ごくうが行けば:ヒナに出会う

ごくうは散歩が大好きだ。時間になると、そわそわしたり、散歩するんでしょう、と語りかけたりする。

約束の様に散歩に出ると、挨拶をしなかった高齢のご婦人に出会う。一言ねぎらいの言葉を掛けてくれる。
「暑いから注意して散歩するのよ」
ごくうはお構いなく散歩したい方に散歩する。

いつもの様だけど、最近、散歩距離が短くなっている。2016年の熊本地震の時、旅行を諦めて、保護犬サイトでやり取りしていた家に実視に出かけた。そのとき、ヒョイと手渡され、そのまま家に直行で一緒に生活し始めた。もうごくうも中年すぎだ。

あれだけ散歩が好きだったのに、最近は帰りの交差点で立ち止まり、帰るのを躊躇はするが、自ら決して帰るのを選択することが多い。このところの蒸し暑さで今夕も帰ることを選んだ。

団地に入る入口の手前でアスファルトの道、中ほどに緑色を発見。ヒナだ。羽が緑色、メジロの子供?目の周りは灰色だ。蹲って動こうとはしない。ごくうは帰ろうとはしていないが、近寄ろうともしない。成り行きを見守っているのか。

鳥から感染する病気も怖いが、鳥獣保護法がある。ヒナが弱弱しいので、何とかしたいが。持っている葉を2枚スコップに載せてヒナを掬った。ヒナはおとなしくスコップに乗った。しかし、1メートルも歩かない内に、高さ20センチくらいで飛び降りた。ピヨピヨと鳴きながら。歩くことはでき、竹藪傍の草むらに歩いて移動した。もう葉陰に隠れて見えない。

ここなら自力で保養し、飛び立つことができるかもしれない。蛇に食われないように祈りながら、ごくうと帰路に。

ごくうはやはり年なのか、夏にったのか、抱っこと立ち止まる。今夕も家の手前20メートルで止まり、抱っこのまなざし。ヒナの行く末を心配しながらごくうはお風呂場に。お風呂で、手足を洗い、歯を洗い、身体を拭いて、居間にまっしぐら。ガムが飛んでくる。最近は、飛んできたガムをいったんは噛もうとするが、途中で放りだした。後では食べているが。最近は何とか数回に分けて完食する。

今頃ヒナはねぐらを見つけているだろうか。そうあって欲しい。