妻の記録:生温る風呂に

「風呂、沸いている?」

少し湿度が高い中、ごくうの散歩から帰った。二足先に帰った妻はシャワーを浴びていたのか、着替えていた。

「沸いているよ。」

心得ているとばかりの返事に、いそいそとお風呂に入る。いつもは暑い気温に相当汗をかくので、汗が引いてから入る。今日は雨は降っていないが、気温が低い。

風呂の蓋を上げると、湯気が上がって来ない。

「うん・・・」

湯船に手を入れると、生ぬるく、沸かしたとは思えない。仕方ないので、追い炊きをする。すぐには温まらないので、風呂掃除を始める。一通り掃除しても、まだ温まってはいない。熱い足し湯をするが、十分ではない。

「沸かしたって言わなきゃよいのに。信用しすぎだ。」

自分に言い聞かせながら、夏なので、

「まあ、いいか。」

風呂から出ると、

「長かったね。」

「風呂が沸いてなくて。掃除したよ。」

「あら、ごめんなさい。」

「いいよ、夏なんだから。」

とも言えず、強く指摘することもできず、身体が冷えなきゃいいが(身体の冷えには弱いのです)。

妻は最近やたらに暑がる。冷房温度を24度に設定している(実際は26度)。一昨年は24度設定では、寒い寒いと言っていたのに。

もう十分温度が低くなっているので、エアコンを切らして貰った。

「今度から湯船の温度を確かめてからだね。」

リトルごくう*が独り言で呟いた。

*リトルkojuroさんからお借りしました。