MärchenMarch 2020秋M3新譜「ぼくらのこじれたレイゾンデイト」感想(ネタバレ)

はい。
という訳で、やってまいりましたボイドラ感想回。
ここ最近真面目に聴く時間を取っています。
今回はMärchenMarchさんの秋M3新譜ですね。
このサークルさんは基本的に美少年が多くて、大変好きなサークルさんです。
私自身、ボイドラを聴くようになって約3年程度と比較的浅い方ですが、ハマりはじめの当初からお世話になっておりまして、なんだかこうしてnoteで感想を書く日がついに来たかとちょっと感慨深くなってたりなってなかったりします。
(noteではなくて、Twitterでタグつけて感想は書いてたと思うけど)

この辺り、「私がボイドラにハマった理由(結崎有理にハマった理由にも絡んでる)」とかそんな経緯なんかも書いてみたいなぁとは思ってますが、そもそもそれ書いても読む人おらんやろって思ってるので、まあ機会があるか誰かに言われたらどこかで書いてるかも知れない。

閑話休題
さてさて、感想を……と行きたいところだけどもまずは宣伝というか紹介からしよう。
今回聴いたのはタイトル見て分かる通りこちらの作品!

BOOTHで販売中!
ただ、CD版は今現在在庫切れっぽいので、DL版のみあります!
どうしてもCD版がほしいという方はイベントでの再販を待つか、サークルの中の人に媚に媚びて「美少年が欲しいです……!」って言えばなんとかなるかも知れない……。
(※これは私の談であり、実際にそうとは限りません)
(さうらさん許して)(石投げないで)

ちなみに、過去作も非常に良いので、もしいいなと思った方がいらっしゃったら過去作も漁ってみるといいかも知れません。
「鳥籠街シリーズ」と呼ばれる4作がおすすめかも?
興味があればどうぞ。

私は他に「殯の大地」や「星の下のサナトロジー」なども聴いていますが、こちらは多分今は販売されていないのかな?
個人的にはここのサークルさんは全部オススメできるんだけども、その辺りは詳しく分からないので申し訳ない。
それと、ついでに今もう一個新譜があるので、そちらも良かったら手にとって見て欲しい。

こちらもCD版は無いので、DL版のみとなってます。
もしCD版が欲しい場合は(ry

やべぇ……紹介といいつつ宣伝しまくってる……。
という訳で、気を取り直して!

最初の記憶は、夜、月明かり、
そして――血の海。

少年はその夜、血に濡れていた。
人を殺めてしまったから。

そうしなければ、自分が死んでいた。
そうしなければ、生きられなかった。

しかし、その場しのぎの衝動的な行動によって、
少年はなお追い詰められていた。
どちらにせよ、これが見つかれば自分はただでは済まないのだ。

「――おや? ……これはこれは。先を越されてしまったかなあ」

それは朗々とした声だった。
そして、あまりにも美しい"生き物"だった。
月明かりを浴びた《彼》は、少年に手を差し伸べこう言った。

「ボクはキミに出会うためにここまで来たのかもしれないね」

――これは、一人の少年による回想録である。
(HPから引用)

これがあらすじになっている。
奴隷だった少年が、偶然出会った金髪碧眼の美少年ヨハンに助けられて、拗らせていく話。
(語弊のある言い方)





この辺からネタバレありになるだろうし、区切っておくね。

さてさて、主人殺しを見られたゼクスだけど、見た当人であるヨハンは悪びれることもなく、ゼクスを許して一緒に生活することになる。

んでそのヨハン、とりあえず顔がいい。
金髪碧眼で柔和な笑みを浮かべるの好物過ぎる。
そして、声がいい。
って、彩透瑠津さんじゃん!
いい声!
瑠津さんの演じるキャラクターには色々とあれな表現してることが多いわけだけど(マジもう申し訳ない)、今回は純粋に美少年で本当に素晴らしい。
やっぱすこですわ……。(急激な知能低下)
色々と不思議な存在ではあるんだけど、最後の最後まで良い人だった。
彼なりの後悔を背負っても、それでもなお他人に優しくあれるのは羨ましいと思う。
彼自身もこういった「家族」を望んでいたんだろうなって思うとやるせない。
どうせなら私も食べたかったぐらいだ。(急に拗れだす)

