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アメリカ英語の発音の変化を検証する4⃣

アメリカ英語の t は 様々な音に変化します。破裂させるように発音するt、発音の構えをするだけで何の音も出さないt、無声音なのに有声音になるt、特定の音に挟まれると消えてしまうt、tなのに ch のように発音するt、語尾などで ひっそりと発音するt などがあります。

今回 検証するtは、発音しても しなくても同じように聞こえるtです。

いつもお話ししていることですが、アメリカ英語(General American)(略 GA)の発音は、常に舌を喉の奥に引き込むような感じにしておいて、あるいは 常に舌を強く口腔の奥部に引くようにしておいて行われています。

従って、舌の後部には強い力が加えられているために、舌の後部の動きは制限され、非常に窮屈な状態になっています。これが、GAを発音するときの舌の状態です。 

ここからが検証です。                        舌の状態を上記のようにしておいて ‟last name”と言ってみて下さい。

今  ‟last name”と言ったとき、last の t を発音しましたか。確認のため、もう一度 ‟last name”と言ってみて下さい。

t を発音していた人は、今度は t を発音しないで ‟last name” と言ってみて下さい。

どうでした?  ‟last name” の発音。t を発音しても発音しなくても同じように聞こえたのではないでしょうか。

それでは、ここで手の平を口の数センチ前のところに立てておいて、先ほどと同じように、二種類の‟last name"を交互に数回発音してみて下さい。

二種類の発音ともに、s の時以外 呼気は手の平に当たりませんでしたね。これで、last の t の発音が「閉鎖音」になっていることが分かります。


次は、Australia の発音です。ここでも t の発音の有無で音を検証します。

t を発音する‟Australia"と  t を発音しない‟Australia”を交互に発音してみて下さい。

やはり、last name のときのように、Australiaの発音も t があってもなくても同じように聞こえましたね。

ところが、australia を発音したときの t と、last name を発音したときの t では 呼気が違っているのです。手の平を口の数cm前に立てておいて発音してみると、呼気が違っていることがよく解かります。

つまり、Australia の t は「閉鎖音」になっていないのです。なぜなのか、それは GAの発音では n の前の t は、n に同化されてしまうのですが、Australiaの t は、n の前ではなく r の前だからです。

last name の t は、n の前にあり、Australia の t は r の前にあります。この違いが、発音に現れているのです。

同じ st+▯(子音)の発音でも、st の後ろの▯が n と r とでは t の呼気が変わるのです。

ちなみに、r や n それに母音の発音は呼気を伴いません。

t を発音しても発音しなくても同じ発音(閉鎖音)になる語句には以下のようなものがあります 。 Costner, just now, must not, first name.....

閉鎖音ではない t の発音には 次のようなものがあります。castle, COSTCO,  fast food, last summer, next week, west side.....

日頃 何気なく使っている語句も、アメリカ英語では以上のような違いがあるのです。

以上です。

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