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好きな山を思い返す。

「登山が好き」というと、「槍ヶ岳は登りましたか。」「富士山は何回登りましたか。」とよく聞かれます。
僕の好きな奥多摩や奥秩父、南アルプスの山々のことは滅多に聞かれません。

3年前、東京に住んでいた僕は、奥多摩の静かな登山道を一人で歩くのが大好きでした。年がら年中、御茶ノ水の自宅から始発電車で奥多摩に通い詰め、ほとんどの登山道を歩いたと思います。
特に奥多摩駅から延々と奥秩父に向かって続く石尾根や、埼玉県境となっている長沢背稜の樹林帯を、黙々と歩いたり、走るのが大好きでした。


仕事やプライベートの嫌なことから解放され、黙々と歩く、ほとんど貸し切りの尾根。
なんの危険も感じない、東京都によってよく整備された登山道。
たまにある湧き水を飲み、たまに会う登山者と交流し、空を見上げ、黙々と歩く。帰りの電車に間に合うように、奥多摩駅に戻ってくる。
青梅の町中華に寄って、立川で風呂に入り、夜中に自宅に着く。
奥多摩が好きすぎて、高尾から出発して奥多摩の三頭山に向かって歩いたりしていました。

真ん中の奥多摩駅を中心に色々な山を歩いた軌跡です。

東京の奥多摩駅から石尾根をひたすら歩いていくと、山梨県に入り、最終的には長野県の野辺山まで行けます。その間にコンクリートの道を見るのは、大弛峠と信州峠で、それもほんの一瞬です。奥多摩から、ずっと登山道で八ヶ岳の麓である野辺山に行けるのです。
「奥多摩駅から野辺山まで歩いてみたい。」そんなことを夢見始めていました。
その頃よく一緒に登山していた同僚の方と計画し、「瑞牆山荘から奥多摩駅に向かう形なら、下り基調なので行けそう。」ということになりました。要するに反対ルートです。
ゴールデンウィークに6泊して、行けたのは、真ん中くらいの笠取山まででした。コンクリートの道を歩かない6日間の非日常でした。

2週間後に一人で、続きの笠取山から奥多摩駅までテントを担いでランしました。

そのあとも、軌跡をつなぐべく、瑞牆山荘から野辺山駅に歩いたりしました。



シルバーウィークには野辺山駅から八ヶ岳を縦走して、小淵沢駅にいきました。

そのあと順調に、小淵沢駅から尾白川渓谷の区間を歩き、南アルプスに繋ぎました。そして、黒戸尾根をピストンして、甲斐駒ヶ岳の山頂まで軌跡を伸ばしました。

「東京湾から奥多摩までも軌跡を繋ぎたい」と思い、台風で山に行けない日に、びしょ濡れで街ランしたのも良い思い出です。

東京湾から奥秩父と八ヶ岳を繋ぎ、南アルプスまで軌跡を繋ぐことができた。


そのあとは、なんとなく飽きてしまいました。
南アルプスを繋ぐことが難しいので、考えるのに疲れてしまったのです。
駅から登山口まで遠かったり、バスがなかったり、歩く距離が長かったり、途中撤退が難しかったりします。 
普通の登山をするなら、少なくとも5日は休みが必要なのではと思われました。
最終的なゴール地点も見失っていました。
そう、なので2年経過した今でも繋がっていません。(笑)

このタイミングでは山梨県に移住したということもあり、生活スタイルも変わり、車で日帰り登山することが多くなりました。
車でしか行けないようなマニアックな登山口にいき、人が少ない登山道を楽しむのが趣味になりました。

甲武信ヶ岳 毛木平から


瑞牆山パノラマコース


金峰山 アコウ平から


古礼山

鳳凰三山・高嶺

仙丈ヶ岳

にゅう

笊ヶ岳

将棊頭山

甲斐駒ヶ岳

北岳、農鳥岳

上に挙げた山は、本当に大好きな山です。
また、山梨県に移住を検討した際には、群馬県の片品村とも少し迷いました。
その未練からか、谷川連峰や尾瀬の山々には、年に何回か遠征していました。