んで、ナイン。
窓をぶち破って現れる少女。
親方、空から女の子が!って言いたくなる美少女展開かと思いきや、どっちかと言うと飛び込んできたのは野性味溢れるコマンドー。
いや、そんな訳あるかい。
まともな教育を受けていないと言うが、ぶっちゃけ知らないだけで死ぬほど頭良さそうに思える子。
なんだかんだ小さいながら生き抜いてきた経験ってのは実直に真実を語るもので、その嗅覚の良さと勘の良さは才能という面もあるだろうけど、何よりも生きる強さを物語ってる気がするね。
演じられてる有澤空さんは登場時の幼さと鋭さの両立を上手く演じられてて、嫌味にならない可愛らしさもあるのは大変良きだった。

そしてゼクス。
こじれなお……。
いやまあ、あんな美少年に助けてもらったらこうなるのも致し方無いと思うが、いやでもなぁ……。
今作で一番拗れていて、それでいて性根が曲がっている訳ではないという純粋に拗れてる人。
幼少期の生活と今の生活を比べるのはあれだけど、それにしても拗れ方よ……。
真面目で一途で、でも拗れてるという。
演じられているのはお二人で、幼少期をみや。さんが、青年期をしぐれなおさんが演じられている。
みや。さんに関しては粗暴で、粗野な言動をする一方で、存外飲み込みが早い年相応の少年っぽさを全力で出してて、やっぱこの人こう言うキャラクター似合うなぁって思ってた。
そんでもってしぐれなおさんの方は青年期なんだけども、拗れてる拗れてる。
言動の端々にナチュラルに拗れてる面が見て取れて、中々言動が怖い。
ヨハンも嬉しい反面若干引き気味なの面白い。
しぐれなおさんの声質的に割とガッツリ男性っぽさが出てるので、ヨハンの美少年らしさとの対比で拗れ方が加速してる様に思える。
いや、でもヨハンの思わせぶりな態度も考えたら拗らせてても仕方ない気がしてきたな……?

まあ、なんにしても彼らのお互いに依存し合うような生活は楽しそうだと思うし、羨ましくもある。
そこだけで世界が完結している。
それ以上は必要ないと言うスタイル。
そして、そう思っても許される関係性がある。
でも個人的にはゴメンだったりもする。

私は陰キャなので、人間関係が拗れることを嫌って、人との関わりを極力減らすようにしがちだが、なんだかんだ人との繋がりが大事だと理解しているし、薄い繋がりでもそれが切っ掛けで救われていることもかなりある。
社会生物故に社会的な関わりが無いと死んだも同然なのだと悔しながら思う。
だけど、彼らは彼らの周囲だけで完結している。
ヨハンに関しては仕事だったりで関わっているかも知れないが、ゼクスは多分そこまで関わりを持っていないだろうし、何よりヨハン以外に興味がなさそうに感じる。
そう思えて、実際にそう生きていけるのは非常に羨ましい。
ただ、私はまだそこまで自分というものを他者に委ねている訳ではないし(推しからのお言葉は別)、それをして自分を保てるとは到底思えない。
自分が自分でない「何か」に変質するのではないかという恐怖がある。
「ジョハリの窓」という自分を客観視出来る場所(他者の意見や目線)をまだ求めているのだと思う。
これはまあ人間誰しもだとは思うけども。
私がもっと他人を惨殺でもして許される存在や人間では太刀打ちできない上位種にでもなれば話は別だろうが。
なので、助けられたからと言ってもヨハンという存在に委ねて生きているゼクスは割と羨ましいと思うし、同時に私はゴメンだなって思うのだ。

何書いてるかわからなくなってきたな……。

んじゃ、話を切り替えよう。
この世界の考察というか世界観の把握と言うか。
いつも定番のあれ。
この世界の舞台設定は中世のようにも思えるが、現代に見える。
奴隷の存在とヨハンのような作家の存在、そんでもって単純にナインの服装。
その辺りを考えてみても舞台設定は多分この世界じゃないね。
まあ、奴隷の設定がいわゆる金持ちの道楽という面で隠された遊びの一環であるなら恐らく現代なのだろう。
国はドイツ辺りかな?

