見出し画像

作業道開設の備忘録

読者の皆さんこんにちは!
3期生の有村です。

今回は道づくりにおける基本の直線の作業道開設について書こうと思います。というのも、今年度の現場で9カ月ぶりに直線の作業道開設を行ったのですが、「あれ、どんな感じでやってたっけな??」ということがしばしば。何日かすると少しずつ感覚を取り戻してきたのですが、今回は備忘録的に作業の流れ、ポイントを書きとめておこうと思います。間違った理解や要らない作業があるとは思いますが、参考程度に読んで頂ければ幸いです。

①次の路肩になるピンクテープを真ん中に据える。

作業道開設を行うとき、踏査時に路肩になるようにピンクテープを巻いている木を目印に進んで行きますが、この際に、ピンクテープの木を路肩に据えて進むオレンジ矢印ではなく、真ん中に据えて進む水色矢印で粗道を進めていきます。
水色矢印で進んで行くと、法面土台をより下から作ることができ、法面勾配も緩くなり安定しやすくなります。
ただし、地山勾配が緩いところではピンクテープの木を中心に据えると土が足りなくなるので少し山側に軌道修正する。

②表土をどけて法面土台をつくる

バケットの爪で表土をかき出し取り除いてからバケット転圧でフラットな法面土台をつくる。この際に表土や五目が土台に入り込むと、滑りやすい土台の上に盛り土を積むことになり不安定になるので、表土や五目が入り込まないよう気をつける。また、↑の写真にもあるように開設前に灌木や倒木など開設時に邪魔になるのものは土の落ち止まり線より下側に等高線上に並べます。これについては前回高橋さんが記事にしているのでそちらで詳しく→岡橋さんの研修で学んだこと,感じたこと|津和野ヤモリーズ|note(ノート)https://note.mu/tsuwanoyamori/n/ne6a43ca611b6

③心土を盛り土をしていく

山側の心土を法面土台に切り盛りしていきます。このときには多少の表土や五目が混じっていても構わないので土台だけはしっかり!

山側を掘ってより硬い土を取り出して法面土台の上に盛り土していき、空いた穴には、周囲の表土や柔らかい土、固めの土を薄く交互にバケット転圧しながら積み重ねて埋め戻していきます。こうすると法面はガチガチになり、表土なども処理でき、山側の土もほぐされて路面全体の土厚が均一になるのではないかと思いこの方法もやったりしてます。

④キャタ転圧を行う。

切り盛りをしていきバックホーが入れるぐらいのスペースができたらキャタ転圧を行います。この際に路肩のバケット転圧を怠ると路肩が下がり危険なので注意。山側を少し下げるのも効果的。ちなみにキャタ転圧は20cm盛るごとに行っています。

バックホーのキャタが2台分程のスペースができれば路肩をキャタでねじりながら転圧すると法面が立つことを防げ、法面もガチガチになります。これはタバコの火を足で踏みねじりながら消すイメージで、柔らかい土を外に追い出しつつ路肩を固めることができます。※違う場所の写真ですみません🙇

⑤木の裏側もしっかりバケット転圧

路肩になる木の裏側はキャタで入っていけないのでしっかりバケット転圧を行います。ただし、根を傷つけないように土台を作る際には注意。
↑の写真の木の裏側、バックホーと反対側10~12時の部分は今のバックホーの位置では法面土台を作ることができないので通りすぎてから反転して作り直します。

⑥2mぐらいの粗道で進んで行く

2mぐらいの粗道で進んで行き、反転して木の裏側の法面土台を作り直していきます。このときに、山側の土を掘って法面側に盛っていき、山側の50cm分の土を取って穴に戻していきます。こうすることで、土の移動を最小にでき、かつ幅員2.5mを確保できます。これが2.5mの幅で進んできてしまうと、道が広くなってしまったり、土の移動に時間がかかってしまいます。

⑦バラスを取り出し路面に撒く

以上の流れで、粗道2mの道がある程度進んだあとに山側を掘り硬い土、採取できればバラスを取り出し路肩側に置き、山側50cm分の土を取り穴に埋め戻す作業をバックしながら行いつつ幅員2.5mを確保します。そして取り出した硬い土もしくはバラスを路面に撒き、全体をキャタ転圧します。

⑧法面転圧して完成

↑上の写真は完成までもう少しのとこで、後は硬い土もしくはバラスを取り出し撒いてキャタ転圧、法面バケット転圧を行えば完成です。勾配修正が今後必要でないような直線であればこの方法でその都度仕上げながら進めていきます。ただし、勾配修正等が必要な場合にはせっかく撒いたバラスの上に土を被せることになるので注意です。

以上、ご覧いただきありがとうございましたm(_ _)m

ご支援いただいたお金は、重機の修繕や消耗品の購入等、ヤモリーズの活動のために使わせていただきます!