人生に乾杯 40(国際脳腫瘍啓発週間)
「国際脳腫瘍ネットワーク」(The International Brain Tumour Alliance (IBTA, https://theibta.org/))という英国ベースの世界団体がある。団体を知ったのは、もちろん僕が脳腫瘍に罹ってから。日本にも関連団体の「NPO法人脳腫瘍ネットワーク」(https://www.jbta.org/index.html)があり、脳腫瘍患者や家族向けのセミナーなどを開催。日本政府への働きかけなども行なっている。
先だっての11月6日まで、IBTA主唱の啓発週間だった(#IBTAWeek)。JBTAも毎日、FacebookなどのSNSにイラストと標語を挙げていたのでそれと知ったのだが、今回は事務局のお許しを得た上でご紹介したい。僕も脳腫瘍のこと、家族に苦労をかけていることをもっと知ってほしい、と思うからだ。
冒頭のイラストは「Brain tumours attack the very essence of who we are, our thoughts, our emotions, our behaviour, our personality」(脳腫瘍は「自分は誰か、我々の思考は、感情は、行動は、自分とはそもそも何なのか」という根本人格を攻撃するものである)とある。失語症になった僕に一番響いた言葉だ。
次に挙げるのは「全ての脳腫瘍は病気として取り上げられるべきだ。低レベルの腫瘍の場合はがんと診断されないが、それでも高い死亡率を伴うからだ」。
次は以下。「遺伝性の脳腫瘍は全体の5%でしかなく、残る多くの悪性脳腫瘍の原因はまだ解明されていない」。
「さらなるリサーチが絶対的に必要。基礎研究、橋渡し研究、臨床研究のみが、より良き治療と予後の好結果を保証する」。
最後は、同居家族に向けた言葉。「どうか介護者のことを忘れないでほしい。脳腫瘍患者と同居する家族や介護者は、腫瘍患者の中で最も辛い立場にある」。自分の家族を思うと、この言葉に胸が詰まる。一方、脳腫瘍患者の家族が「がん」と総称される病気*の介護で最も辛いのかどうかは、僕は測りようがないのではないかとも思う。
(*...脳腫瘍は「がん」の一緒だが、これまで「がん」とは呼ばれなかった。近年は「脳がん」と呼ばれることもあるらしい。続く。)