きらきらの彩都
モノレールは四両編成わたしたちはみんなばらばら縛られぬゆめ
行先の「大阪空港」その横の飛行機マーク変わらずにおり
観覧車は不滅のかたちとかつて言いしひとの名前を思い出せない
「右によれ」「左によれ」と書かれたる道を上から見て通り過ぐ
「171号線」にイナイチとカナを振るべきかしばし迷いき
きらきらの彩都は枕詞にはあらざれどこの陽の照り返し
町の名を「あさぎ」「やまぶき」くちずさみその後つづかぬそれもまた良し
『短歌人』2016年10月号掲載作品
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