空っぽ

空っぽになった。
たった一つのものでぎっしりしていた箱の中身が、空っぽになった。
箱の中にほかにも入っていたと思うものは、意外とあっさり消せてしまって
あっという間に箱を空っぽにできた。

箱を閉まらなくしていたものがなくなれば、
中身が整理され大切なものだけの入るものになると思っていた。
けれどもその大切だと思っていたもの、私が勝手にそう思い込んでいた私にとってだけ大切なものは、取り出そうと思えば簡単に取り出せてしまったんだ。

箱はからっぽです。
すぐに箱になにか入れたくなってしまうでしょう。
でも何もいれたくない、ふたを閉じて南京錠でふたをしてしまいたい。
箱が空いていると私は心がもたないみたいです。

怖くて怖くてたまらなくて、また箱を開きたくなるときまでこうしていようと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?