見出し画像

平均の速さ

中学3年の数学で平均の速さを習います。
これ、必要あると思いますか?
求め方は理解しても、習ったところでなんの意味があるのかと思いませんか?
しかし、平均の速さの考え方は日常生活で使っています。
大人も子供もみんな使っています。
毎日のように使っている人もいるでしょう。
今回は、このことの解説をします。
また平均の速さを習うときに、変化の割合が関係するので、このことも解説をします。

まず、平均の速さの求め方を確認し、平均の速さと変化の割合の関係について解説します。
また具体例を示し、どのように使われているか解説します。

求め方と変化の割合との関係

求め方

平均の速さの求め方の確認をします。
図を、

のように点$${ A}$$から点$${ B}$$までの距離を$${ a}$$、時間を$${ t}$$とし、点$${ A}$$から点$${ B}$$まで移動したとします。
平均の速さは、ある区間のスタートからゴールまでの距離と時間から速さを計算します。
つまり、平均の速さは$${ AB}$$間の距離$${ a}$$と、時間$${t}$$から速さを計算して、
$${\dfrac{a}{t}}$$
となります。

変化の割合との関係

平均の速さと変化の割合の関係について解説します。
図を、

のような、ある関数$${ y}$$について考えます。
$${ x}$$を時刻、$${ y}$$を距離とし、$${ y}$$上の点を$${ P(x_1,y_1),}$$$${Q(x_2,y_2)}$$とします。
このとき、点$${ P}$$から点$${ Q}$$まで移動したときを考えると、$${ PQ}$$間の距離は、
$${y_2-y_1}$$
となり時間は、
$${x_2-x_1}$$
となります。
これらから平均の速さは、
$${\dfrac{y_2-y_1}{x_2-x_1}}$$
となり、これは2点$${ P(x_1,y_1),Q(x_2,y_2)}$$間の変化の割合と同じになります。
また2点間の変化の割合は、2点間の直線の傾きと等しくなります
これらから、2点$${ P(x_1,y_1),Q(x_2,y_2)}$$間の平均の速さは、2点$${ P(x_1,y_1),Q(x_2,y_2)}$$間の直線の傾きを求めることと同じになります。

具体例

平均の速さの考え方は、日常生活で使っているということの、具体例を示します。
図を、

のように、$${ A}$$から$${ B}$$まで距離が2000mで、$${ A}$$から$${ B}$$まで移動するのに20分かかるとします。

さて問題です!
$${ A}$$から$${ B}$$まで往復で何分かかりますか?

40分ですよね。
次に、

のように点$${ B}$$の右側に、$${ BC}$$間の距離が1000mとなるような、点$${ C}$$を追加します。

また問題です!
このとき、$${ B}$$から$${ C}$$まで何分かかりますか?
また、$${ A}$$から$${ C}$$まで何分かかりますか?

$${ B}$$から$${ C}$$まで10分、$${ A}$$から$${ C}$$まで30分ですよね。

これらの問題の解説をすると、$${ A}$$から$${ B}$$まで距離が2000mで、移動するのに20分かかるから、往復では2倍の40分かかる。
また、$${ B}$$から$${ C}$$までは半分の1000mだから、時間も半分で10分かかる。
このように考えませんか?
これらが、平均の速さを日常生活で使っているという具体例です。
少し深く考えると、例えば$${ AB}$$間は急な坂道かもしれないし、$${ AB}$$間と$${ BC}$$間では信号の数が違うかもしれません。
これらのような場合は、同じようには移動できないでしょう。
しかし全て同じ速さと考えて、$${ A}$$から$${ C}$$まで、だいたい30分ぐらいかかると見積もることがあるでしょう。
この全て同じ速さと考えてというときの速さは、$${ AB}$$間の距離2000mと、時間20分から計算した、$${\dfrac{2000}{20}=100}$$
という値、つまり分速100mを使っています。
この分速100mという値が、平均の速さです。

このように、ある場所からある場所へ行くとき、片道何分かわかっていれば、往復では倍かかると考える。
また、ある場所からある場所へ行くとき、何mで何分かかると考え、行きたい場所が何mだから、何分かかると見積もる。
ということを、したことがあるでしょう。
これらを考えるとき、速さを求めてはいないと思いますが、平均の速さの考えを使って計算していることと同じです。

まとめ

今回は、平均の速さの求め方、平均の速さと変化の割合の関係、平均の速さの考え方が日常生活でどのように使われているか解説しました。
平均の速さを習ったときは、単純に新しい知識だから用語や求め方を覚えなきゃと思ったかもしれません。
しかし今回のように、何気なく普段から同じ考え方を使っている場合もあります。
このようなことは知っておくと、理解しやすくなり、覚えやすくなると思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?