

日本でのロールモデルはすぐ身近にある。同じことはしたくない。が,どうするか。いろいろな思いがぐるぐるした時間だった。

さて,私のココロの中はここまでにしておこう。最後に深圳大学の紹介VTRを録画したので,それを見て頂いてここで3日目前半戦を終わりにしよう。

深圳大学は1983年に創設。現在学生数は約3.5万人。日本の学部に相当する学院は27ある。

続きはこちら。まだまだ続くよ。

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