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映画 トラペジウム 初見感想(ネタバレ)

映画トラペジウム観てきました。
何となく自分の中で消化しきれてないので感想を残したいと思います。
ガッツリネタバレしてます。


【全体の感想】

アイドルアニメだと思っていたけど違った。爽やかさのない青春アニメ。
登場人物のアイドルとしての成功を描く群像劇かと思えばそうではなく、じゃあ主人公の成長に焦点を当てているかといえばそうでもなく。
理想的過ぎず、現実的過ぎもしない、狭間にある青春像を描いているような気がして不思議な味わい。
終始不穏な雰囲気が漂っていたのでハッピーエンドになってよかった。

【登場人物の印象】

・東ゆう(東さん)
主人公にして全ての立役者にして諸悪の根源。
強メンタル、に見せかけて弱いメンタルを強い執着心で隠してる。
加害者だけど、ある意味では自分の夢に追い詰められた被害者。自業自得ではある。
なんでそこまでアイドルに執着するのか、そこがあまり見えなかったけど本人なりの想いがあるんだろう。
嫌なやつだけど最終的には自分を見つめ直したし、ドライなところは好き。
成功してよかったね。

・大河くるみ(西さん)
アニメキャラっぽいアニメキャラ1。
メンタル弱めなのに結構アイドルやれてたのですごい。
被害者レベル大。心壊れたあとに東さんを許せてるのすごい。
この子が壊れたおかげで東西南北がちゃんと終わってくれたので功労者。
成長したあとはちゃんと化粧してるしキャリアウーマンぽくなってる。
恋愛にはあまり興味なさそうだけど工藤君と付き合ってたりしたらいいなと思う。

・華鳥蘭子(南さん)
アニメキャラっぽいアニメキャラ2。
一番の変人にして強メンタル。強キャラそうに見えて弱キャラだったけどやっぱり強かった。東西南北で唯一泣いていない?
もしかしたら物語前半は物事を深く考えていなかっただけかも。
でも、どんな状況も楽しもうとしてたの偉すぎる。
気を遣って「歌うの苦手」って言ったのに東さんに超絶ウルトラクソリプ貰って可哀想。言い返さなかったの偉すぎ。
やりたいこと見つけられてよかったね。ちゃんと行動できて偉すぎ。

・亀井美嘉(北さん)
東西南北のリアル担当。
あまりにもリアル的要素を一手に担いすぎているのでモデルが居るのではと不安になった。
主人公にとっての不幸、絶望、希望、光。パンドラの箱女。
弱メンタルの権現。ボランティア仲間という言葉にキレるところ普通に怖い。
東西南北に明確なヒビを入れた立役者。この子も東さんからクソリプ攻撃されてたけど、まあ言われても仕方ないなという部分もある。
最終的には悪い男に引っかからず幸せな家庭築けたようで良かった。ドラッグ漬けエンドになっててもおかしくなかった。

・水野サチ(さっちゃん)
主人公にとっての光2。あるいは呪い。
視聴者目線だといきなり東さんにアイドルを求めるので少し怖い。
一級呪術師の可能性がある。

・工藤くん
恐らく一番真っ当なルートで夢を掴んだ人。
初登場時はクソ陰キャメガネに見えたけど蓋を開ければ人たらし。
東さんがアイドル志望とわかるや否や、男は不要と判断し、恋心を隠す配慮もできる。もしくは東さんの強執着心に恋心が冷めただけかも。
多分アイドルとしての東さんファン1号であり、最初のビジネスパートナー。
西さんと付き合ってくれてたらいいなと思う。一番好きなキャラかも。

【序盤~活動開始】

オープニングで東さん以外が出てこなかったので、これアイドルアニメじゃないなと気づいた。
おおよそ全てが東さんの目論見通りに進んでいく中でずっと漂う不穏な空気。いつ目論見がバレるのかとハラハラしながら見てた。
でも、東さんの計画性はようやっとる。アイドルを目指すきっかけの話も、もっと欲しかったな。

【最初のTVライブ~解散】

不穏な空気が解消されないままTVライブ開始。
アイドルアニメはいくつか見たことあるけどライブシーンに集中できず「誰かミスってくれ」と思ったのは初めて。
その後も相変わらずトントン拍子で成功していく影で積み重なる不和の欠片。約束された"成功の崩壊"。
北さんのスキャンダル発覚時の東さん、流石に攻撃力高すぎる。ナーフ確定。
ここから細かい部分も含め嫌なことが積み重なって東さんがどんどん嫌なやつになっていくのが見ていて苦しい。さっさと崩壊してくれ。
西さんが壊れたことでようやく東西南北崩壊。イカれた目の東さんは爆発した怒りをなんとか笑顔で取り繕うとしたのか、それとも彼女も理想と現実の狭間で限界だったのか。このあとの精神崩壊から考えるに後者だったのかな。

【解散~再会まで】

東さんのメンタルも崩壊。強メンタル保持者だと思ってたので意外。
ようやく学校にも行き始めたところで古賀さんから電話。余計なことするんじゃねえだろうな、あの関西人。と思ったら真っ当な人だった。疑ってゴメンなさい。
ラジオからデビュー曲が流れ、メンバー全員が違う場所にいながらも同じ星の下で聞いているよみたいな描写。普通のアニメならエモ〜!ってなるんだろうけど、お前らどんな気持ちで聞いてんだよとか考えてた。特に北さん。
最終的に皆CDを持って思い出の場所で再集結。宿題も終わらせて幻の新曲完成。ここもエモ〜!シーンなんだろうけど、このあとの展開が気になって仕方ない。東さん再起するも失敗ルートじゃないだろうな。

【ラストシーン】

いきなり時間が飛んで成長&成功した東さん登場。あまりにも急だったので夢オチを疑う。
東さんが待ち合わせ場所に駆けていく場面も、まだ全然夢オチあるよなと疑う。
成長したメンバーが再会。夢オチじゃないだろうな?
工藤くんの展覧会へ。理想的な再会シーンの中、本当の姿を映し出した写真が出現して、現実に引き戻される展開もあり得る。まだ油断はできない。
文化祭の写真。正直かなりグッと来た。波乱万丈あったけど月日が経っても友情は変わらず、笑いあえてるとかそういうのにおじさんは弱い。
工藤くん、いい写真撮るよ。夢オチじゃないよね?

【エンドロール】

ようやく安堵する。エンドロール見ながら振り返ってみる。思ってたのと違ったけど良い作品だったな。
正直なところ東西南北の誰も好きにはならなかったけど、だからこそ良かったのかもしれない。
誰か一人に感情移入せず、フラットな気持ちだったからこそ色々考えながら見れた気がする。
東西南北は崩壊したけど、東西南北があったからこそ生まれたものは、良いことも悪いことも含めて生き続けているみたいな捉え方をした。
あー!面白かった!とはならなかったけど、エンドロール中にジワジワと「観て良かった」という気持ちが湧いてきた。

【見終わったあとのグッズコーナー】

東西南北タオル、誰が買うんだよ。
いや、でもこれを部屋に飾っておくのがある意味、真のトラペジウムファンかもしれない。


もう一回見たら感想変わるかもしれない。周回する人の気持ちがわかりました。

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