「メッセージ」

上映最終日、なんとか間に合いました。

冒頭に置かれる回想(としか言いようがない)シーンのため、ある程度ストーリーを知っていた僕でも少し混乱しました。

カート・ヴォネガット「スローターハウス5」と類似した話です。
僕はこの映画版、いまだ観ていません。小説は大学生の時に読んで感銘を受けました。
村上春樹は「今まで誰かにファンレターを書いたことがあるか」という質問に「一度もないが、この映画をみた直後にどうしても監督のジョージ・ロイ・ヒルに感想を伝えたくて手紙を書いた(確か送ってはいなかった)」と語っています。

こちらの映画「メッセージ」、時間に対する観念が切り替わらないと、ちょっと理解しにくい映画だと思います。「未来が分かる人がどう生きていくか」というのとは少し違う気がするのです。

エンターテイメントとしては、タイムパラドックスの問題をうまく昇華させている感じがします。

映画が進むに連れ、エイミー・アダムスがどんどんキレイに思えてきて、なんかあんまり活躍しないジェレミー・レナーにも好感を持つようになります。
そういう意味でも良い映画だと思います。

我々に今のところ未来は見えないわけですが、「自分も、自分が関わる人達も必ず死ぬんだ」という点においては、未来は自明なはずです。

よって、すべての時間を慈しんで生きないといけないということを、ストーリーでリアルに伝えてくれる映画です。

誰かにそう言われたとしても「そんなのあたりまえだろう」としか思わないわけですが、映画から伝わると、身にしみる感じがするし、映画とか小説の効用のひとつは、そういうことだと思います。
#映画 #メッセージ

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