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ごくうが行く:青年は大学生だった

*全く未知の青年が家でごくうの散歩帰りに訪ねてきていました。3回程。青年といっても、しっかりしており、もうパリパリのビジネスマンに思えていました。2年に亘る疑問が「おばあさん」(青年にとって祖母になる)から、ごくうの散歩帰りで、偶然お聞きし、氷解しました。

ごくうは帰ってくると、散歩が足らないと思うときには、団地内を回ろうとする。今夕は雨模様。いつもの余分の散歩を止めて帰ろうとすると、案の定、団地の中を追加で散歩。

以前、ごくうが散歩から帰ると、青年に出会った。今夕分かったことだが、ごくうの散歩に合わせて、家に帰る頃を見計らって散歩に出ていたみたいだ。会話を交したこともないのに、ごくうを見つけると、やってきて挨拶する。それが3度程あった。不思議に思っていた。まさに好青年と絵に描いたような人物だ。

団地に上の方にその青年が起居する家がある(自分で名乗った名前が一致する)。ごくうはいつもその家を回り込むように散歩する。ちょうど通り掛かったとき、その家の奥さんが勝手口から現れた。ごくうがクーンクーンと鼻泣きしながら近づいていく。

「あら、ごくうちゃん」

ごくうは垣根の間から近寄ろうとする。挨拶し、
「お聞きしたいことがあります」
と長年(ここ4,5年)でもないが、お宅と青年の関係を尋ねた。
「あの青年の方は?」
「あぁ、うちの孫なんですよ。東京にいます」「こちらに来たとき、あそこのワンちゃんは可愛いから、行ってみたら」と薦めたそうだ。本人にも小さなワンちゃんと暮らしているという。青年はとても犬が好きと紹介していた。その後は、青年と犬と生活などを話していた。

話しを聞いて得心した。「それは、それは、今度来られたときにはどうぞ家に尋ねて来てください、いつでも、とお伝えください」ごくうも青年もキッと喜ぶはずだ。

話し終わると、ごくうはその家を回り込むように(ちいさな公園になっている)歩いて行く。数年の疑問を確認できて得心できた。

ごくうは家に帰ると、もうガムが飛んでくるのを待っている。今夕はご飯を食べてくれるかな。