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【高校】「しまね探究フェスタ」にて、『生理の貧困』解決に向けての活動を発表!

2024年2月5日(月)に島根大学にて、島根県教育委員会主催の「しまね探究フェスタ2023」が開催されました。

「しまね探究フェスタ」は、島根県立高校の代表が一同に介し、互いの探究活動について発表し合う場です。探究学習における学びをお互いに共有し合うことで、探究学習の楽しさを知り、学びに向かう意欲を喚起したり、学校や地域がともに探究学習のあり方を考えることで各校の探究学習の質を高めたりする機会となっています。

津和野高校からは、地域系部活動であるグローカルラボが『津和野をつなぐローカル・グローカル』というテーマで、2年生の松浦幸奈(まつうらさな)さんが『生理の貧困を解決するために』というテーマでそれぞれ発表しました。

グローカルラボの発表

また松浦さんは、探究学習やマイプロジェクトを実行した全国の高校生が一堂に会し、活動発表や参加者との対話を通して次の一歩を考える学びの祭典「マイプロジェクトアワード」にも参加。

島根県Summitでマイプロジェクトの評価基準である「主体性・協働性・探究性」の観点で高い評価を受け”地域Summit特別賞”を受賞し、島根県代表として地域Summit Advancedにも出場しました。

今回は、松浦さんの探究活動について紹介します。


「生理の貧困」の解決に向けて活動中

松浦さんは、今の日本における生理の現状を知り、生理の貧困について解決したいとの思いからプロジェクトに取り組んでいます。

松浦さんが定義している「生理の貧困」は、生理用品が買えないという経済的な意味だけでなく、生理が来た時にすぐナプキンがつけられないことや、生理についての教育や情報が行き届いていないという知識的な意味も含めた広義の「貧困」とのこと。

2年生の2学期までの活動では、ツコウに「生理の貧困」が存在するのか?について、アンケート調査やトイレにナプキンを設置しての実証実験を実施したり、生理に関する豆知識のチラシ掲示を行いました。

・詳しくはこちら

トイレに生理に関するチラシを掲示


トイレにナプキンを設置して実証実験を行う

生理に関する豆知識のチラシ掲示では、アンケート調査の結果から回答者の9割以上の人が新しい知識が得られたと回答しており、効果があると感じたそうです。

松浦さん
「チラシを貼ることで、普段の生活の中でも、例えば男性の先生や生徒から『生理のチラシいいね!』と声をかけてもらうことが増えました。生理についてそうやって日常的に話題に出せるという変化を感じられて嬉しかったです。」

その後、知識面での貧困の解決に向けて、山口県で包括的性教育を実践している助産師さんにご協力いただき、12月11日(月)に、津和野高校生を対象に性教育講座を開催しました。

性教育講座の様子

当日は2~3年生の約10名が参加し、事前にアンケート調査で聞きたいとリクエストのあった内容を中心に、ナプキンやタンポン等の実物も使って生理用品の使い方や、生理の仕組み、また生理の時にどんな対応をしてもらえたら嬉しいか?等、幅広い内容について教えていただき、参加者と一緒に考える機会をつくりました。

講座後のアンケートでは
「生理に対してネガティブな印象があったが、生理中に出るホルモンの話などを聞いて、良い印象に変わりました」

「生理について人と話すことに抵抗があったが、講座を聞いて抵抗が減りました」

「生理のことを詳しく学ぶ機会がなかったので、ありがたかったです(男性の参加者)」

などの感想がありました。

松浦さんから講座開催の想い参加者に伝える

松浦さん
「講座を実際に実施してみて、おとなから教えてもらうのも良いですが、どうしても”学習”という印象が強くなってしまうとも感じました。今後は大学生が高校生に教えたり、高校生が中学生に教えるなど、近い年代同士が教えるような仕組みをつくっていきたいと思っています。」


探究フェスタに参加することで、自身の活動に自信が持てた

探究フェスタでは、他校の高校生のプロジェクトを聞いてみたかったのと、自身の活動を広めたいとの思いで参加。発表後には他校の高校生や先生などおとなの人から講評をいただきました。

松浦さん
「探究フェスタ参加前は、一人で活動していることもあり、自分の活動が意味のあるものなのか、不安もありました。

でも私の発表を聞いた男性が、生理のことをオープンに話してくれて、今ある生理へのタブー感みたいなのを解消できるんじゃないかと手応えを感じ、自信になりました。」

探究フェスタでの松浦さんの発表の様子

また、高校の「総合的な探究の時間」でも活動の発表を行い、大学を訪問しての中間発表など、人前で活動について話す機会が多くあったことも自信につながったそうです。

松浦さん
「最初は1人で活動できるか不安だったし、生理について取り組むことを、周りにどう思われるかとても不安でした。だけど、活動の最初に実施した生理に関するアンケート調査で、ツコウの生徒・教職員合わせて100名近くの方が回答してくれて、しかもとても真剣に答えてくれていたんです。

これはやる意味あるな、多くの人が興味を持っているテーマなんだなと実感し、自信を持てました。

そして、何度も人前で話す機会を経験することで、生理のことをオープンに堂々と話すこともできるようになりました。

他にも周りの友達や先生、教育魅力化コーディネーターが『いいね!』と後押ししてくれたことで、やりたいと思ったことを行動に移すことができました。」


今後も「生理の貧困」解決に向けて活動を続けたい

卒業後は看護系の学校に進学し、看護師や養護教諭になりたいと考えているという松浦さん。

そして、「生理の貧困」解決に向けての活動も継続していきたいと話してくれました。

松浦さん
「今後も生理について知る機会をつくったり、トイレにナプキンを設置できるよう町などに働きかけたり、活動を継続していきたいと思っています。

また、探究フェスタに参加した他校の生徒から、自分の高校でも取り組みをやってほしいと言われたので、他校にも広めていけたら良いなと思っています。

先生や友達、教育魅力化コーディネーターなど、周りの人みんなが応援してくれたり、協力してくれたので、とても感謝しています。来年はもちろん、就職してもこの活動を続けていきたいです。」

松浦さんの活動を、これからも応援しています!


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