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デビルディアボロスΖcupの記録【デュエプレ】

 ここに、かつて最終レジェンドを夢見ていた人間がいる。いや、実際本気で夢見ていたわけでもなかった。
 これは最終レジェンドなど雲の上の存在だと思っていた人間に起こった奇跡の話である。

ワイルド・ベジーズ愛好家、スノーフェアリーに手を出す

 デュエプレを始めて約1年、Re:Lightというチームに所属させていただいて約半年、気付けばレート1600達成を自らのノルマとする程度にはこのゲームに慣れてきており、今月もいつもと変わらずプレイしていた。

 前月のランクマ報酬が渋かった私にはまともに組めるデッキが速攻以外に無かった。いやそれならば速攻を使えばよいのだが、いかんせん飽きる。そこでメインデッキにSRを採用しなくてもよい、スノーフェアリーデッキを回すことにした

 何を隠そう私はワイルド・ベジーズという種族が好きだ。しかしそれは紙での話。デュエプレではワイルド・ベジーズをデッキテーマに据えることはない。というよりカードプール的に不可能である。その辺りのことは以前noteに書いたのでよければ読んでほしい。

 そんな自分は、デュエプレでばちばちに活躍して一度は環境を制したのに、さらにここにきて強化されているスノーフェアリーという種族にどこか羨ましさや悔しさ、なんなら妬ましさまで感じていた。そんなこともあって自分はスノーフェアリーというデッキを敬遠していたのだが、同じ自然文明の仲間だと自分に言い聞かせ、ワイルド・ベジーズデッキを回したいという思いをスノーフェアリーにぶつけてみることにした

きびしいたけ区役所

 私は手始めに未来設計図と軽量スノーフェアリー、クラック&カスケードと進化の化身、スパークコルテオなどを積んだ白緑型を使った。

 使った感触は悪くなかった。デッキの動き自体は楽しい。墓地とマナをぐるぐる動かしながら展開していく様は紙のワイルド・ベジーズデッキに似ており、さらに同時に複数枚に触れる分、よりダイナミックにリソースを確保できる。  

 ただ、ラッカ超次元とMRCという不利なデッキと当たることが多かったため、なかなか勝率は伸びなかった。それでも本来トリガーで何とかなる場面もあったはずだが、最大8枚積んでいたスパークコルテオたちが一向に盾に埋まらない。理論上トリガーする確率をあまりに下回っていたため、もう使うのが嫌になってしまった(トリガーしなさ過ぎるため全て抜いてカンクロウブラスターを積むという頭がクラックしてる時期もあった)。今思えば確率的に下振れる時期だったようだ。

 その後私はスノーフェアリーを投げ捨て、前期に使用していてレジェタッチも達成したドロマー超次元を使い始めた。自分でも驚くほど勝ち続けることができ、今月も無事1600に到達することができた。

 その調子のままトントン拍子で最終圏内へ... と行けるわけもなく、そこからしっかりとレートを溶かし、デッキをコロコロ変えながら大体1530から1600にかけてを何度も行ったり来たりするようになった。道中でスノーフェアリーも何度か使った。ケットウチューリップと進化設計図を入れた進化獣モリモリ型、デスドラゲリオンやダチュラを入れた黒型、公認大会でも結果を残していた青型...

 特に青型スノーフェアリーや赤緑速攻(11連勝!)、赤白速攻では1600を踏むことが出来たが、1600を踏んだ1試合後には敗北し、あっという間に1500台前半に戻るような流れを繰り返していた。あの配信を見るまでは…

救世主は身近なところに

 月末が近づいていたが、自分は相変わらず1500台をうろついていた。

 最終100位を狙おうなんて到底思ってはないが、自己最高レートを更新できればいいなあくらいには思っていた。

 ランクマッチに取り組んでいる以上もちろんそうやって上を目指すのは当然なのかもしれないが、私にとってこれはチームに所属していることが大きく影響している。個人でやるなら別にどんなに実績がなくても構わないのだが、縁あってRe:Lightというチームに入れていただいたからには、Re:Lightには強いメンバーがいるぞ、Re:Lightというチームは強いんだぞ、と外に発信するために少しでも貢献したいという思いがあった。

