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森林所有者の確認~津和野町の場合

集落を歩いていると、放置された山に気付くことがあります。その場所を手入れさせてもらえないかなと思ったら、まずはどなたが所有者なのかを確認する必要があります。近所の方に聞いてみるとご存知のケースもありますが、木を切るとなると確証を得たいところです。

今回は所有者確認の方法について、これまで聞いた話などを参考にまとめてみました。公開されている情報の種類や手続きは地域によって異なるそうなので、ご参考まで。

①地番を調べる

まずは地番を調べます。
津和野の場合、森林簿から地番を辿るのが早いようです。町のGISに森林簿情報が連携されているので、農林課の職員の方に相談して、地図上から調べてもらうことができます。(もちろん利用目的が適当でなければNGです。森林経営計画の作成などはOK)
併せて、林小分班が記載された地図をもらっておくと役に立ちます。

*森林簿
森林計画制度の運営のために必要な民有林の森林資源の基礎資料として、空中写真等による間接調査法により作成した資料。森林の面積や樹種、蓄積、成長量などの森林の情報が記載されています。(『森林施業プランナーテキスト改訂版』p.32)

※静岡県は、所有者名など個人情報をマスキングしたデータをインターネット上で公開しています。具体的な項目などを知りたい方は、一度見てみるとイメージがわくかもしれません。
https://open-data.pref.shizuoka.jp/

②公図を確認する

地番が分かったら、公図のコピーをもらいに行きます。
林小分班が書かれた地図と比較しつつ、施業したい山とその隣接地を確認します。
津和野町役場の場合、閲覧料は1件につき200円、コピーは1枚50円。
http://www.tsuwano.net/www/contents/1000000295000/index.html

(2018/12/06追記)
公図には地番のみ記載されています。

▽地籍調査が完了しているエリアはこちらから確認できます
http://www.chiseki.go.jp/map/index.php

*公図
公図の多くは、明治時代の地租改正に伴い作成されたもので、現況とは異なる場合があります。登記所には、土地の区画(筆界)を明確にするための資料として地図が備え付けられることになっており、公図は地図が備え付けられるまでの間、「地図に準ずる図面」として地図に代わって備えつけられている図面です。(同p.34)

③土地台帳で所有者を確認する

土地及び家屋の登記上の地目や面積、所有者等が記載されている台帳です。
これで当該地番の所有者を確認できます。
こちらの閲覧料は1件につき200円。コピー不可。
http://www.tsuwano.net/www/contents/1000000295000/index.html(再掲)

(2018/12/06追記)
②でコピーさせてもらった公図に所有者と、必要に応じて地目(畑、墓地などになっているケースがあります)をメモしておきましょう。

※最新の公図や土地台帳は法務局で取得可能ですが、少し手数料がお高めです。
http://www.moj.go.jp/MINJI/TESURYO/

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その他、集落で保管している切図など、上記以外の資料を使うケースもあります。所有者の方が確認できたら連絡を取り、地籍調査が終わっていない場所であれば隣接地との境界確定を行います。施業地が確定するまで少なくないステップがあるわけですが、集落の方など既に関係ができている方に整備を提案したりお願いされたりすると、これらのプロセスが大分楽になるのかな、と思ったりしました。

(文:いっしー)

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