見出し画像

ごくうが行く:中学男子に遭遇

画像:大師堂
http://blog.livedoor.jp/sirouturi/archives/1060143231.html から。

ごくうは男の子が大好きである。中学校の下校時間に重なると、女の子グループよりも、男の子グループを先に回る。来てから最初の頃は中学校の時間を気にせず、散歩に出かけていたが、さすがに列を乱すのは気の毒なので、下校時間を避けて散歩し始めた。

昨日は中学校の夏休み入り。チラホラと下校する中学生を横目に散歩に出かける。ごくうは坂を下がっていくコースを選んだ。妻も一緒に散歩する。ごくうが坂を下がっていっても、気ままに自分でコースを作ったりもするが、コースは2つに分かれる。

ホタルが出る橋のところ(T字型路)で左に行くか、直進するかに分岐する。妻は小声で、
「直進・・・」
と願う。直進していけば、大師堂がある。妻はごくうの散歩で、このお堂に来たときには、必ずお参りする。
※大師堂(真言宗の開祖・空海(弘法大師)を祀る堂)

ごくうは妻の祈りを察したのか、直進を選んだ。ごくうは淡々と前に進む。お堂に着くと、ごくうはダッコされ、一緒にお祈りする。お祈りするときには、自分で決めたお祈りがある。

お祈りが済むと、さくら(ごくうの前のワンちゃん)が散歩したコースをなぞるようにごくうは散歩する。しかし、県道を渡り、間道に入る。ごくうはさくらの散歩コースを外れ、別の団地の登り坂を辿り始める。人も車もほとんど通らない。ごくうのリードを外してやる。ごくうは自由に寄り道しては、坂を上がっていく。

坂の中程まで来たとき、中学生の男の子が降りてきていた。これは大変と思ったが、ごくうは男の子が大好きだ。遠くから、男の子に幾分大きめの声で
「犬は大丈夫ですか。」
尋ねてみた。
「ええ。」
と答えてごくうを待つ姿勢になった。ごくうはスタスタと男の子に近づく。ごくうはいつものように顔を見上げる。可愛がっての合図だ。

ごくうは半身立ちになり、男の子に寄りかかる。男の子は遠慮がちにごくうを撫でる。最近のごくうは素っ気ないことがある。一通り可愛がって貰うと、足を踏み出した。男の子は「あれっ」という表情で、ごくうを目で追う。

団地を降りると、いつものセブンから交差点に、いつもはさらに向こうに行こうとするが、昨日の散歩の長さに疲れたのか、いきなりダッコの合図。交差点から家までダッコで散歩。

さあ、足を洗おう、口を漱ごう。タオルで拭いた後、ペットガムが投げられる位置まで一直線。待つこと、60秒。

目の前に、ペットガムが飛んでくる。ごくうはガムを待ち焦がれたように噛みしめる。