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韓国・朝鮮語を基礎からやり直そう・1(初級の道しるべ)

今まで勉強してきたけれども、韓国・朝鮮語が今一つ分からない、クラスのみんなと比べるとずいぶん遅れているのではないか、もう取り返すのは難しいのではないか、そもそも勉強の仕方が分からない、そういう方のためにこのページを作ります。(まだ至らない点も多々ありますが、これから直していきます。なお、「動画参照」と書いてある部分がありますが、これは受講生の方限定で別途URLをお知らせしています。)

皆さん、何をすればよいか、ということにまずは戸惑われると思います。朝鮮語の学習方法としてオーソドックスな文法の流れを紹介しますので、まずはこの順番でやってみてはいかがかと思います。細かいことは端折って大まかな流れを書いています。

1.文字と発音
まずは、文字と発音を覚えましょう。書き順も正確に。発音の変化にも少しずつ慣れましょう。段々慣れればいいので、すぐに身についていなくても構いません。(動画参照)

2.体言文(-입니다/ -입니까?)[名詞、数詞、代名詞などが体言です]
「(体言)です・(体言)ですか」を言えるようにしましょう。とても丁寧な形では「-입니다/ -입니까?」(平叙文[です]/ 疑問文[ですか])を接続します。なお、親密な感のあるヘヨ体(ヨで終わる形)では「-예요/ -이에요」(体言の最後にパッチムがなければ예요、パッチムがあれば이에요です。この形で平叙文・疑問文の両方の意味があります)となります。

친구입니다. 友達です。친구입니까? 友達ですか?
선생님입니다. 先生です。선생님입니까? 先生ですか?
친구예요. 友達です。(友達ですか、という疑問文も同形)
선생님이에요. 先生です。(先生ですか、という疑問文も同形)

3.ハムニダ体(-ㅂ니다/ 습니다/ ㅂ니까? /습니까?)
用言(動詞、存在詞、形容詞、指定詞)の平叙文・疑問文をまずは覚えましょう。そのあとに、勧誘文・命令文もやってみましょう。(「韓国・朝鮮語の学びのために」をご参照ください)

(가다)   갑니다/ 갑니까?   行きます/ 行きますか?
(먹다)   먹습니다/ 먹습니까?  食べます/ 食べますか?
(만들다)  만듭니다/ 만듭니까?   作ります/ 作りますか?(ㄹで終わっている用言はㅂ니다が接続する時、ㄹが脱落します)

そもそも、動詞とか、存在詞とか形容詞とか指定詞とか分からん! という方は以下をご参照ください。ただし、言葉によって日本語と韓国・朝鮮語の品詞が違うものがあります。(例えば「面白い→재미있다」は있다が入っているので形容詞ではなく存在詞になります)

動詞:「見る、食べる、読む、行く」など。
存在詞:있다 ある、いる、없다 ない、いない 계시다 いらっしゃる
形容詞:日本語で「~い」「~な」で終わるもの。「忙しい・痛い」「きれいな・親切な」など。
指定詞:日本語の「だ」みたいなものです。「だ」が「だった」になったり「である」「です」になったりするような感じで考えると近いかもです。具体的には「-이다(~だ)」「아니다(違う)」が該当します。

4.ヘヨ体
用言の丁寧さの度合いには、4つのレベルがあります。ハムニダ体はとても丁寧な表現です。ヘヨ体は口語的でやややわらかい丁寧な表現です。ちなみにぞんざいな表現としてため口の「へ体[パンマル]」、文章の地の文や一部の会話で用いられる「ハンダ体」があります。(ヘヨ体は動画参照)

(가다)   가요/ 가요?   行きます/ 行きますか?
(먹다)   먹어요/ 먹어요?  食べます/ 食べますか?
(만들다)  만들어요/ 만들어요?   作ります/ 作りますか?

