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愛しの幻想、礎たる真実

!この記事にはファイナルファンタジー14暁月のフィナーレまでの内容を含む(と思われる)守護天節2023のネタバレを含みます!

どういうことだよって感じだけどとうとうLv70まで無料になったしセールもちょいちょいあるので未プレイの方はそちらからどうぞ。

記事中のスクリーンショット:© SQUARE ENIX







これを読んで始めて、己の中にいた「パンプキンヘッドの正体を知りたくない」という感情を痛いほど思い知った。
皮肉にも、パンプキンヘッドの隠れ家に招かれて、そこに立っているパンプキンヘッドに話しかけることで。

エオルゼアに降り立ったのは2016年。
何もわからないなりにシーズナルイベントも楽しみ、その頃から「クエストの終わりに後ろでクスクス笑ってる奴」という認識だけがあった。
「魔人の夜」なるものを復活させようと目論むコンチネンタル・サーカス……もとい妖異たち、それを阻止する調査員と光の戦士。叶ってしまえば惨事間違いなしの小競り合いを、面白おかしい催しとして眺めていたかった。

なんかいるんだけど…????
聞けば「人も魔物も楽しめる守護天節」を実現させたいというし、どういうわけかあのパパ・ブルーセも手伝っているという。
妖異周りの話はこれまでに山程あったため、「契約」という言葉が現れるのに不自然さはなかった。

契約に従って「ほどほどに怖くて楽しい」を考えるパパ・ブルーセの手伝いをしてクエストは進行する。
ヒトから感謝されて「悪い気分じゃない」と言う様は、ゼロを始めとした第十三世界の存在が濃く描かれた先の妖異の姿であるようにも感じられた。

背景爆発するぐらいクッキーで喜ぶパパ・ブルーセが可愛い。よかったねぇ。

直接の動機としては美味しいお菓子欲しさであろうが、恐怖を吸い上げて「魔人の夜」復活を目論むよりはよほど平和的というものだ。
かくして綺麗事のような「ヒトも魔物も楽しい守護天節」は小さく実を結んだ。

そして冒頭のスクリーンショットに話は戻る。
記憶に新しいせいですぐに結びついた、「ああこれアラグ対メラシディアの話だ」と。
パンプキンヘッドの謎は終わった。
そう、またアラグだ。アラグなんだ……。

正直、パンプキンヘッドの正体は明かされないでいてほしかった。
クエスト終わりにクスクス笑ってる謎の存在でいてほしかった。
だがそういう幻想は真実にかぶされたヴェールであり、いつそれがまくられるとも知れない。
まくろうとしているのさえ、まくっているのさえ気付かないまま進んで、不意に飛び出した真実で一喜一憂している。
だが、思い返せばまたアラグかとネタ枠にしがちなアラグでさえ、かつては心を躍らせた未知だった。
既知に成り果てたそれと結びついたからといって落胆するのは身勝手がすぎるだろう、進んだのは紛れもなく自分なのだから。
こういう感情は数多の作品を読み歩く中で何度も味わったはずなのに、未だに向き合い方というものが掴めずにいる。それでしばらく心をかき乱されている。

その中でも確かに言えるのは、

パンプキンヘッドは私とPCを隠れ家に招いたし、
その隠れ家から見る景色が美しいなって事だけかもしれない。

ずっとはいないけど気が向いたら遊びに行くよ、
路銀が尽きて食うに困ったときにでもさ……。


あとで調べたらどうやら休止中だった去年にも隠れ家に入れたらしいけど、深く調べる元気はないからまた今度ね。