妻の語り草：大地の子

画像：https://www.nhk.jp/p/ts/8NYG2RL9ZV/schedule/te/J7WWPL196J/から切り出したもの。

妻の実家に帰ったとき、ちょうど「大地の子」のテレビ放送が予定されていた。妻は予告があってから放送を楽しみに待っていた。

妻の母との雑談で、「大地の子」のテレビ放送を思い出した。
「今夜からNHKで「大地の子」のテレビ放送がありますよ。」
「そうかね。」
思いがけない話に、義母の表情が期待を感じているようだった。

家に帰り、大地の子の放送を見た。妻は感激し、その勢いのまま、連続7回の放送を心待ちにしながら見終えた。

放送を見終わって、妻だけ茶摘みで実家に帰った。妻は母と二人で茶摘みしながらあれこれと話す。思い出したように
「あの時、教えて貰って良かったいね。大地の子。」
「教えて貰わんかったら、見過ごすところじゃったいね。」
放送を見て感激した様子だった。戦争を実体験した義母にとって感激はひとしおだったに違いない。

それから思い出す度に、「大地の子」の話しを妻に振ってきた。妻は思い出す度に、同じ流れで、繰り返し話す。

「おかあちゃんが、いいよったよ。大地の子を教えて貰って。教えてもらえなんだら、みちょらんかったいね。」

今も妻の語り草である。

2021年7月19日（月）にBSプレミアムで再放送されているが、見逃してしまった。7月26日2回目以降は妻は楽しみに放送を待っている。放送の前後のどこかで、また語るはずだ。

総合「ドラマ・スペシャル：大地の子」は、放送７０周年記念番組として日中共同制作され、1996年3月11日から3月20日までNHKで放送された。

－－－最初の導入部に山崎豊子の冒頭の一文
悲惨な戦争を生き抜いた
人々の苦しみと
戦火の中で消えなかった
大地の人々の恩愛を
永く心に刻み
日中友好の証として
献げます
－－－山崎豊子

悲惨な戦争を生き抜いた
人々の苦しみと
戦火の中で消えなかった
大地の人々の恩愛を
永く心に刻み
日中友好の証として
献げます
－－山崎豊子