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リビングデッドガーデン
ここはグェーランの辺境の地に立つ名もなき屋敷。
主人はシルヴァネスを研究しいつしかこの地に自然豊かな大地が広がることを夢見る学者。
学者を見守るは屈強な肉体を持つ老兵。
そして庭には、老兵を慕い学者を慕う兵たちの姿。
訓練の傍ら、庭には色とりどりの果物がなる木がある。栽培する若者は収穫ににんまりしていた。
平和そのものがそこにはあった。
…たしかにあったのだ…
それはいきなり起こった。
学者はいつも通り研究をし、本棚を整理しはじめる。
そこにぽとりと落ちる見慣れない本が一冊。
手に取る学者。その本の名は…
「…バトルトーム?」
気がついた頃には読み耽る学者。
部屋に篭りきりな学者を心配する兵たち。
老兵は我慢ならず扉を蹴り上げて部屋に入っていく。
…扉が開くその瞬間。
部屋の中から緑の煙が広がる。
煙は部屋を庭を、周囲が見えなくなるまで広がる…
学者は目覚める。
…その姿を目にして驚く。
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学者はナーグルの恩恵を受けていた。
学者は元々難病を抱えていた。
命短くとも仲間達と余生を過ごすつもりではあった…
学者は気がつく。
難病の痛みがないことに。
学者は忘れる。我が名を。
しかし、ナーグル神から授かった新たな名を口にする。
「…ブックマン。私の名はブックマンか。」と。
ブックマンは、老兵を思い出す。
…名をなんと言ったか?
名は思い出せないが普段からこう呼んでいた。
「セバス!セバスチャンはいるか?」
「…坊ちゃんこれはいったい?なんだか我輩、力がみるみる湧いてくる…老兵地に落ちたと絶望している場合ではありませんな!はっはっは!」
…良かったいつものセバスだ。
他の者たちは?
良かった。彼らも無事だ。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/132498599/picture_pc_401ac7145147b2c3e54d62bee42b18f0.jpg?width=800)
(本来の人間ならこれを無事だと思うだろうか?否。断じて否。彼らはナーグルの恩恵を受け入れてしまったせいで、過去の記憶は曖昧になり、持病を抱えたまま体は腐敗し、しかし腐敗を受け入れた肉体は生前よりも強硬となる。彼らの感覚は常人では理解をできない。)
ブックマンは無事な仲間たちと共にナーグル神のために、この庭を広めることを決意する。
そう。これは名もなき学者が
世界を腐敗の庭に変えていく物語。
リビングデッドガーデン
はじまります。
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