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【プレスリリース】

[Intro]

こんばんは。ひょんなことから離婚と再婚をコミカルタッチに書くことになったアラフォーの私。ぜひ、隙間時間にエピソード1からお読みいただけたら嬉しいです。

[ざっくりあらすじ]

とはいえ時間がなくて、本編から読んでいただける方へ:
10年目で離婚を決意し、東京から大阪へ出戻ったアラフォーのバツイチ子持ちが10歳下の彼に出会って運命を感じ、数々の障壁を乗り越えて再婚するまでのありそうでなさそうな大冒険のお話です。
前回は、運命を感じた彼と別々の道を歩むことになったところまでお話しました。

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彼と、「付き合わない」と決めて1週間。
私たちは上の空な時間を重ねた。

週に一度のチームミーティング。
オンラインの中に彼の顔が映る。

あまりにも見れなくて、顔を見たら涙が溢れてきて画面をオフしてしまう。
彼も少し、疲れているように見えた。気のせいかな。


とはいえ、毎日の連絡や、電話は特に頻度が下がることはなかった。
でも、少しトーンが下がっていた。

「本当にこれで良かったのかな。」

そんな思いが交差していた。

私は、一心不乱に仕事、育児、家事をして、考える時間をできるだけ少なくした。

少し立ち止まると、涙が止まらないからだ。


でも、また、友達として遊びにいこうとは思っていた。
友達として。

私と彼は、意外に大人なので、
「付き合わない」と決めた翌日も普通に仕事をして、
何もなかったような大人の顔で仕事していた。


意外に、切り替えれば、友達だってできるのさ。

だって私はもう、「期待」という気持ちを東京都においてきた、
武装モード系おばさん。
クレアおばさんの武装系モォド🎵(クリームシチューみたいにいうな)


おばさんを乱用している間に(すな)、
また出張の日取りが決まり、
彼に会いにいくことになった。


どんな関係なのか、正直、「ツインソウル」としか言いようがない、
名前のない関係。
すごく惹かれあっているけど
大人の事情により、真面目に友達を続けている。

「友達」ってなんて都合のいい言葉なんだろう。
その言葉の天真爛漫さは、力加減のまだわからない子どものパンチのようにちゃんと五臓六腑に効いてくる。おばさんにはきついぜ。


「友達」という言葉にありったけの「鈍感」を乗せて、また彼の家に会いにいった。

余談だが彼の家は、
成人男性の家のくせにほとんどの窓が出窓で構成されている。


私はその家をもちろん、「シルバニアファミリー」と名付けた。
(「もちろん」て何)


シルバニアファミリーで、
眠くなるまでくだらない話をした。


くだらない話の一例としては、

出窓って、窓を開閉する際の距離が通常より遠い。
その描写を、

「この出窓までのリーチは、エミレーツ使ってドバイ経由の方が早い説がある。」

なんて話をして夜が更けた。
(覚えていないだけでこんな話を永遠にしている)


大人な私たちは、ちゃんと「友達」をキープし、
私は翌日、副業でメイクショーのMCの仕事があったので大阪へトンボ帰り。
(普段は普通の会社員。)


私はその時は飛行機で帰り、
また切ない思いと少し嬉しい気持ちを持って帰ってきた。


お互いにまだ恋人がいない間は、
こうやって会えるんだ。

いつ、会えなくなるかはわからないけど、

「今を楽しむ」

それ以外に道はないと思った。


後ろ髪をひかれながら、私は飛行機に乗った。
新幹線での移動時間は2.5時間。
余韻に浸るのにはちょうどいい時間。
なんなら前回は足りないくらいだった。


今回、羽田ー関空間は1時間。


気がついたら、おたふくソースの香る大阪に到着していた(香らん)。


すると、驚くべきメッセージが来ていた。


彼「あなたが帰った後、

自分の髪じゃない長い髪が掃除機に絡まるのを見て、


すごく愛おしくなりました。



瀬菜さん、



もう、



彼女としてプレスリリース出していいですか?」



!!!!!!!!!!!!!!!!!



