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志存高遠                目標は高く持て その4

そうなんだ。
大きな目標を達成するためには、いくつもの大きな壁を乗り越えなければならないということも想定しなければいけない。

若い頃は、そこまで計算できないよね?

仕方ないよ。
経験がないから。

でも、若いからこそのやる気と勢いがある!
それこそ大切。

僕にはリミットがあったから、既存の客だけでは無理だったし、何より「全員者の売り上げだろ!」と言われるのはプライドが許さない、と思うくらい生意気だった。

だから、前任者の残した新規あぷろーとリストを徹底的に整理して、片っ端から再アタック。
それとともに、商工リサーチとか起業年間的なもので電気電子業界版みたいなのがあって、売り込めそうな、これから光半導体を使いそうな企業をリストアップして、研究開発部門にアポ取り電話をかけまくり、それでもだめなら飛び込み営業をかけまくった。

八王子の石川工業団地は担当企業も多かったので、ついでに回りやすかったしね。

ついに、耳寄りな情報が。

メーカーの重役と、僕の会社の社長との会話をたまたま聞いてしまった。
ある製品がだぶついていて、今なら値下げできるという。

その型番どこかで見たな!

ぼく、右脳が発達しているので、以上に記憶力がいい。

そう、元上司の新規アプローチ報告書に「価格が合わず現状では無理」と書いてあった型番だ!

即、アポの電話を掛けた。
運良く、最も決裁権のある人があってくれるという。

ある製品で世界一のシェアを持つ会社だった。

その日のうちに面会できた。

通常では考えられない価格を提示した。
だって、メーカーの重役が言っていたから、何とかなるだろって確信してた。
さすがに先方も驚いて、競合他社より相当安いと言っていた。
「これなら採用できるけど、サンプルと正式な見積もりを持ってきて!」と。

さあ、ここからが本当の闘い。
直属の上司に状況を報告し、一緒に社長のところへ相談に行った。

「えっ、そんな価格出せるの?」

誰が許可したんだ!」って顔は真っ赤。
ヤバいと思ったけど、正直に、メーカーの重役が話していたのを聴いてしまったことを言うと、その場で社長が確認の電話をしてくれて、メーカーが価格を確約してくれた。

あとは、サンプルがを提出して、試作が合格すれば採用が確定して契約成立。

難問は、光半導体には、出力のばらつきがあって、ランク分けをしていたこと。だから、「なるべく多くのランクを採用してもらえれば、安くできる」と条件付きで見積もりとランク付きサンプルを提出した。

すぐに評価をしてくれ、なんと「GOサイン!」

資材部へ挨拶して、正式契約し発注書をいただきました。

毎月約2千万円から3千万円の受注額。これって、その年のメーカー全体でも1顧客への受注額でトップだったんだよ。
メーカーの社長まで会いに来た。
だって、夏休みにはメーカーの社長家族のテニス接待、常務家族の花火大会接待を僕と社内結婚した女性とともに任されたくらいだから。

もちろん、家痕式、披露宴は、胸を張って出席できました。
ただね、新郎の主賓も、新婦の主賓もメーカーの重役になったけどね。

一躍ホープには躍り出た。

でもね、最後まで直属の上司の売り上げは抜けませんでした。

新規企業の獲得数は断然僕が多かったけど、上司は、一つの起業と深く付き合うのが上手だった。
そういうところはマネができなくて尊敬してました。

その新卒の僕なんかと、大きな契約をしてくれた超優良企業も懐が深いいい会社でした。
<続く>

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