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積分と級数

今回は、いつもと方向性を変えて。
いつもは、こうやったら覚えやすい、理解しやすい、やりやすいというような内容を書いている。
だが今回は、だいぶ前にふと疑問に思ったことを書こうと思う。
内容としては、面積の求め方のこと。
どういう内容かを具体的に書いていこう。
$${ x}$$軸$${ ,x=a,x=b,y=f(x)}$$で囲まれた部分の面積を$${ S}$$とする。
また、
$${F(x)=\displaystyle \int{f(x)dx}}$$
とする。
このとき、
$${ S=\displaystyle \int_a^b{f(x)dx}=F(b)-F(a)}$$
$${ S=\displaystyle \lim_{n \to \infty}{\sum_{k=1}^{n}{f \left(a+\frac{b-a}{n} k \right) \cdot \frac{b-a}{n}}}}$$
となる。
これらから、
$${F(b)-F(a)}$$
$${=\displaystyle \lim_{n \to \infty}{\sum_{k=1}^{n}{f \left(a+\frac{b-a}{n} k \right) \cdot \frac{b-a}{n}}}}$$
となる。
この式から疑問に思った。
左辺は2つの数の差で、右辺は無限回の足し算を表している。
なぜ等しくなる?
わかってはいる。
積分を使って面積を求められることも、無限回の分割をしたら面積を求められることもわかってはいる。
けど、なんでこうなるのか疑問に思う。
まるで2つの数の差と無限回の足し算が等しいように見える。
そこで、自分なりにやってみた証明を書いてみようと思う。
特に、無限回の足し算が2数の差になることが明示的にわかるような証明をしてみた。
証明をしてみているが、厳密には間違いがあると思う。
無限の扱い方を、完全に理解できていない。
だから以下の証明は、厳密さに欠けると思うので、
こう考えると、2つの数の差と無限回の足し算が等しくなるように見えることが納得できる
ぐらいに思って欲しい。
また、厳密に正しいのか優秀な方に教えていただきたい。

証明

図を、

のように、$${ x}$$軸$${ ,x=a,x=b,y=f(x)}$$で囲まれた部分の面積を$${ S}$$とする。
また$${ n}$$は自然数、$${ k}$$は$${ 0 \leq k \leq n}$$となる整数とし、
$${f(x)=\displaystyle \frac{d F(x)}{dx}}$$
$${\displaystyle \Delta x=\frac{b-a}{n}}$$
$${\displaystyle f_k=f \left(a+\frac{b-a}{n} k \right)}$$
$${\displaystyle F_k=F \left(a+\frac{b-a}{n} k \right)}$$
とする。
$${\displaystyle \Delta x=\frac{b-a}{n}}$$より、
$${n \to \infty}$$のとき$${\Delta x \to 0}$$
となる。
このとき、
$${ S=\displaystyle \int_a^b{f(x)dx}=F(b)-F(a)}$$
となり、
$${ S=\displaystyle \lim_{n \to \infty}{\sum_{k=1}^{n}{f \left(a+\frac{b-a}{n} k \right) \cdot \frac{b-a}{n}}}}$$
となる。
これらを使って、
$${\displaystyle \lim_{n \to \infty}{\sum_{k=1}^{n}{f \left(a+\frac{b-a}{n} k \right) \cdot \frac{b-a}{n}}}}$$
$${=F(b)-F(a)}$$
を示す。

