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2019年4月の記事一覧
鳥獣捕獲の際の止め刺し等における安全管理について
小寺祐二 宇都宮大学 雑草と里山の科学教育研究センター
■ 止め刺しとははじめに戦後,日本においては大型哺乳類の生息域が全国的に拡大傾向を示しており,それらによる生態系や農林水産業等への被害が社会問題となっている.例えば自然環境保全基礎調査の結果では,1978年から2003年までの25年間にニホンジカの生息メッシュ数が1.7倍,イノシシで1.3倍,ツキノワグマで1.2倍,ニホンザルで1.5倍に増
野生動物の捕獲および肉利用における安全管理
竹田 努 宇都宮大学 雑草と里山の科学教育研究センター
■ 現場は危険がいっぱい捕獲の変化野生動物の捕獲は,大きく分けて狩猟による捕獲と許可捕獲に分けられる.一般に「狩猟」と「捕獲」に分けて語られることがあるが,この場合の「捕獲」は許可捕獲をさしていると考える.環境省自然環境局野生生物課鳥獣保護管理室のまとめた「狩猟及び有害捕獲等による主な鳥獣の捕獲数」によると,イノシシ・シカについては,狩猟や
電気を使用した捕獲個体の処理
末松謙一 株式会社末松電子製作所 代表取締役社長
■ 電気止め刺し器とは電気による止め刺しの背景2019年現在,全国の鳥獣被害は依然として高い水準(図1)であり,全国の農業者の営農意欲の低減や,それに起因する離農などにより耕作放棄地の増加など,その影響は全国的に深刻な状況となった.農業を地場産業としている全国の各市町村においては,農業農村の基盤を強化するためにも,獣害対策は農村の重要な課題である
捕獲業務における法律
竹田 努 宇都宮大学雑草と里山の科学教育研究センター
■ 関連法規の整備と課題鳥獣関連の法律鳥獣捕獲に関する法律は主に以下のとおりである.
1.鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律
(鳥獣保護管理法)
(ア)鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律施行令
①鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律施行規則
1.鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実
野生動物取扱時における健康・安全管理のあり方
原口義座 京葉病院外科
千葉丈司 千葉メンタルヘルス研究室
■ 医療面からみた野生動物との付き合いはじめに私は狩猟を経験したことがないが,現在に至るまで「災害医療」には深く関与してきたこともあり,現在は「産業医」として働いている.ちなみに今まで携わった現場は,古いものから1974年三菱重工爆破事件,1995年阪神淡路大震災とオウム真理教東京地下鉄サリン事件,1999年茨城県東海村JCO臨界事故,
捕獲は山で行う 山の危険と対策
吉田和夫 諏訪赤十字病院 鏡視下手術センター長 呼吸器外科部長 国内認定山岳医
■ 狩猟事故の半分は滑落?狩猟は登山と同じ狩猟を含めて,山で野生動物を捕獲する際に,自分が「登山同等の行為をしている」という意識をする人がどのくらいいるのであろう.巻狩で,勢子をやりながら,道なき急傾斜を上り下りする.登山以上に危険な状況になることを意識しているだろうか.では山に入った場合の危険についておさらいしてみ