後姿にキュンとした。

家に恋人が遊びに来た。
帰る間際、
「よかった、嬉しいよ。
外は寒いけどゆうちゃんはすぐ寝れる。」
と言っていた。
自分はこれから寒い夜道を歩いて帰るというのに。

多分寒い寒いと言いながら、途中でタバコを吸ったりして帰るんだろう。

「たのしかった!また連絡して!」
そういって爽やかに左手を上げて笑顔でこちらを見て、直ぐにふりかえって大股で歩き出した。
逞しかった。
自信に満ちている背中に見えた。
付き合う前と変わっていないようにも見えた。

この人は一人で生きていく覚悟ができている人だ。
そう思わずにはいられない時がある。
タバコを吸っている彼の横顔を見た時、そう思った。
私もまた一人で生きている。
ひとり同士、そばにいたいと思った。
今まで出会った人の中で1番素敵なひとだと思うから。

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