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妻の語り草:ひぐらしが鳴くところは

画像:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%82%B7#/media/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Tanna_japonensis.JPGから。

・金木犀「クマゼミの声を聴きました。今年も夏が来ます。」https://note.com/omorigohan/n/n36403876b01e?scrollpos=commentもヒグラシを取り上げています。

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ごくうの散歩の時、ヒグラシが鳴くのに出くわした。ヒグラシは、なんとカメムシ目に属するので、カメムシの親戚である。ヒグラシの雄は大きいのが4センチ位なので、蝉の大きさで言えば、中くらいの蝉になる。メスは少し小さい。ヒグラシはほぼ全国に分布する。

妻はヒグラシの鳴き声を聞くと、語り始める。前の住んでいるところは海からすぐ側の山手近くに住んでいたが、ヒグラシの鳴き声を聞いたことがない。ほど近くに母の従兄弟が住んでいた。母は従兄弟とは遊びのようにお互いに悪口を言い合っていた。従兄弟の奥さんは優しく二人を見守っていた。

妻はそんな奥さん(伯母さん)とよく話していた。伯母さんも妻とは気が合うのか、よく話していた。遠い親戚筋だが、よく行っていた。その縁でキングという犬が来たし、さくらが来てからも伯母の家に時折何かにつけて行っていた。

今の住居に引っ越してからも伯母の家にお邪魔し、一緒に食事したりする機会が多かった。伯母さんは姪がいて、その姪にいろいろな喫茶店やレストランに連れて行ってもらっていたらしく、そこに案内される。

妻が引っ越し先の様子を話すと、
「そうかね、ヒグラシが啼くの。」
と感激していた。海沿いに住んでいた伯母は日頃はヒグラシの鳴いたのを聞いたことがなかった。

伯母は続けて、
「そりゃ、空気がきれいな所よ。」
その言葉が妻の脳裏に深く記憶されたのだろう。毎年、ヒグラシの鳴き声を聞く度に、語ってきた。

伯母が高齢になり、娘の暮らす場所に引っ越してから、今年で2年目、ヒグラシの鳴き声を聞いて、伯母を思い出しながら、ヒグラシの鳴く場所で語る。
「そりゃ、空気がきれいな所よ。」