 しかし勝てない。速攻、わざわざガドホを生成して組んだネクラ超次元、先月BEANSの方が使われていたネクラグレイトフルデッド、持ってる資産でギリギリ組んだラッカ超次元、久々の赤青剣誠などなど...
 1590くらいまではいけるのだがそこから元の位置に戻ってしまう。ついに1530も切った。デッキ選択画面を開くがどのデッキを使っても全く勝てる気がせず、ホーム画面と行ったり来たりしていた。そしてデュエプレを閉じた。もう寝よう。寝る前にディスコード見とこ。

ん?

ディスコードではアイコンがアンちゃんなのは内緒

 そこにはとんでもない情報があった。このとき、ささぼー氏のデュエプレ配信はかなり頻度が下がっており、この日もどうせ配信はないだろうと誰もが思っていた。
 というかこの時点で深夜1:30近くであり、配信を始める人間なんて通常どこにもいない。しかし我々が愛するこのクレイジーな人間は草木も眠るようなこの時刻から、3年前から更新されていない自身のチャンネルで単独配信を始めるというのだ。疲れや眠気は不思議と吹き飛び、やや興奮に包まれながら私はYouTubeを立ち上げた。

 開始から10分ほど遅れて配信に入ると、少々アルコールが入っているらしいチャンネル主は深夜と思えないようなテンションで矢継ぎ早に言葉を並べ立てていた。使っていたのは白緑スノーフェアリー。彼がバトルアリーナでも使用したというそのデッキをランクマッチで披露しているところだった。

 そのデッキは多様なスノーフェアリーデッキの中でも私が月初めに使っていたものに結構近かった。ただ、軽量スノーフェアリーを多く積んだタイプではなく、リーフストーム・トラップやナチュラル・トラップなどの確定除去に枠が割かれており、スノーフェアリーの枚数は最低限に抑えられたものだった。

 画面の中の男はしばらく負け続けていた。かわいそうなほどに。
 相手のDJショーがクイズを当てまくり、ストライク・バックでオチャッピィを出せるタイミングではことごとく無駄にスパークがめくれ、こんなはずじゃないと怒り果てていた。芋コンとのマッチングでは放送禁止スレスレのワードも発していた。
 しかし久々にその早口のぼやき芸が聞けた我々視聴者は最高に楽しんでいた。ある瞬間では配信者とリスナーの脊髄が完全にリンクしていた。

 「デュエプレをちょっとだけやるぜ」というタイトルに反して2時間以上続いたこの配信では、勝ち試合よりも負け試合が多かった。しかし私はこのデッキを使いたいと思った。自分がかつて放り出したデッキタイプを彼はバトルアリーナに持ち込むほど高く評価していた。放り出したことを少し悔やんだ
 残り2日弱で時間もないからレートを上げるのはきついだろう、と考えたこともあり、この先は勝利を狙うよりも使いたいデッキを握り続けることにした。

刹那の蝋燭(キャンドルアワー)よ永遠に

 次の日からちゃんなべ氏が使っていたデッキリストから3枚だけ入れ替えたものを使い始めた。

めちゃくちゃ勝てた

 また1600に一瞬だけ乗って終わるやつだろうなあと思っていたが、1600に乗ったあともじわじわとレートがあがり、気付けば最終日の午後4時の時点でレート1659.ギリギリランキングに入っていた。

「ワンチャンあるぞ…」

 調子がいいときに潜らない理由がない。さらに数戦行った。

レートが1671になった。自己最高レート更新。

 もうこの時点でやめてもいいぐらい個人的には嬉しい結果を残した。しかし幸か不幸か(確実に幸だろ)、このままステイしてもワンチャン最終入りが狙えるレートだった。
 ボーダーギリギリの値、いや有識者からすれば魂の一戦が必要なレートだったろう。しかしチキンな私はワンチャンにかけ、そのまま様子を見ることにした。


