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ごくうが行く:紅のインテグラで去って行く

画像:https://www.honda.co.jp/usersvoice/integra-r/2011/002/index.html から

ごくうが来て間もなく、車で地域の水瓶と言われるダムに散歩に出かけた。ダムは綺麗に整備され、多くの人が憩うために訪れていた。犬の散歩も多く、そこに行けば、他の犬と会うことが多い。

ごくうはまだ若く、車酔いのリスクはあるが、それほど遠くではないので、何度か訪れていた。ダム公園を一周し、駐車場に向かっているとき、別のコースから来た親子ずれに出会った。親子はヨーキーを伴っていた。

ごくうは人も犬も大好きである。基本は若い男の子だが、若い男の子の多くはさっぱりしている。ごくうをみると、「可愛いね」と一言残して去って行くだけが多い。

ダム公園で出会った親子は、出会ったところが芝生で、なだらかな坂で、上がり気味の場所だったのか、ごくうと同じ目線になってごくうを可愛がる。ヨーキーもそばに並んで川の字ができた格好になっている。

娘さんはごくうを撫でながら、

「あら、美形ね」

思わず妻と顔を見回す。古風な表現をする娘さんは、川の字の真ん中で、ごくうを可愛がる。母親は娘の可愛がる様子を眺めている。ヨーキーは娘さんのそばを離れず、ピタリと寄り添っている。

一通り可愛がると、会釈して、娘さんは母親とヨーキーと一緒に歩き出し、分かれて行った。ごくうも、もう帰るつもりのようだ。駐車場に向かって歩いても渋ることもなく先だって歩いて行く。

駐車場に向かって道路を渡ったとき、紅のインテグラがゆっくりと走ってくる。ごくうを見つけて、ウインドウを開け、手を振り、笑顔とともに、ゆっくりと走り去っていく。

ごくうが「ワン」と啼いて急かした。家に帰れば、足を洗い、口を濯ぎ、身体を拭き、一直線で部屋に。ガムが飛んでくる。