3月の中三へ-前編-
まずは高校受験お疲れ様でした。
うまくいった人、いかなかった人。
いろいろな人がいるかと思います。
でも頑張ったことに無駄はありません
これからに必ず生きます。
新しい環境になるかと思いますが、できるだけ楽しんでいきましょう!
さて今回は、4月から高校生となる人達へ向けて、高校数学を学ぶために知ってたらいいなと思うことを書いていこうと思います。
いろいろとあるでしょうが、内容としては2つのことを2回に分けて書きます。
机に向かって読んで欲しいとは思いません。
なにかの片手間にでも、気楽に読んでみて欲しいと思います。
ただし、ノートとペンを使ってやってみて欲しいことがあります。
この部分は、ぜひやってみてください。
二次方程式の解の公式
今回は二次方程式の解の公式を扱います。
次の、
$${ 2x^2+3x-7=0}$$
を二次方程式の解の公式を使わないで解いてみましょう。
以下で解いていきます。
式だけで良いので、以下を読みながらノート等に書いていってください。
このとき、ノート等の左半分に書き、右半分はあけておいてください。
$${ 2x^2+3x-7=0}$$
の左辺の定数項$${ -7}$$を右辺に移項し、
$${ 2x^2+3x=7}$$
両辺を$${ x^2}$$の係数$${ 2}$$で割り、
$${ \displaystyle x^2+\frac{3}{2}x=\frac{7}{2}}$$
両辺に$${ x}$$の係数を$${ 2}$$で割って2乗したものを足して、
$${ \displaystyle x^2+\frac{3}{2}x+\frac{9}{16}=\frac{7}{2}+\frac{9}{16}}$$
左辺を因数分解、右辺を計算し、
$${ \displaystyle \left(x+\frac{3}{4}\right)^2=\frac{65}{16}}$$
両辺の平方根をとり、
$${ \displaystyle x+\frac{3}{4}=\pm \sqrt{\frac{65}{16}}}$$
右辺の分母の平方根をはずすと、
$${ \displaystyle x+\frac{3}{4}=\pm \frac{\sqrt{65}}{4}}$$
左辺の定数を移項して、
$${ \displaystyle x=-\frac{3}{4} \pm \frac{\sqrt{65}}{4}}$$
右辺をまとめると、
$${ \displaystyle x= \frac{-3\pm \sqrt{65}}{4}}$$
のようになります。
ここで、やってみて欲しいことがあります。
同じ計算を二次方程式、
$${ ax^2+bx+c=0}$$
にして、二次方程式の解の公式を導出してください。
このとき、あけておいたノート等の右半分に、左半分を見ながらやってみてください。
できましたか?
$${ \displaystyle x=\frac{-b \pm \sqrt{b^2-4ac}}{2a}}$$
となりましたか?
では、
$${ 2x^2+3x-7=0}$$
と同じ計算を、
$${ ax^2+bx+c=0}$$
にしてみましょう。
スペースの都合上、左右に並ぶように書けないため、上下に並べて書いていきます。
$${ 2x^2+3x-7=0}$$
$${ ax^2+bx+c=0}$$
の左辺の定数項を右辺に移項し、
$${ 2x^2+3x=7}$$
$${ ax^2+bx=-c}$$
両辺を$${ x^2}$$の係数で割り、
$${ \displaystyle x^2+\frac{3}{2}x=\frac{7}{2}}$$
$${ \displaystyle x^2+\frac{b}{a}x=-\frac{c}{a}}$$
両辺に$${ x}$$の係数を$${ 2}$$で割って2乗したものを足して、
$${ \displaystyle x^2+\frac{3}{2}x+\frac{9}{16}=\frac{7}{2}+\frac{9}{16}}$$
$${ \displaystyle x^2+\frac{b}{a}x+\frac{b^2}{4a^2}=-\frac{c}{a}+\frac{b^2}{4a^2}}$$
左辺を因数分解、右辺を計算し、
$${ \displaystyle \left(x+\frac{3}{4}\right)^2=\frac{65}{16}}$$
$${ \displaystyle \left(x+\frac{b}{2a}\right)^2=\frac{b^2-4ac}{4a^2}}$$
両辺の平方根をとり、
$${ \displaystyle x+\frac{3}{4}=\pm \sqrt{\frac{65}{16}}}$$
$${ \displaystyle x+\frac{b}{2a}=\pm \sqrt{\frac{b^2-4ac}{4a^2}}}$$
右辺の分母の平方根をはずすと、
$${ \displaystyle x+\frac{3}{4}=\pm \frac{\sqrt{65}}{4}}$$
$${ \displaystyle x+\frac{b}{2a}=\pm \frac{\sqrt{b^2-4ac}}{2a}}$$
左辺の定数を移項して、
$${ \displaystyle x=-\frac{3}{4} \pm \frac{\sqrt{65}}{4}}$$
$${ \displaystyle x=-\frac{b}{2a} \pm \frac{\sqrt{b^2-4ac}}{2a}}$$
右辺をまとめると、
$${ \displaystyle x= \frac{-3\pm \sqrt{65}}{4}}$$
$${ \displaystyle x=\frac{-b \pm \sqrt{b^2-4ac}}{2a}}$$
のようになります。
ここで、二次方程式の解の公式を導出してみて欲しかった理由について書きます。
この理由は、文字式の計算に慣れて欲しいからです。
高校では多くの文字を扱い、複雑な式を計算することになります。
この文字式の計算の第一歩として、二次方程式の解の公式は適していると思います。
よく知らない式を計算するより、結果を知っている式を扱うほうが良いと思います。
また、文字式の計算は複雑に感じたかもしれませんが、係数が数字の場合の計算をした後に文字式の計算をしたため、わかりやすかったと思います。
今後は複雑な計算をすることがあると思いますが、わからなくなったら数字に置き換える等してみたら良いでしょう。
まとめ
今回は、文字式の計算の第一歩として、二次方程式の解の公式の導出をしました。
この理由は、中学数学と高校数学の違いの1つに、より複雑な式を扱うことがあるからです。
高校では、計算が長くなり扱う文字が増えます。
このような場合は、式を簡単にしてやってみてください。
また、どのような手順や流れで計算を進めていくか、最終的にどのような形になるかを意識してみてください。
今回は式を簡単にする例として、係数が数字の場合である、
$${ 2x^2+3x-7=0}$$
の計算をしてから、
$${ ax^2+bx+c=0}$$
を使って、二次方程式の解の公式を導出しました。
しかし例がなければ、かなり難しいと思います。
また、
$${ ax^2+bx+c=0}$$
を使った二次方程式の解の公式の導出のみを書いても、よくわからないで終わると思います。
私自身が二次方程式の解の公式の導出で思うことは、公式を覚えるときに、
$${\sqrt{b^2-4ac}}$$
の部分が特に覚えにくかったと思います。
導出をしてみると計算途中で、この覚えにくかった部分が現れるところが、おもしろいと思います。
高校生以上へ
厳密には正確ではない部分があります。
$${ \displaystyle x+\frac{b}{2a}=\pm \sqrt{\frac{b^2-4ac}{4a^2}}}$$
の右辺の分母の平方根をはずすと、
$${ \displaystyle x+\frac{b}{2a}=\pm \frac{\sqrt{b^2-4ac}}{2a}}$$
という部分です。
正確には右辺の分母の平方根をはずすと、
$${ \displaystyle x+\frac{b}{2a}=\pm \frac{\sqrt{b^2-4ac}}{2 |a|}}$$
となります。
今回の目的は、二次方程式の解の公式を導出する過程を体験すること、対象を中学生としているので、この部分は触れていません。
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