 時刻は23時30分を過ぎた。ギリギリランキングにしがみついている。震える私。
 あらぬことまで考えていた。

 そして23時50分頃、ついにボーダーは私のレートを上回った。覚悟を決めた。
 しかし魂の一戦に向かうにしてはかなり遅いタイミングだった。コントロールやトリーヴァグレイトフルライフに当たると0時までに試合が終わらないかもしれない。残り10分弱で試合が決まることを祈って私は対戦開始を押した。

 祈りながらマッチングした相手は… プラチナ帯だった

 パニクる私。このギリギリのラインでの戦い、プラチナ帯にでも勝った方がいいのか?トスすると悪影響があるか?焦りながらディスコードに問いかけるとチームのメンバーはトスしていいと言うので私は左上を押した。
 時刻は23時52分、もう時間はない。爆速で対戦開始を押した数秒後、マッチングした相手はレート1637で間違いなく強者に見えた。しかし先攻は取れた。とりあえず相手が速攻でも少しは大丈夫。

 初手はぶん回りの態勢が整っていた。残り時間が少ない中、早めに勝負を決めるには十分なメンツだ。ポレゴン→設計図→オチャッピィorカオルン→カスケードorクラックのルートが見えている。
 そして相手の1枚目のマナ置きはなんとクロス・アイニー。「ガチガチの環境デッキではない」かつ「ある程度早めのデッキ」と思われ少し安堵した。
 2ターン目以降の動きで相手のデッキがリースNEXだと分かった。しかし相手のキーカードであるボルシャック・NEXが登場したときには既にこちらのポレゴン、オチャッピィ、カスケードが5枚のシールドをすべて叩き割っており、手札にはダイヤモンド・クラックが構えていた...




この瞬間雄叫びをあげた

 この2日間、幸運にも自分のデッキは環境に噛み合っていた。ちゃんなべ氏の言葉を借りるなら「刹那の蝋燭(キャンドルアワー)」と呼ばれる時間だった。そして彼がこのツイートをした際に使用していたデッキもまた、この白緑スノーフェアリーだったのである。

 確かにプレイングも頑張ったが、不利対面と当たることが少なかったことは間違いなく大きい。最後の一戦だって、マッチングも引きも相手のトリガーが無かったことも、正直運が良かっただけだろう。でもこうやってすべてが噛み合えば自分のような普通のプレイヤーでも最終レジェンドを経験できるのだと知ることが出来た。

おわりに

 今回最終を取れて嬉しい点が3つある。

 1つ目は今期が覚醒編環境だったこと。2010年の覚醒編の頃にデュエルマスターズに初めて触れた私がデュエプレでも覚醒編の間に最終を取れたことはもの凄く嬉しい。

 2つ目はスノーフェアリーというワイルド・ベジーズに近い動きをするデッキを使えたこと。もともとデュエプレでワイルド・ベジーズが最終レジェンドを取るなんてふざけて言っていたが、運営さんは野菜嫌いなので到底叶いそうになかった。そんな中、同じように墓地とマナと操りながら展開するスノーフェアリー達に最終まで連れて行ってもらったのには感謝しかない。(毛嫌いしたり投げ出したりして申し訳なかった。)

 3つ目は大ファンであるちゃんなべ氏のデッキを使えたこと。それだけではなく元のデッキから少し調整し、戦祭の化身(サンバ・トーテム)を積んだリストで結果を出せたこと。なぜ戦祭の化身を入れたことが嬉しいのかは何となく理解してほしい。



 自分が最終称号を手に入れられたということがこの文章を書いている今でも何だか不思議で信じられません。これもRe:Lightの皆さんやTwitter上のお知り合いの皆さん、そしてちゃんなべ氏やささぼー氏が常に新しい情報やモチベーションを与えてくださったおかげです。この場を借りてお礼申し上げます。
 デュエプレというゲームをやる上での1つの大きなミッションをクリアした結果、現在若干燃え尽き気味ではありますが、また刹那の蝋燭が訪れることを願い、これからもコツコツとデュエプレを続けたいと思います。
 
 拙文ではございましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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