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ぱふぇちゃんち① - いかでちょっと -

あひるのガー子の連隊と鶴巻温泉の湯舟に、ぱふぇちゃんは痒いところをジェット水流で攻撃している。

「ぼこっ」
「いやだ~」

…お椀、赤頭…、おじさん?
「キャー!!」

「あ…。デバガメでしゅね…」
「ガーッ(見ちゃだめ!)」

にんぎょの魔法、ぱふぇちゃん透視「骨格がないし…きっと地球外生物でしゅね…」

…女たちは、顔を見合わせて「イヤーねー」とひとしきり騒いだ後の何事もなかったかのように静まり返った浴場に、幻でもみたのかしらといいたげな面持ちで頭から硬水のシャワーを浴びにいったりしている。

……

「…ダブルソーダ食べましゅか?」
「ガッ」

連隊とともに「乾きに」上がり、アイスクーラー。番台のおばちゃんに一言。「ガー(¥80ツケで)」

「…ごちそうさまでしゅ。今度おかえししましゅね」
「ガー」
切りはなした一本に、ガー子の瞳が微笑んでいる。

…「ガー、ガーッ、ガー…」
「大変でしゅね、忘れ物カゴの中も…」

ベトベトになっている、ガー子、連隊の子供達の口。ぱふぇちゃんが指先でそっと拭う。

…あ。

「わたしウニ子お姉ちゃんに帰りにパパしゃんの晩酌の、いかとっくり買ってきてって…。確か町田の近くにあった、津軽・函館居酒屋「烏賊蔵」のお土産売り場をみていこう」

「15:44(行こー、ヨシ!)になったら、また、きましゅね!」
「ガッガー(39 サンキュサンキュ!)」

麻生川にでるのに鶴見川をとおるほうが、鶴巻温泉の帰りのかんじがする。
(いかないぞうー、いかないぞうー)
(…パパしゃん、の、テレパシー送信…)
(いかないぞうー、いかないぞうー)

…烏賊蔵をやめて、行った鶴川の「マルエツ」、都合よく「全国珍味美味いもんフェア」などは催されていなく…。

おつまみコーナー、スルメ、さきいか…。
鮮魚売り場、生の烏賊…。

…(これにしましゅ)
「浜そだち(出元、南部八戸)パパしゃん県!(レジ¥214ツケ。ねこようかいで顔)」

「遡上!麻生川!!」


……ピンポ~ン

「おー、ぱふぇちゃん、早かったな。メシだメシ」

…パパしゃんは、桃川を燗していました。そして、期間限定のシウマイ弁当、鮪から鮭の行列がすごいらしいと笑いました。

レジ袋から顔色ひとつ変えず、塩辛の封を切って小皿に移し、七味の背中を「タン、タン」とたたくパパしゃんを見ていて、わたしはママしゃんに「ガー子しゃんガー!」と、この家にきて、また心おきなくできそうなワガママに、…少し、戸惑ったのです。

ウニ子お姉ちゃんの口元がうなづいているようでした。

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