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アメリカ英語の発音の変化を検証する1⃣

party や water, but I ~ の t の発音が、どうして d や「ラ行」のような音になるの?

前回もお話ししたことですが、アメリカ英語(General American)(以下GA)の発音は、常に舌を喉の奥に引き込むような感じにしておいて、あるいは、常に 舌を強く口腔の奥部に引くようにしておいて行われています。

従って、舌の後部には常に強い力が加えられているために、舌の後部の動きは制限され、発音時の舌は非常に窮屈な状態になっています。つまり、GAを話す人たちの舌の後部は、彼らが話している間、口腔の奥部でほぼ固定された状態になっているということです。

これがGAを発音するときの ‟基準となる発音の構え” なのです。


ここからが検証です。舌の状態を上記のようにしておいて party と発音してみて下さい。これまでとは違ったparty の発音になっていませんでしたか?

party が pardy とか parly のような発音になった人は、GAの‟基準となる発音の構え”ができているということです。

party の発音が party のようにしか聞こえなかった人は、舌を口腔の奥部に引っ張る力が弱く、舌の奥部が十分に固定された状態になっていなかったのだと思います。

改めて、思いっきり力を込めて舌を喉の奥に引き込むような感じにしておいて party と言ってみて下さい。これで party が pardy か parly のような発音のなったのではないでしょうか。

それでもまだ、party のように聞こえる人は、多分、舌を口腔の奥部に引くことが うまくできなかっただけなので、別の方法でやってみましょう。

今度は、通常は上の前歯より内側にある下の前歯を、これが限界だというくらいまで 前に出して下さい。つまり、下の前歯を上の前歯より数ミリ前に出すということです。

そうしたままの状態で party と言ってみて下さい。これで party が pardy または parly のようになったのではないでしょうか。

下の前歯を上の前歯より前に出したりすると、普段と違うので違和感があるかもしれませんが、しばらくすると舌への力の込め方に馴染んできて、上の前歯より前に出さなくてもいいようになります。

ただ、GAの基準となる発音の構えをしたときの下の前歯の位置は、上の前歯と同じ程度だと思っておいて下さい。


これまで、party や water 等の発音が、pardy や wader のように聞こえるのは、GAを話している人たちが 手抜きをして発音している、あるいは 気取った感じで発音しているなどと思っていたかも知れませんが、舌に強い力が加えられている影響で起きている単なる現象だったということがお分かりいただけたでしょうか。

ちなみに、私たち日本人が日本語を話しているときの舌の状態は、舌に力を込めていないため、舌は盛り上がっていません。つまり、下と口蓋(上あご)の間が広くなっているという訳です。

ということは、呼気がジャジャ漏れになるので、いくら頑張っても日本式の発音では、GAのような呼気で GAのような 音声に響きのある発音ができないということになります。

以上です。次回もGAの発音を検証します。


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