蓼科山、霧ヶ峰も好きで、日帰りで遠出する場合は大体そのあたりです。片道2時間くらいの運転で行ける上にビーナスラインも気持ち良いドライブで最高です。

長期休暇には北アルプスや南アルプスの静岡県側に遠征したりも、していました。千枚岳や荒川三山の風景は特にお気に入りです。三俣蓮華岳や黒部五郎岳も、長閑でお花畑や紅葉も綺麗で良かったです。穂高連峰も開けていて美しい場所です。

2023年には登山熱も冷めてきて、基本的には近隣の富士五湖周辺の山で遊ぶようになりました。
ホームマウンテンの鉄砲木ノ頭や三国山など、山中湖の山々や、都留市の山を歩いたり走ったりしています。

住んでいる都留から丹沢まで走ったり、大月から丹波山村まで大菩薩嶺の山々を繋いで走ったり、やや長めの縦走もしています。

都留市境の山々を繋いで歩いた日もあります。

トレーニングと思って行った、八ヶ岳の縦走はややキツかったです。

出勤前に富士山に登るアクティビティも年1くらいでやっています。こういう岩稜帯のリスクが高い山は、サクッと登って帰ってくるのが良いと思ってます。

大月の近くに引っ越してからは九鬼山によく登っています。

私のやっている山行から、総じて言えるのは、以下のことです。

  1. 整備された安全な登山道が好きです。上に挙げた山行だと、奥穂の先のウマノセと笊ヶ岳以外は、あまり危険な場所はなかったように思います。あと、雪山のクラックと雪崩は危険でした。残雪期の涸沢カールのような場所は、雪崩祭りだったので今後は避けたいです。ガッツリの雪山はもういいかな。

  2. 樹林帯が好きです。奥秩父や南アルプスの長い樹林帯を黙々と歩くのが好きです。森林限界はスパイス的にちょっとあると嬉しいです。岩場やガレは、気を使うのであんまり好きじゃないです。岩場はたまにトレーニングで行くくらいです。

  3. 夏は雨の日や夜の山行が結構好きです。

  4. 近所の山にサッと行って、サウナに行くのが好きです。日帰りで 20-30km 獲得標高 2000-3000 m くらいの山行を午前中くらいでサッとやって、サウナに行くのが好きです。

  5. 自宅から3時間以上かかる遠くにいくなら、60-70km 獲得標高 5000-7000 m くらいの山行を 1-3 日かけてゆっくりやるのが好きです。

  6. たまに友人と行く、ゆるい軽装の日帰りも好きです。山荘に泊まって、軽い荷物で一泊二日とかも良きです。

  7. 「槍ヶ岳・富士山にいく」というよりかは、縦走するのが好きです。ピークハントするなら、樹林帯の山でアップヒル・ダウンヒルのタイムアタックをするのが好きです。岩場はそんなに好きじゃないです。

  8. 最近はトレランの大会が好きです。距離は 100 km や 100 mile が好きです。100 mile は未完走、出走予定はあります。20km くらいの短いスカイランニングも好きです。上田スカイレースなど。

  9. 15〜30時間ぶっ続けでランニングするのも好きです。

気になっている遠方のまったり日帰りしたい山
市街地や下のキャンプ場に前泊して、以下の山にまったり登りたい気持ちもあります。

鳥海山
平ガ岳
飯豊山
朳差岳
佐武流山
会津駒ヶ岳
鳥取大山
妙高山
火打山
岩菅山

これまでの山行をなんとなく振り返って、自分の好きな山行について考えてみました。

軌跡を今後どう繋いでいくか考えつつ、トレランの大会に出たり、山を楽しもうと思います。
登山道を整備している方や、山の管理をしてくれている方、与えられた自然に感謝です。

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