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《エピソード18・フラッシュバック》弱冠20歳で1000万超えの借金、鬱、自殺未遂、親との確執。からの逆転人生を実現させたリアル話。

甦る、色。

家族に勘当され家を離れた僕は、1年半ぶりくらいに実家へと戻った。家には家族が待っていたけど冷たい空気が流れている状況にはなにも変わらない。習慣を抜け出した僕を待っていたのは幼少期を過ごした場所の後ろ向きな雰囲気で、外に出ていた時の悪しき習慣と、子供ながらに感じていた家や両親に向かう嫌悪感は種類が違うけど感覚は同じで顔をあげることができなかった。それでも、進まなきゃいけない。それでも、生きなきゃいけない。使命感なのか義務感なのかわからないなにかに襲われた。

神の囁き

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僕は進むために家出から戻ったはずだったのに

なにかに囚われたように身動きが取れない。なにかが怖くて、なにかが不安で。その「なにか」さえわかれば物事なんか簡単に解決するのに、わからないからこそその状態になる。真逆の選択をすることは決めた。でも、その先になにを掴みたいのかがわからないし目的もない。

僕はまた懲りずにギャンブルをした。

でも、まったくと言っていいほど勝てなくて僕の後ろから神様が「あなたにはもう運もチャンスもありません」と囁いてるようだった。

「どうすればいい・・。なにをすればいい・・。」

それは自分自身に対する後ろ向きな問いかけのようだった。でも、今までこうやって立ち止まって考えることなんかなくて、ただ目の前に起こることに一喜一憂するような単純作業を繰り返していた僕にとってその行為は重く感じたけど、振り返ってみると1番大切で1番必要なことだったのかもしれないと感じる。

「なにを・・すれば・・」

真逆の選択を強いられていた僕。目の前にあったのは多額の借金と失われた夢。その2つだった。その現実から目を背けていた僕はあることに気づいた。

「そういえば・・・」

人は自分の内側にある弱点からどうしても目を背けたくなるものだ。認めたくない、信じたくない。でも、1番内側には弱点があるのは事実。人間の弱さや汚い場所は確実に内側に存在する。僕はそこに向き合わなきゃいけない側面にきていた。いや、むしろその場所にいって存在を確認して認めない限りはなにも変わることなどなかったんだ。

僕は震えながらでも、自分の内側を恐る恐る覗いた。

一瞬の気づき

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失われた時間のように暗かった日々を思い返した時、何気なく読んでいた漫画が部屋に転がっていた。テレビでは野球中継の解説者が大袈裟に誰かのホームランを叫びながら伝えている。

「野球・・・。野球選手かぁ」

部屋に無造作に転がっていたのは野球漫画だった。気づけば野球中継をつけている。僕はそんな状況であっても野球が好きだったことに気づいた。プロ野球選手になるって決めていた小学生時代がフラッシュバックした。

「もう一回、挑戦したい」

後ろから「チャンスはないよ」と囁いた神様が、漫画とテレビと僕を結びつけてくれたようだった。

運やチャンスは生きている人間には平等に与えられていて、それに気づくか気づかないかはそれを受け取る側の受容器の状態によって決まる。受け皿が広ければ受け取るチャンスも増えるし、逆に後ろ向きだったり偉そうに世間に胸を反らしていればすべてがこぼれ落ちてしまう。

「運やチャンスはないよ」のあとに続く言葉はきっと「あなたがそのままならね」だったんだろう。

ストレスから胃炎を発症し、拒食状態だった僕はテレビに映る野球選手とは“真逆“の状態だった。野球から離れてからボールもバットもグラブも触っていなかったし、体を鍛える必要もない日々だったから痩せ細っていたし。

でも、もう一度夢を追いかけたい。どうせ死ぬんだったら、もう一回死ぬ気で取り組んでみたい。

急に芽生えた気持ち。眠っていた気持ちだったのかもしれない。少しだけ、少しだけだけど久しぶりに本当の笑みが自然と溢れた。

僕は忘れないように紙に書いた。

野球選手、トレーニング、プロテスト・・

その下には「借金」と書いた。

僕は、借金に向き合うことに決めていた。そしてそのまま気づくと両親に相談する僕がいたんだ。

いよいよ、真逆の選択が動き出す。

続きはまた・・。

いつも読んでくださりありがとうございます。いろんなフィードバックがあって初めて自分と向き合える。自分を確認できる。 サポートしていただくことでさらに向き合えることができることに感謝です。