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【最新版】ストーカー被害対策の新たな課題


こんばんは! つーばきです!


今日の昼、ちょっとしたスキマ時間にツイートのネタ探しでYahoo!ニュースを見ていると、普段見慣れないタイトルが目にとまりました。


「ジャニーズJr.を刃物で脅して女子高校生逮捕」というタイトルです。


女子高校生がジャニーズを刃物で脅すことなんていままで聞いたことがない。と思い、その記事を読んでみました。


どうやら女子高校生は、昨年4月に渋谷でジャニーズJr.のグループ「7 MEN 侍」の佐々木大光(ささき たいこう)さんとすれ違った際に一目惚れして、それから繰り返しつきまとい行為を行っていたようです。


さらに渋谷で佐々木さんにカッターナイフを突きつけて警視庁から4度目の警告を受けていたにも関わらず、今月に入り再び佐々木さんの前に姿を見せたため逮捕されたということです。


今回の女子高校生のように女性が加害者になるのは珍しいと思うかもしれませんが、警視庁にストーカー被害の相談をした男性は意外と多く、昨年だけで2500人近くいました。


男性はストーカー被害を隠す傾向があるそうで、実際にはもっと多くの男性がストーカー被害に悩んでいると言われています。


「ストーカーの加害者は身近な人が多い」という話を聞いたことがあるので、警視庁が公表している2021年のデータを調べてみると、被害者と加害者の関係は交際相手(元を含む)・配偶者(元を含む)・職場関係・知人関係が70.3パーセントもいたので、たしかに身近な人が多かったです。


そもそも、日本でストーカー事件の深刻さが広く認識されるようになったのは、1999年に起きた「桶川(おけがわ)ストーカー殺人事件」からです。


被害者の女子大生が、ふられたことを逆恨みした元交際相手を中心とする反抗グループから嫌がらせを受け続けた末、刺殺されたという悲しい事件です。


被害者の女子大生から相談を受けていた警察が対応を怠っていたことが判明し、これを機にストーカーを取り締まる「ストーカー規制法」ができました。


それから20年以上が経ちましたが、ストーカー被害は一向に減る気配がありません。警視庁にはいまでも年間2万件前後のストーカー被害の相談があります。


ネットでストーカー対策を調べると、出てくるのは家の戸締まりやなるべく夜道を歩かないようにするなど、子どもでもわかるようなことばかり。


しまいには「危ないと思ったらタクシーに乗れ!」や「移動中はスマホを触らず後ろにも気を配れ!」など、現実的ではないことも書かれています。


長くなってしまうので詳しくは書きませんが、ストーカー被害に遭ったからといって、必ずストーカー規制法で罰することができるわけではありません。


加害者のストーカー行為は認められず、SNSへの書き込みの嫌がらせのみ名誉毀損罪(めいよきそんざい)が適用され、接見禁止命令は出ないこともあります。


そのせいで被害者の中には、夜道を歩いているときや家に入る前などに後ろに誰かいるような気がして、判決から数年経ったいまでも「見えない被害」を受け続けている人もいます。


こうした深刻な状況が続くストーカー被害への対応策として、2016年から警察や医療機関などが連携し、加害者への治療やカウンセリングを通じて再発を防ぐ取り組みが動き出しました。


なぜなら、ストーカーは「人への依存症」であり、再犯率が高く治療が必要な人もいるからです。対象となるのは警察から警告されても行為を繰り返す恐れがあると判断された加害者です。


カウンセリングの効果は高いそうで、京都府警からすすめられた病院でカウンセリングを受けた加害者は、再犯率が0パーセントなんだそうです。


しかし、これにはまだまだ課題があります。


警察が医療機関への受診を働きかけた加害者は年々増えており、2021年は993人いたそうですが実際に受診したのは164人でした。


つまり、再びストーカー行為をする可能性があると判断された人でも、強制的に治療を受けさせることはできないのです。


また、治療費が自己負担だから受けたがらないという問題もあります。


現在、京都府警はこの治療費を公費(税金)で負担する仕組みを作りましたが、こうした支援策は地域によってバラバラです。


効果があるとわかっている以上、これからの警察、医療機関、地方自治体の努力に期待したいところです。



- おしまい -

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