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THE AMBIENCE OF SPORTS

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カメラマンとして残したいのは「カッコいい瞬間」です。僕がみつけたカッコいいを御覧ください^^
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2020年8月の記事一覧

THE AMBIENCE OF SPORTS vol.62

陸上競技は日本の学校に通っていたら、たいていは体験することができる。走り高跳びはベリーロールだけれど、、。 唯一経験したことないのが棒高跳びだ。 棒高跳びのルーツは古い。もともとは防壁や川を飛び越すための棒幅跳びが流行っていたらしいれど、いつしか棒幅跳びは廃れ、棒高跳びが陸上競技として取り入れられたらしい。 この話を聞いたとき、個人的に気になったのは、何故、棒幅跳びが廃れて棒高跳びが陸上競技として迎えられたのか。 そして、何故、彼らはボルターになることを選んだか、だ。

THE AMBIENCE OF SPORTS vol.61

こういうご時世だから仕方ないけれど、僕たちの業界も自粛ムードが強い。しかし、ようやくプロスポーツを中心に少しづつ制限付きながら動き始めている。 先日のゴールデングランプリ陸上には、たくさんのフリーランスの仲間がやって来て、近況を報告し合ったりして少しホッとする自分がいた。 そのとき気になったのがみんなの持っているカメラだった。 ご存知の方もいると思うけれど、実は今、カメラ業界は新機種ラッシュの只中なのだ。 「こんな状況だし我慢、、」と思っていたけれど、みんながぶら下げ

THE AMBIENCE OF SPORTS vol.60

元旦のとき同業者と交わした会話は「織田ポールはどこへ行ったのかね?」とか「聖火台なくなっちゃったね」とか、旧国立を懐かしむような会話が多かった。 あれから8ヶ月ぶりの国立。午前中はゲリラ豪雨みたいな雨に降られて心配された天気も午後は回復した。少し暑い時間帯もあったけれど、そのぶんキレイな光線が楽しめた。 暑さで頭がボーッとしていただけかも知れないけれど、ふいに感じた。 「あ、今、僕は国立にいるんだ」 それは新しい国立にいるという感覚ではなく、何度も足を運んだ昔

THE AMBIENCE OF SPORTS vol.59

元旦以来、久しぶりに国立競技場に行くことができた。 新国立は新しいスタジアム特有のワクワク感はあまりないけれど、初めてのスタジアム的な楽しさはあった。 陸上競技はスタジアムによって種目の場所が異なる。そうすると背景や光線の状況が変わるから、写真も写り方が変わってくる。 だから、昨日は新しい発見がたくさんあった。この写真みたいに次への宿題がたくさんあって、また撮影したい! って思えた嬉しい一日だった。 何が宿題なのかはご想像にお任せします^^ 2020年@国立競技場/

THE AMBIENCE OF SPORTS vol.58

美しさも競う競技。 例えば、フィギュアスケートとかアーティスティックスイミング、そして、新体操。 これらの競技は衣装も重要な要素になる。 それまであまり意識したことなかったけれど、こうした競技の衣装はキラキラと美しい。詳しくないから下手のことは言えないけれど、スパンコール的な? 間違っていたらすみません^^; ただこうした衣装はスローシャッターとの相性抜群だ。 競技を愛している人はそんなこと思わないかも知れないけれど、僕は「これは(スローで)流したらキレイだろうな〜

THE AMBIENCE OF SPORTS vol.57

写真家にとって、写真を選ぶ能力は撮ることに匹敵するくらい重要な素養だと思う。 極論を言ってしまえば、いい写真が選べる人は写真家に向いているし、いい写真が選べない人は、、苦労すると思う。 ここで「いい写真論」を始めるつもりはなくて、ただ過去のHDDを漁っていたら、個展で展示した作品よりも、こっちの方が良かったんじゃないかなぁと思う作品が出てきたのでカキコ。 15年近く経てば写真をみる目も感性も変わってくるわけで、それは僕が歩んできた道が正しかったのかを知る判断材料だ。今は

THE AMBIENCE OF SPORTS vol.56

見せ場は演技開始早々いきなりやってくる。 音楽に合わせてプールに飛び込むマーメイドたち。水中で目配せをする。隊列を整えるためだ。 冒頭のリフトが演技全体に与える影響は大きい。 見ているこちらも「よいっしょおおお!」と勝手に息んでしまう。 2006年アーティスティックスイミング △▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽ スポーツ写真のオンラインサロン始めました。 写真について語り合いましょう。 ご興味のある方はこちらをご参照ください。

