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読書メモ:ヒョウタンのタネの保存

*湯浅浩史(2015)『ヒョウタン文化誌』岩波新書赤1564、57頁。見出し画像は印象的な「ひさご形」といわれる。

ヒョウタンは1万年以上前から確認されており、世界最古の植物の一つといわれている。原産地はアフリカと考えられている。

ヒョウタンの大きな特徴は、土器に先だって使われた「人類の原器」と言っても過言ではない。ヒョウタンは軽く、乾きさえすれば、中が空洞となり、水を入れて持ち運べる。

ヒョウタンのタネが用済みとなり、ゴミ捨て場に捨てられ、雑草化したヒョウタンが見られたように、丈夫なタネのようである。しかし、タネの寿命は短いと考えられている。常温で1年以上経つと、発芽率が悪くなる。ヒョウタンの種を維持するためには、途切れることなく、毎年育ている必要がある。

常温で保存すると、タネは呼吸し、結果、タネの寿命が短くなると思われる。冷凍・冷蔵技術の発達した時代では、タネの呼吸を抑えることができ、冷蔵庫の冷蔵室でも、10年を超えて発芽すると言われている。冷凍庫で保存すれば、もっと長く保存できるはずである。ただし、密閉された容器に入れて保存することが求められる。

要は、生きているタネの活動を抑えて保存する方法を採用することである。