生きる意味をくれた人32 恥じない生き方をしてきたから 再会できた!
そもそも、大学4年の冬。
「こんなところに不採用になるくらいなら社会人になんかならなくてもいいや!」と人生を捨てかけた僕に、「夕飯食べない?」と誘ってくれたのが彼女だった。
今、当時のことを聞くと、「あの時は、自分でも考える余地もなく、とっさに誘ったんだよ」と言っている。
今にも倒れそうな野良犬に、パンの切れ端でも与えなければ死んでしまいそうだとでも思ったのだろう。
でも、自由が丘で待ち合わせて、2年先に社会人になっていた彼女を見た時、何ともまぶしく見えた。
「大人だ!」と思った。
いかにも、就職が決まらない、ダメ学生風情の自分が恥ずかしかったか・・・。
そして、そんな僕を、一生懸命励ましてくれる彼女。
別に付き合っていたわけでもなんでもない。
ただ、彼女は何でも相談してくれたし、その相談の折に、僕は時々、就職活動の中間報告をしていたくらいかな。
でも、ほぼ毎日、アパートに電話をくれた気がする。
そして、その自由が丘の夕食の帰りに、「彼女に恥じない、きちんとした社会人になろう!」と僕は誓いながら渋谷のアパートへ帰ったんだ。
もし、その「励まし」がなかったら、今のキャリアはなかったと思うし、どこかで孤独死していたのだと思う。
その後、彼女とは別々の道を歩んだが、数年前にネットで僕の名前を検索したら、出身地と、出身高校は同一人物だけど、どう考えても一致しないキャリアが並んでいて戸惑ったと笑っていた。
いやいや、あなたがくれたキャリアだから。
再会するとは思ってもみなかったけど、ずっと、あの「励まし」に恥じない生き方をしないといけないとは思って生きてきたつもり。
彼女の誕生日が覚えやすくて。
良く目につく数字なんだよ。
そのたびに、いやでも気合が入る。
そんな人と、今また一緒に歩いているという不思議さ。
人生はわからないね。
相変わらず励まされているけどね。
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