THE AMBIENCE OF SPORTS vol.55

競泳の50m種目は写真が撮りにくい。 なぜなら、選手によってはノーブレス(息継ぎなし=顔が見えない)な場合があるし、仮に顔が見えたとしても、僅差すぎて水しぶきしか写らない。 ということで、飛び込みの瞬間を狙い続けた結果の一枚がこちら。 完全な余談だけれど、この写真について八つ墓村っぽいかな? とか思っていたけれど、沼に足は犬神家の一族で、同じような勘違いをしている人が多いことを最近知った。 この写真は縦位置なのでこちらもチェック^^ 2004年@辰巳国際水泳場/全日

THE AMBIENCE OF SPORTS vol.54

長い梅雨がやっと明けたと思ったらいきなり猛暑日の連続。ハッキリいって暑い。暑すぎる。 たぶん誰もが思っていることだけれど、本当に暑い。 10年以上前の話だけれど、ビーチバレーの撮影のとき、先輩カメラマンが上半身裸の上にフォトグラファー用のビブスを着ていたことがあった。 思わず二度見しちゃったけれど、ご本人にはとても似合っていたし、ビーチだからある意味で正装だ。 当時の僕は内心では真似できないと思っていた。いくら正装っていってもさすがに恥ずかしい/// しかし、もしい

THE AMBIENCE OF SPORTS vol.53

ラグビーの醍醐味のひとつは豪快なトライシーンにあると思う。如何にしてその瞬間をカッコよく切りとるか、撮影者に与えられた大きな課題だ。 サッカーのゴールよりも頻繁にチャンスがあるから、意外と簡単に思うかも知れないけれど、横幅70メートルあるピッチのどこでトライが決まるか分からないから、そんなに簡単な話ではない。 仮にいいポジションでその瞬間に立ち会ったとしても、トライするときの姿勢や光線の状況、背景をキレイに処理できているかなどなど気にしなければならないことが多くて、なかな

THE AMBIENCE OF SPORTS vol.52

僕の世代だと多くの人にとってスポーツといえば野球だった、と思う。 幼稚園から小学校にあがる頃、夏休みになると高校野球をよく見ていた。話題の中心にはいつもKKコンビがいた。僕は桑田投手が大好きだった。 それから20年が経ち、幸運にもジャイアンツでのラストピッチングを撮る機会に恵まれた。ジャイアンツ球場には黒山の人だかりができていた。みんなが僕と同じこと思っていたと思う。 背番号18がこれほど似合うピッチャーはいない、と。 2006年@ジャイアンツ球場 △▽△▽△▽△▽

THE AMBIENCE OF SPORTS vol.51

初めてトライアスロンを取材したとき右も左もわからず、なんとなくスタンドからスタートを撮った。 選手たちが懸命に泳いでいる間、僕は次にどこから撮れば良いのかを必死で考えた。でも結局、考えがまとまらず苦肉の策で撮った一枚がこちら。 トランジションを捉えた写真だけれど、よ〜く見てみるとシークエンス写真ぽく見えなこともない面白い? 写真が撮れた。 2005年@蒲郡/ITUトライアスロン世界選手権 △▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽ スポーツ写真のオ

THE AMBIENCE OF SPORTS vol.50

それまで日本の野球しか見たことがなかった僕にとって、世界各国の野球を生で見れたのは新鮮だった。 厳密に言えばそれぞれ個性があるのだけれど、日本人はだいたい同じような身体の使い方をして、その姿は規則正しくとても美しい。これは身体の小さな日本人が最大限に力を発揮するためにより効率的な身体の使い方が求めた結果だ、と思う。 子供のころテレビでみたプロ野球の助っ人選手たちは身体の使い方が印象的だった。国際大会ではほとんどの選手が癖のある動き方をして、スポーツには国民性が表れるという

THE AMBIENCE OF SPORTS vol.49

国立代々木競技場、第一体育館。これまで何度となく足を運んだ。 見る角度によって異なる表情を見せる外観。どうやって写真に落とし込もうか考えさせてくれる唯一無二の造形美を携えた照明。 昭和を代表する建築家・丹下健三による作品で、1964年の東京オリンピックのために生み出された体育館だ。 その存在感はここ数年声高に叫ばれた「れがしー」とはスケールが違う。 時代を問わず放たれる圧倒的な存在感。つまり、正真正銘の遺産だ。 2003年@代々木第一体育館/春高バレー △▽△▽△