ヘヨ体は「요」で終わり、意味としては平叙(ます)、疑問(ますか)、勧誘(ましょう)、命令(なさい・てください)の意味があり、形はすべて同じです。

가요 行きます 가요? 行きますか? 가요 行きましょう 가요 行きなさい(行ってください)

5.語尾の接続
日本語で、例えば「読む」が「読ない・読ます・読とき・読ば・読う」というように後ろにくる言葉で接続の方法が違うように(これは五段活用というものですね)、韓国・朝鮮語でも後ろにくる言葉で接続方法が違います。後ろに来る言葉を「語尾」と言います。韓国・朝鮮語では、三つの接続方法があります(動画参照)。細かいことは除いて、基本のみを記すと次のようになります。

1.語幹(用言の基本形から「다」を取った前の部分)にそのまま語尾を付けるもの。
2.語幹の最後にパッチム(終声)があれば、「으」が入るもの。
3.語幹の一番最後の母音が「ㅏ, ㅗ」であれば陰語幹、それ以外は陽語幹で、陽語幹には「아」を、陰語幹には「어」をつけるもの。ただし、하다は해(하여)となる。

この3種類があります。3段活用みたいなものです。すべての語尾はこの3つのどれかで接続することになります。たとえば、それぞれの接続のパターンにくっつく語尾は以下のようなものがあります。上のパターンの番号にあわせて、いくつかの語尾を紹介します。

1.語幹にそのまま語尾を付ける語尾。
例)-네요(~ですね), -고(~て), -지만(~だが)など。

[가다] 가네요(行きますね) 가고(行って) 가지만(行くが)
[먹다] 먹네요(食べますね) 먹고(食べて) 먹지만(食べるが)
[만들다] 만드네요(作りますね)* 만들고(作って) 만들지만(作るが)

語幹の最後が「ㄹ」パッチムで終わっているものを「ㄹ語幹」と言います。ㄹ語幹は「ㅅ, ㅂ, ㄴ, ㄹ/을[未来連体形と同形]」で始まる語尾が続くとㄹが脱落します。*「만들네요」ではなく「만드네요」となります。 

2.語幹の最後にパッチム(終声)があれば「으」が入る語尾。
例)-(으)면(たら・れば), -(으)니까(~から・ので), -ㄹ/을까요?(~ましょうか?[[-ㄴ/은(形容詞・指定詞の現在連体形)]などもこの仲間]。

[받다] 받으면(受ければ) 받으니까(受けるから) 받을까요?(受けましょうか?)
[먹다] 먹으면(食べれば) 먹으니까(食べるから)  먹을까요?(食べましょうか?)
[만들다] 만들면(作れば) 만드니까(作るから) 만들까요?(作りましょうか?)

ㄹ語幹は、語尾をつなげる「으」が必要ありません。先に書いたように「ㅅ, ㅂ, ㄴ, ㄹ/을[未来連体形と同形]」で始まる語尾が続くとㄹが脱落しますので、「-(으)니까」「-ㄹ/을까요」も同様にㄹが脱落します。
パッチムのない用言は原則通りそのまま語尾をつなげます。例えば以下の通り。「가면 行けば 쓰니까 書くので 볼까요? 見ましょうか?」

3.語幹が陰語幹か陽語幹かで「-아/ 어」で接続する語尾。
例)-아/어요 (ヘヨ体)、-아/어서 (~て)、-아/어도 (~ても)など。

[가다] 가요(行きます) 가서(行って) 가도(行っても)
[먹다] 먹어요(食べます) 먹어서(食べて) 먹어도(食べても)
[만들다] 만들어요(作ります) 만들어서(作って) 만들어도(作っても) 

6.変則用言
上の3つの接続方法において、不規則的な接続をするものを変則用言と言います。覚えてほしいものに、ㅂ変則用言、ㄷ変則用言、ㅅ変則用言、ㅎ変則用言、으変則用言、르変則用言、러変則用言があります。大まかに書くと次のようになります。「-(으)」の接続は上の「2」の接続、「-아/어」の接続は上の「3」の接続に該当します。詳しくは本noteの「韓国・朝鮮語の学びのために」や動画などで確認しましょう。

ㅂ変則用言、-(으) -아/어の接続で、語幹の最後のㅂが우に変わります。
ㄷ変則用言、-(으) -아/어の接続で、語幹の最後のㄷがㄹに変わります。
ㅅ変則用言、-(으) -아/어の接続で、語幹の最後のㅅが消えます。
ㅎ変則用言、-(으) -아/어の接続で、語幹の最後のㅎが消え、-아/어では母音も「ㅏ→ㅐ」に変わります。
으変則用言、-아/어の接続で、「ㅡ」が脱落、陰陽に従って「-아/어」をつなげます。
르変則用言、-아/어の接続で、「ㅡ」が脱落、陰陽に従って「-ㄹ라/ㄹ러」をつなげます。
러変則用言、-아/어の接続で、「러」を添加します。

7.さまざまな語尾
上の3つの語尾を念頭にいろいろな語尾を増やせば自然と表現が豊かになっていきます。語尾をいろいろと覚えましょう。1年生で覚えたいのは例えば次のような語尾です。思いつくまま書きます。