私は、喜びのあまり搭乗ゲートでしっかりとステップを踏みしめて踊った。
(プレスリリースという独特な告白は一旦置いとこう)

元ダンサーが恋に落ちると、搭乗ゲートでビートを刻むのである(刻むな)。


満面の笑みのアラフォーが踊っているのをみて
インバウンドで来日している外国人の大群が、モーセの十戒のように私を避けていくのがわかった。Welcome to Japan!!!!(やめれ)


そうだ、返事をしないと!!!


私は興奮をぐっと堪え、こう伝えた。


「記念日は、今日でいい?」


彼「うん!」



っっっっっっっっっっっっしゃぁぁぁぁ!!!(高らかなガッツポーズ)


記念日の小粋なくだりは、美人な親友から伝授してもらった。さすが美人はいうことが違う。


もちろん、これから前途多難な子持ちバツイチ大阪在住と東京に住むシングル10歳下の大冒険が始まることは確か。


前回、「付き合わない」を決めた時、お互い大失恋を経験した。
苦しくて、何にも手がつかず、私はいい機会だとダイエットを兼ねていたが
あまりお腹が減らない数週間だった。(この私が)


私「あの思いは、すごく辛かったね。失恋って痛いんやね。でも今、付き合えて本当に嬉しい。」

離婚とはまた違った形の失恋だったから。
たくさん泣いたから。


すると、彼はある秘密をつげるため口火を切った。


彼「実は俺、入社してすぐに、あなたに失恋したんですよ。」


?????


彼「実は、この会社に入社する前、あなたが書いた会社のブログを読んだんです。それがすごく面白くて。こんな素敵な人が働いている会社で働きたいって思ったんです。

ブログのアイコンのあなたの写真をみて、綺麗な人だな。彼氏、いるのかな、なんて思ってました。」


思い返せば、入社日当日、
ちょうどそこにいた私に、会ったこともない彼が


「あ!摘月 瀬菜さんですよね!」と声をかけてきた。


私「どこかで会いましたっけ?」


こんな会話をしたのを思い出した。


彼「僕は入社前に、すでに文章からあなたに惹かれていたんだと思います。

でも、すぐにあなたに旦那さんと子供がいる、と風の噂で聞いて。

軽く失恋してたんですよ。」



そう、笑いながら話してくれた。



ドドドドドドドドドラマやないか!!!!!(何っの?)


そんな彼の思いがすでに全く知らないところでスタートしているとは思っていなかった。

会社のブログを書いたのは、以前私が休職をしてすぐの頃のものだった。
コロナ禍や家事育児仕事を全てこなしていた私は心の糸がぷつっと切れた。

数週間お休みをして、復帰した後、
チームで合宿があった。

本当はまだ余裕がないし行かないでおこうと思ったけど、
でも、無理だったらまた別の道を歩もう。
チャレンジしてみて、それがもし有意義なものだったら
その内容を自分の好きなこと、ブログという形で貢献しようと書いたものだった。


合宿は、本当に楽しくて、心から行ってよかった。
チャレンジしてよかったと思えた。
本当に楽しかった思いを、ブログに記してチームに共有した。

すると、

そのブログが「このチームの雰囲気を一番表現できている」と評価していただき、採用段階でチームに入る人にはそのブログが送られているようになった。


それを受け取ったのが、彼。


私が元いた部署に入社してきたのが彼だった。


本当なら生まれるはずのないブログも、

あの時、振り絞った勇気と好きを形にした「最後のチャレンジ」
それが誰かに届いて出会いを生んだ。その誰かが、彼だった。


全てのストーリーが繋がっている気がして、


どんなに困難な状況でも、這い上がった人には、


ちゃんと素晴らしい運命がやってくるんだと痛感した。


この話の一年前にプレスリリースしたあの会社のブログで

翌年私たちの恋人としてのプレスリリースに繋がるなんて。


文章のチカラってすごい。


私たちは7月の太陽照りつける日を記念日にした。


その翌年の、


2024年7月、付き合った記念日に私たちは晴れて夫婦になった。


付き合ってからは、子持ちバツイチが抱える苦悩がたくさんあったけど


またおいおい触れていこうと思う。


これからもずっと、よろしくお願いします。

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