どんな奴なんだよ

みんながどうかはわからないが、たまに自分自身の事を俯瞰でみて「どんな奴なんだよ」と思うことがある。

直近で言うと紀州のドンファン殺害事件。ドンファンの元妻が逮捕された件で、元妻に少し興味が湧いたので調べてみたらどうやらアダルトビデオに出ていたのでサンプル動画を観てみた。
すると思っているよりスタイルがよくセクシーなので

「確かにこりゃドンファンも魅了されるわけだな」
などと思っていたら
想像以上にエロかったのでムラムラしてしまい事に及んでしまった。

事が済み、不覚にも冷静になってしまった僕はまだ再生中の元妻が出演しているアダルトビデオのブラウザを荒々しく閉じ「AV出て人殺すなんてどんな奴なんだよ」と呟いた。が、ふと俯瞰で観ると

「俺が一番どんな奴なんだよ」
平日の昼間に暗い部屋で殺人犯のセックスでオナニーしている小太り無職の成人男性は世の中の底辺なんだよ。

一番印象深い「どんな奴なんだよ」はスリランカに行った時のことだ。

飯がまずい、いや、まずすぎるスリランカでは日本ではハズレがないとされるカレーが毎日出てくるが、出てくる全てがハズレだった。

発展途上のスリランカでは衛生観念も食材の保存技術も未発達で市場にいくと魚の下に氷を敷いていないためハエがたかっていたり、腐敗しているような臭いがするほどである。

スリランカでは味噌汁、ご飯と日本人の関係性よろしく、カレーとスリランカ国民はズブズブの間柄になっている。彼らは毎日のように飽きずにカレーを食べているのでスリランカを旅している僕にとっても例外ではなく、カレーは毎日食べるようになっていった。

スリランカのカレーというのは日本のいわゆるご飯とルーをキレイに5:5で分けたような
the欧風カレーのようなものではなく、平皿の中心にご飯を盛り付けその周りに何種類かのカレーをよそっていくスタイルだ。

なので一皿に5種類くらいのカレーが盛られていてそのカレーを自分の好きな配分で混ぜたりしながら食べていく。カレーの食べ方としては色々な種類のカレーがあいがけで食べられる最高のスタイルだが、スリランカカレーではその種類の多さがネックになってしまっているのだ。

というのも現地の食堂なんかにいくとバイキング形式でカレーをとるのだが、衛生観念が緩いスリランカともあってラップやフタがされていないためカレーの周りにハエがたかりまくっている。さらに見る限り作ってからだいぶ経っていそうで、よくて半日から1日くらいは経っていて少し腐っているように見えるものもあった。
この時点で食べる気を失うが、食べた後も苦しみは続く。

「カレーなのに臭い」

そう。スリランカではそもそも食材を保存する技術が重要視されていないため調理する段階ですでに食材の劣化が進んでいる。さらに僕が食べた川魚のカレーはドブ川に棲んでいた魚をカレーに入れただけなのでドブが抜け切れておらず、スパイスがドブの尻に敷かれているような状態で、まるでカレーの見た目をしたドブのようだった。

僕は10日間スリランカを旅した。
途中心が折れても美味しいものがあるわけではなかったので、食事に関しては諦めて旅をした。日本に帰ってきたらまず何を食べるかという希望を抱えて。

そんな地獄のようなスリランカの旅だが
僕は行く前より太って帰ってきた。

「どんな奴なんだよ」
苦しい思いをしながらまずい飯をいっぱい食べて太ったという事だ。

これが僕の人生の中で一番印象に残っている「どんな奴なんだよ」だ。

これは余談だが、コロナの自粛期間中に激太りしてしまい、体重計に乗ったら体脂肪率が44%になっていた。恐る恐る体年齢をみると

13才だった。

「どんな奴なんだよ」

おわり

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