1.-네요(~ですね), -고(~て), -지만(~だが), -겠-(意思・推量), -고 싶다(~たい), -기(~すること), -게(~ように), -기 때문에(~から・ので), -죠?(~でしょう?), -고 있다(~ている[現在進行形]), -기로 하다(~ことにする), -지 않다(否定:~ない), -는(動詞・存在詞の現在連体形), -는데(~だが・のに[動詞・存在詞])
2.-(으)면(~たら・れば), -(으)니까(~から・ので), -(으)려고 하다(~ようと思う), -(으)러 가다/오다(~しに行く), -(으)시-(尊敬表現), -(으)세요(尊敬・ヘヨ体), -ㄹ/을게요(~ますね), -ㄹ/을까요?(~ましょうか・でしょうか), -ㄹ/을 수 있다/없다(~ことができる/ できない), -ㄹ/을 것이다(~だろう・と思う), -ㄴ/은(形容詞・存在詞の現在連体形および動詞の過去連体形), -ㄴ데/은데(~だが・のに[形容詞・指定詞])
3.-아/어도 되다(~てもいい), -아/어야 하다/되다(~なければならない), -아/어서(~て), -아/어 있다(~ている[状態])、-았/었-(過去), -아/어야(~てこそ)

これらを使って、さっと文章を作ってみます。このように使いこなせれば充分理解できていることになります。(やや無理やり感のある作文になってしまいました。)

「이 그림이 참 좋네요. 친구를 한번 데려오고 싶은데 친구하고 같이 와도 되죠?」「그럼요. 시간이 있으면 오세요.」「내일 괜찮아요?」「내일은 회사에 가야 하니까 일주일 후에 오세요. 점심도 준비해 놓을게요.」
「この絵が本当にいいですね。友達を一度連れてきたいですが、友達と一緒に来てもいいですよね。」「もちろんです。時間があれば来てください。」「明日大丈夫ですか?」「明日は会社に行かなければならないので、一週間後に来てください。昼食も準備しておきますね。」

8.連体形
体言を修飾する用言の形を連体形といいます。「食べる人」「読んでいる本」「忙しい人」などは現在連体形、「食べた人」「読んだ本」「忙しかった人」などは過去連体形、「(これから)食べる人」「(今後)読む本」「(これから)忙しい人」は未来連体形と言います。

現在連体形
動詞・存在詞+는
形容詞・指定詞+ㄴ/은
먹는 사람(食べる人), 읽는 사람(読む人), 있는 사람(いる人), 바쁜 사람(忙しい人), 친구인 사람(友達である人)
過去連体形
動詞+ㄴ/은
その他+던(-았던/ 었던)
먹은 사람(食べた人), 읽은 사람(読んだ人), 있던 사람(いた人), 바쁘던 사람(忙しかった人), 친구였던 사람(友達だった人)
動詞に던がつくと、時間の幅が出ます。
여기는 제가 살던 집이에요. ここは私が住んでいた家です。(一定期間住んだ感じがでます)
未来連体形
全ての品詞+ㄹ/을
먹을 사람([これから]食べる人), 읽을 사람([これから]読む人), 있을 사람([今後]いる人), 바쁠 사람([これから]忙しい人), 친구일 사람([これから]友達である人)

この後のこと

こうしたことを勉強しつつ、以下のことをしっかりマスターしていきましょう。どんどん慣れていくのが大事です。(授業の動画などをご参照ください)

・位置を表す言葉
・身体を表す言葉
・基本となる用言
・漢数詞・固有数詞(別途noteを作成してあります)
・日にち・時間表現
・さまざまな助詞(~が、~に、~と、~を、~から、~で、~まで、~より、~だけ、その他)(別途noteを作成してあります)

これらに加えて、
・ハムニダ体の上の平叙形・疑問形に加えて、勧誘形・命令形を作れるようにする。(このノートの「韓国・朝鮮語の学びのために」を参照)
・へ体、ハンダ体も作れるようにする。(このノートの「韓国・朝鮮語の学びのために」を参照)

このあたりまで身につけば、初級でやってほしい文法事項はほぼクリアできると思います。もちろん、語尾や単語はどんどん増やしていく必要があります。それは自分なりに整理しながら、増やしていくようにしましょう。中級になるとこれらをさらに自由に使いこなし、細かい用法の違いにも慣れ、語尾を増やすとともに慣用表現などにも多く慣れていく感じです。

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