$${f(x)=\displaystyle \frac{d F(x)}{dx}}$$
より、
$${f_k=\displaystyle \lim_{ \Delta x \to 0}{\frac{F_{k}-F_{k-1}}{\Delta x}}}$$
となり、
$${ S=\displaystyle \lim_{n \to \infty}{\sum_{k=1}^{n}{f \left(a+\frac{b-a}{n} k \right) \cdot \frac{b-a}{n}}}}$$
より、
$${ S=\displaystyle \lim_{\Delta x \to 0}{\sum_{k=1}^{n}{f_k \Delta x}}}$$
となる。
ここまでは間違いがないと思うが、次がやってもいいのか、わからない
$${ S=\displaystyle \lim_{n \to \infty}{\sum_{k=1}^{n}{f_k \Delta x}}}$$
に、
$${f_k=\displaystyle \lim_{ \Delta x \to 0}{\frac{F_{k}-F_{k-1}}{\Delta x}}}$$
を代入すると、
$${ S=\displaystyle \lim_{\Delta x \to 0}{\sum_{k=1}^{n}{\frac{F_{k}-F_{k-1}}{\Delta x}\Delta x}}}$$
となり、
$${ S=\displaystyle \lim_{\Delta x \to 0}{\sum_{k=1}^{n}{\left(F_{k}-F_{k-1}\right)}}}$$
となる。
この代入は、2式とも$${ \Delta x \to 0}$$だからいいのか?
と思いながらやった。
もし、この代入をやっていいとなると、
$${ S=\displaystyle \lim_{\Delta x \to 0}{\sum_{k=1}^{n}{\left(F_{k}-F_{k-1}\right)}}}$$
$${=\displaystyle \lim_{\Delta x \to 0}{\bigl\{\left(F_{1}-F_0\right)+\left(F_{2}-F_1\right)}}$$
$${+\left(F_{3}-F_2\right)+\left(F_{4}-F_3\right)+ \cdots}$$
$${+\left(F_{n-1}-F_{n-2} \right)+\left(F_{n}-F_{n-1} \right) \bigr\}}$$
$${=\displaystyle \lim_{\Delta x \to 0}{\left(F_{n}-F_0\right)}}$$
となる。
$${\displaystyle \Delta x=\frac{b-a}{n}}$$
$${\displaystyle F_k=F \left(a+\frac{b-a}{n} k \right)}$$
より、
$${\displaystyle F_n=F \left(a+\frac{b-a}{n} n \right)=F(b)}$$
$${\displaystyle F_0=F \left(a+\frac{b-a}{n} \times 0 \right)=F(a)}$$
となるので、
$${S=\displaystyle \lim_{\Delta x \to 0}{\left\{F(b)-F(a)\right\}}=F(b)-F(a)}$$
となり、証明終了となる。
もしこれが正しいのならば、2つの数の差と無限回の足し算が等しくなるように見えることを明示的に証明できたとなるだろう。

疑問

今回の証明には疑問が残る。
1番の疑問は、
$${ S=\displaystyle \lim_{n \to \infty}{\sum_{k=1}^{n}{f_k \Delta x}}}$$
に、
$${f_k=\displaystyle \lim_{ \Delta x \to 0}{\frac{F_{k}-F_{k-1}}{\Delta x}}}$$
代入してもいいのかというところ。
さらに、この代入により和と極限の入れ替えが起こっている気もする。
起こっているなら、この入れ替えをしていいのか、よくわかっていない
また、
$${f(x)=\displaystyle \frac{d F(x)}{dx}}$$
より、
$${f_k=\displaystyle \lim_{ \Delta x \to 0}{\frac{F_{k}-F_{k-1}}{\Delta x}}}$$
としたが、
$${f_k=\displaystyle \lim_{ \Delta x \to 0}{\frac{F_{k+1}-F_{k}}{\Delta x}},\lim_{ \Delta x \to 0}{\frac{F_{k+\frac{1}{2}}-F_{k-\frac{1}{2}}}{\Delta x}}}$$
も成り立つが、これらのときはうまくいかないと思う。
これは今回、
$${ S=\displaystyle \lim_{\Delta x \to 0}{\sum_{k=1}^{n}{f_k \Delta x}}}$$
としたのを、
$${ S=\displaystyle \lim_{\Delta x \to 0}{\sum_{k=0}^{n-1}{f_k \Delta x}},\lim_{\Delta x \to 0}{\sum_{k=0}^{n-1}{f_{\frac{1}{2}+k} \Delta x}}}$$
も成り立つことを使えばいいのか。
今回の証明は、いろいろと辻褄を合わせた結果、うまくいったように見えるだけじゃないだろうかと思う。
最終的に、
$${S=\displaystyle \lim_{\Delta x \to 0}{\left\{F(b)-F(a)\right\}}=F(b)-F(a)}$$
と$${\Delta x }$$が消えたことも、おかしいのではないかと思う。

まとめ

今回は、
$${F(b)-F(a)}$$
$${=\displaystyle \lim_{n \to \infty}{\sum_{k=1}^{n}{f \left(a+\frac{b-a}{n} k \right) \cdot \frac{b-a}{n}}}}$$
となることから、2つの数の差と無限回の足し算が等しくなるように見えることの証明をしてみた。
両辺ともに面積を表すことから、当たり前の内容だが、
2つの数の差と無限回の足し算が等しくなるように見える
ということが、明示されたような証明してみた。
だが大量に疑問が残るという、すっきりしない内容である。
何度も書くが、厳密さに欠ける可能性が高い。
こう考えると、2つの数の差と無限回の足し算が等しくなるように見えることが、納得できるということを示したかった。

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