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【高校】ツコウ2年生の「総合的な探究の時間」の取り組みを紹介します

津和野高校(ツコウ)では、「やってみたい」を「やってみる」を大切にし、「総合的な探究の時間」をT-PLANという名前で一貫したプログラムとして設計・運営しています。

・ツコウ「総合的な探究の時間」の全体像についてはこちら

2年生では、1年生で見つけた興味関心=「やってみたい」を深めていくことに挑戦しています。具体的には、生徒一人ひとりが自身の興味関心のあるテーマを設定し、そのテーマについて追究・実践しています。

そしてR5年度は、島根県立大学や、山口大学のペルラキ・ディーネシュ氏と森朋也氏と連携し、学術的な手法も学びながら探究活動を進めています。

またツコウでは、「総合」「探究」「自然科学」の3つのコースを設定しており、2年次から自身の希望する進路にあわせたコースを選択します。

特に探究コースは「総合的な探究の時間」を多く設定し、大学との連携による仮説検証型の探究学習を行っています。

「やってみたい」を「やってみる」過程を通して自己理解を深めることに加え、日常生活の中で沸き起こった「なぜこうなっているのか?」等の疑問に対して、文献等の調査を踏まえて仮説を立て、それを検証していきます。

大学の先生からのアドバイスももらいながら、より多角的な視点で課題を解決する方法を考え、行動してみることに挑戦できるよう設計しています。

1学期は、「問い」をたてることに挑戦しました

今年度の2年生は、1年生のT-PLANでの様々な体験講座や地域の方との対話、そしてそれらのふりかえり等を通して、2年生で探究してみたいテーマについてなんとなくイメージを持っている状態からスタートしました。

本格的な探究活動に入っていくにあたり、連携している島根県立大学及び山口大学の先生から、「問い(探究テーマ)の立て方」等について学びました。そして、大学で研究者が行っている探究活動の手法や事例を学び、実例も参考にしながら自身の探究活動をスタートさせました。

「問い(探究テーマ)の立て方」を学ぶ

仮説を設定するための文献調査では、山口情報芸術センターYCAMに訪れ、自身の課題についての先行事例や関連文献などについて調べました。そして6月にはそれぞれの「問い(探究テーマ)」を定め、活動に取り組んでいます。

実際に生徒が取り組んでいる問い(探究テーマ)は、

「津和野の知名度を上げるには」

「津和野の郷土料理や特産品についてどこにあるか調べたい」

「寮の食品ロスを減らすには」

「地酒を高校生でも楽しめる方法はないか」

「ポイ捨てがなぜ起こるのか」

「まめ茶の魅力を伝えるには」

など、さまざまです。

2学期は、大学連携も活用しながら問いの検証を進めています

2学期は、立てた問い(探究テーマ)についての検証を各自で進めています。検証方法としては、アンケートやヒアリング等を行ったり、実験を行いデータを集め、分析したりとそれぞれに適した方法を考えて取り組んでいます。

2023年9月7日には、探究コースの生徒が島根県立大学を訪問し、自身の探究活動について進捗状況の報告を行い、大学の先生方からアドバイスをもらいました。

大学では、生徒の活動に寄り添ったアドバイスをしてくださり、大学訪問をきっかけに地域に繰り出してみたり、新たな視点をもった活動を開始した生徒もいます。

自身の活動について報告し、アドバイスをもらいました

大学訪問を終えての生徒の感想や気づきを紹介します。

・「情報を集めるだけではなく、経験を積む。外から見るのと実際に行うのでは全然違うと気づいた」

・「信用できるデータであることを示すためには、情報の出所を明記する必要がある。信用できる情報を元に作った仮説でも、その仮説が本当に正しいのかを検証することも探究であると気づいた」

・「テーマが大きすぎたので、もう一度考えてみようと思う」

・「ただアンケートをとるのではなく、現状を載せることによって一緒に考えてもらうとなおよかった」

一方で、仮説を立てて検証していくという手法そのものや、いただいたアドバイスの自身の活動への活かし方に難しさを感じている生徒もおり、大学訪問のタイミングや活動報告の進め方、いただいたアドバイスの活用方法等について、設計側の寄り添い方や設計そのものについても、今後検討していく必要があると感じました。

R5年度は「探究コース」がはじまって1年目ということもあり、関わる教員やコーディネーターも、日々話し合いを繰り返し、試行錯誤しながらプログラムを創っています。

このように私たち関わるおとなも探究することで、津和野高校だからこそできるT₋PLANをより深化・進化させていきたいと考えています。

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