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啓翁桜を知る

画像:啓翁桜(3月8日)

河津桜が咲き始め、啓翁桜の蕾が膨らんでいく。3月中旬、久しぶりの里帰りを終え、空港に向かった。空港までの所要時間がほぼ計れるので、出発前の20分前に着くことが多い。

この時間に着けば、空港で、妻は子供に地元企業の粕漬け(白たくあん)を買ってもらう。「うまもん漬け」の一つである。先代の社長に会合で出会ったとき、「うちの漬物、知らないものは主婦じゃない」自負に似た話を聞いた。聞きつけてか、タモリもブラタモリ(2023年10月)でやってきていた。

チェックインカウンターの最終チェックイン時間が知らされ、チェックインカウンターに向かう。その手前に生け花が飾られている。啓翁桜だ。近くに啓翁桜を植栽している地域があるらしい。

啓翁桜は蕾の中から2つの花が咲いていくことが多い。ガク筒は長くはないが、しっかり存在感を示している。蕾の内は紫がかった赤みを示すが、花弁が開き始めてから次第に白みを帯びてくる。メシベはしっかりし、緑色をしている。受精すれば、実生で啓翁桜は増やすことができる。挿し木も可能とある。枝は多数こじっかりしており、枝は長く、木姿は丸く仕上がると、頼もしい。※ボーボーと仕上がるもの多し。

子供をおくり、空港から帰る車の中では啓翁桜の香りは上書きされ、「粕漬け」の香りが漂ってくる。翌日の食卓には、白い粕漬けが薄ピンクの陶器に盛られる。