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地球温度が5度あがると、何が起こる

約5600万年前(5580万年前)、地球は、PETM(暁新世・始新世・境界温暖極大期:Palaeocene–Eocene thermal maximum)期にある。PETMの教訓から何を学ぼうか。※読みやすく、中黒を打った。20万年続いた、と言われている。

この時期、平均気温は5度も上昇したという。メタンハイドレードの多量放出、火山の噴火による温室効果ガスの大量放出などが原因と言われている。

海水の温度も上がり、海中の酸素濃度が低下し、海の生物の生息環境が厳しくなった、と言われている。

気温上昇は陸上の生態系バランスを変化させ、地球規模の温暖化が起こった時代。現代に照らすと、1万年間に5度の上昇は、何をもたらすか。

PETMの時代、哺乳類は適応できたのか。

森林は消え、亜熱帯の乾燥地帯に変化した。森林が減少し、動物の食糧不足が起こる可能性がある。その食糧不足に適応し、哺乳類には(一部)小型化が起こっている。馬の例などがある。

1950年以降、大気ガスが放出されているが、このまま続けば、後200年でPETM並み(5度)に温暖化が進行する可能性が高い。200年は人間の6,7世代の長さだ。遠い先の話ではなく、現世代が移り変わる度に温暖化が進み、気温は世代を経るごとに、0.5度(不確かだが)から2度程上昇し、気温が上がっているところに、さらに0.5度(不確かだが)から2度程積み上がっていく。

冬は短くなり、夏の高温は高くなっている。平均気温ばかりではなく、致命的なことは最高気温が高くなり、経験を遙かに超える可能性がある。その最高気温が一時的ではなく、十数日も続けば、生命へのリスクは高くなり、生体の劣化を招いてしまう。

寒い地域に生息している動物は早い時期に絶滅の恐れがあり、高温の所で生息している動物にも生息地が狭まり、次第に生息数を減らしていく。人類も生息環境が度々脅かされ、狭められ、生息環境の狭まりと、同時に生息数が少なくなっていく。人類が違うのは、動物は自然環境の中で生息数を減らすが、人類は構築した環境が破壊・劣化した中で影響を受けていくことになる。

90万種の動物が危機に瀕している。人類も例外ではない。

参照:NHK+「地球ドラマチック「温暖化の脅威 ~5600万年前からのメッセージ~」※放送期間が限られている。2/25(土) 午後7:44 まで。