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アメリカ英語の発音の特徴と誰もが習得できるアメリカ英語の発音のノウハウ

‟アメリカ英語の発音エリア”へ ようこそ。        これまで 誰も踏み込んだことがないアメリカ英語の   発音エリアを ご案内いたします。 

最初にアメリカ英語の音声の特徴について述べていきます。

ここでいうアメリカ英語というのは、Genaral American(略GA)と呼ばれているものです。

アメリカ英語(以下GA)の音声は、                  1⃣ イギリス英語やオーストラリア英語に比べて よく響きます。     2⃣ 音声が鼻音化しています。                     3⃣ GA独特のR音性母音という発音があります。            4⃣ 同じネイティブ英語でも、他国の英語に比べ頻繁に音声変化します。  5⃣ イギリス英語に比べて、音声周波数は それほど高くありません。   以上のような特徴があります。

以下、1⃣~5⃣に付いて説明します。                  1⃣ 舌に力を込め、舌を盛り上げると、舌と口蓋(=上あご)の間が狭くなります。そして 舌の左右の両端は、上の左右の奥歯に当たります。これが、イギリス英語やオーストラリア英語を話すときの舌の状態です。なお、舌に力を込めると、舌は自然に盛り上がります。舌は 下の前歯を前に突き出しても 盛り上がります。

一方のGAを話す人たちは 単に 舌に力を込めるということではなく、舌を喉の奥に引き込むような感じにしておいて、あるいは 舌を強く口腔の奥部に引くようにしておいて英語を話しています。話している間は、常に 舌を喉の奥に引き込むような感じに、あるいは 口腔の後部に引くようにしています。

そのため、舌の後部の中央部分には かなり力が込められた状態になっています。また、舌に力が込められた状態になっているということは、舌の左右の両端にも力が加えられています。その結果、舌の左右の両端は盛り上がって上の左右の奥歯に当たります。

ところが、単に舌を盛り上げているイギリス英語と違い、GAの場合は 強い力で舌を後ろに引っ張るようにしているために、舌の後部の中央部分には 特に強い力が加わっています。

そのため、舌の後部の中央部分は、舌の左右の両端よりも低くなっているのです。つまり、舌は 緩やかな、あるいは 小さなⅤ字型になっているという訳です。この舌の形状は、口を大きく開ければ鏡で見ることができます。

このように、舌の中央部分が低くなっているために、そこに空間、つまり、 口腔の後部から奥部にかけて空間ができるという訳です。GAを話す人たちは、無意識のうちに、この空間で音声を共鳴させているのです。音声がよく響くのは、この空間があるからです。


2⃣ 舌を喉の奥に引き込むような感じにする、あるいは 舌を強く口腔の奥部に引くようにすると、舌の後部の中央部分が舌の左右の両端よりも低くなるのと同時に、口蓋垂(いわゆるノドンチンコ)周辺にも力が加わり、口蓋垂は下がった状態になります。

口蓋垂というのは、上あごの後部の軟口蓋の先端に付いている部位のことですが、鼻音以外の発音時は口腔と鼻腔の間を遮断するために後ろに上がった状態になっています。

そして、n(「ナ行」) や m(「マ行」)、ng(鼻音の「ガ行」) を発音するときのみ、自動的に垂れ下がった状態になり、鼻音(n, m, ng)を発音できるようにしているのです。

ところが、GAでは、強制的に口蓋垂を下げ続けているために、鼻音以外の音声も 常に鼻音化されているのです。


3⃣ GAでは、morning のように母音と子音に挟まれたrや、paper のように母音の後に付いている語尾のrを、R音性母音(r coloring)として発音します。

GAの発音は、常に舌に強い力を込め、舌を口腔の奥部に引くようにしています。そのため、舌の奥部は 殆んど固定された状態になっています。このときの舌の構え、舌の形状がGAの発音の原点なのです。これがGAの基準となる発音の構えです。

一連の音を発音するときも、舌の後部はGAの発音の基準となる構えをしたままで発音しているのです。そして、R音声母音の発音は、基準となる構えをした状態で舌の後部を少し盛り上げ、軽くrを発音しているのです。

母音の後にrが付いているmorning を発音する場合も、基準となる発音の構えで ストレスのある母音(o)を発音した後、舌の後部を少し盛り上げ、軽く添えるようにrを発音しているのです。

ところが、語尾のrの前の母音には、殆んどの場合、ストレスが無いために r の前の母音は、発音の基準となる構えのままで、曖昧母音として発音します。そのため、語尾の ar, er, ir, or, ur は 曖昧母音+R音性母音となり、すべて同じ発音になります。

※曖昧母音は、発音の基準となる構えのままで 軽く そして弱く「ァ」と発音する母音です。GAの個々の発音の中で最も多用されている音です。なぜなら、最も簡単に発音できるからです。


4⃣ GA「の発音は、常に舌を口腔の奥部に引こうとする力が強く働いているために、舌の動きが制限され、非常に窮屈になります。この舌の動きが制限されるいることが原因で音声変化が頻繁に起きています。

音声変化についての説明は 次回から順次行います。


5⃣ イギリス英語に比べると、GAの音声周波数は かなり低くなっています。それは、単に舌を盛り上げて、(呼気の通路である)舌と口蓋の間を狭くし、呼気を勢いよく出すようにしているイギリス英語と違い、GAの場合は、舌をⅤ字型にしているために 呼気の通る空間がイギリス英語に比べ 広くなっています。その結果、呼気をイギリス英語のように勢いよく出せないのです。

呼気を勢いよく出すことができなければ、音声周波数を高くすることができません。


ここまでGAの音声の特徴と その原因について述べてきました。結局、GAの発音の特徴のすべてが、GAの基準となる発音の構え、つまり、GA独自の舌の状態と舌の形状が起因しているという訳です。

発音が苦手な私たち日本人も、GAの舌の状態と舌の形状を理解することにより、あるいは、舌の形状をGAを話している人たちと同じようにすることにより、聴き取れない、通じないといったことが、時間の経過とともに解消されてくるのではないでしょうか。

以上です。


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