ごくうが行く:レオ君と一緒に散歩

ツツジに水遣りを先に済ませ、ごくうの散歩に出かけていく。団地を出たところで、ごくうは坂を下るコースを選択した。前を見ると、レオ君が歩いている。30メートルはある。

「気がつくかな。」

妻に話しかける。レオ君の散歩コースとごくうの散歩コースは違っている。ごくうはお構いなくマーキングしながら間を詰めていく。20メートルを切ったところでレオ君が向きを変え座って待つ姿勢になった。

「気がついちゃった。」

散歩コースが変わると、レオパパの調子が狂う。レオ君は疲れると歩かなくなる。

案の定、レオ君はごくうの散歩コースに付き合いたいらしい。レオパパも仕方ないかと思いながらごくうの散歩に付き合う。

「最近、新しい犬が団地内を散歩していますね。」

「あ、あれね。ボーダーコリーみたいですよ。」

「そうなんですか。レオ君と同じですね。」

「最近、犬の値段が上がっているらしいよ。」

「そうなんですか。」

「このボーダーコリーは30万円だったけど、」

「今の値段は80万円位するそうだよ。巣ごもり需要で。」

「そうなんですか。」

夫婦で驚く。ごくうは里親募集で貰ってきた。

「それに、・・子犬を少なくしているみたいで、・・」

値段が上がっても不思議はないような気がする。

お大師堂にお参りし、別の団地を回っていく。アメリカネナシカズラの生えていたところを説明しながら坂を上がっていく。

団地を降りていく。疲れてきても、レオ君は歩きを止めない。レオ君とごくうは黙々と歩いて行く。どうやらレオ君はいつも可愛がってくれるおばあちゃんちに行くのを考えているらしい。信号で分かれて、レオ君はおばあちゃんちに、ごくうはいつものコースを歩いて行く。

いつもの信号に来ると、レオ君はすでに渡っている。おばあちゃんがいなかったらしい。しかし、足取りは疲れを見せていない。もう夏が過ぎ、秋に向かっているのかもしれない。

ごくうもとうとう最後まで歩いたが、家の駐車場で立ち止まった。いつものようにダッコと顔が言っている。

玄関でダニを払い落とため、両足や身体を払いのける。お風呂で足を洗い、口を漱ぎ、タオルで拭き終わると、ダッシュ。ガムが飛んでくる。