あと、下らない事だけど、ナインという名前。
ゼクスは多分奴隷の頃の番号で66という数字からゼクスになったんだろうと思うんだけど、ナインは「なにもない」から来てる。
んで、Neinはおそらくドイツ語の「No」の意味になると思われるので、否定形の言葉なのだけど、逆に言えば「これから手に入れるられるものが増える(ストーリー上で後に見聞を広めに行くから)」という意味に繋がっててヨハンは付けたんじゃないかなって考えるとエモさが増すなってなった。
ドイツ辺りかなって思ったのはこのゼクスやナインという名前の付け方から考えた。
これは誰もがそう思うと思うけども。

んで、これが重要なんだけど、ヨハンの存在。
最初吸血鬼かな?って思ったんだけど、どうもそんな感じではない。
歳を取ったように見えない存在。
ナインを見て孫に当たるような年齢だ云々など、どう見積もっても60年は生きていそうな雰囲気はある。
それにしては美少年なのだから不老不死なのかと思ったが、どうも違う。
現実的に考えるのであればただのカニバリズム。
もう少しオカルトに寄せるならばグール辺りが妥当かもしれない。
実を言うとグールは鬼のイメージが強くゴブリンのようなイメージが先行しがちだったりするけども、実際に伝承等に出てくるのは人間に化けることが出来たりするのである。
この辺り、アルプやサキュバス、ヴァンパイアなどと似通っている。
端正な顔立ちで誘惑して食うという事が出来るのだ。
とは言え、実際にグールという線は薄いようには感じる。
どちらかと言うと、カニバリズムとは関係なく歳を取らないような病気を患っていた可能性が高い。
人を食べたことで呪いによって成長が止まった、人間を人間が食べると成長が止まるという設定だ等あるが、現実的に行くのなら小人症や女性限定ではあるがターナー症候群などそれらしいものは存在する。
ヨハンは実は女性だった……?()
は、まあ無きにしもあらず見たいな所はあるが、とりあえずその線が有力ではある。
一応メタ的にはなるかも知れないが、カニバリズムと言う線で考えるのであれば、血の伯爵夫人として有名なバートリ・エルジェーベトなど、人の血(特に若い人)を浴びることで永遠の若さを保つなどと言った行為を行った例もあるし、日本にも九州地方だったと記憶しているが、「骨喰み」という文化が存在する。
これは故人の遺体を燃やした後、その骨を親類縁者が喰む(噛む)事で、「その故人と同一化を図る=故人の長命にあやかる」という文化。
喉仏などを親族で一番近しい人が喰み、それ以外の部位は縁者で喰むという。
こうして、願掛けのような呪術的な行動を行うことで、実際にヨハンはその美貌を維持することが出来たのかも知れない。
死後もその綺麗さを保っていることを考えるのであれば病気というよりも実際にはカニバリズムで云々と言われたほうが納得行くし、グールの線もありになってくる。
実は現代人は合成着色料などのせいで腐敗が進みにくいとかなんとかって眉唾もあるが、人肉しか食べないヨハンに限ってはそれはないだろうしね。

長くなったが、こうしてヨハンの存在を考えてみると、設定的に「そう言う存在」説が一番濃厚な気はする。
お前、設定にケチつけるなよと言われると何も言えないのでめっちゃ許して欲しい。

それで、急に〆に移行するんだけど。
とりあえずヨハンという存在は「そう言う存在」なのだとして、それを食べろと言うヨハンも、悲しみにくれた後に食べることで同一化を図ろうとするゼクスの行動も、やはりカニバリズムという側面よりも何か儀式的呪術的な意味合いが凄く出て来ている様に思えるし、そこにヨハンを偲ぶゼクスの気持ちと、ヨハンの自分の存在を忘れないで欲しい=食べることでゼクスの中で生きていくという思いがあるような気がして、ゼクスが拗れているとは言ったが、ヨハンも相当拗れてるんじゃね?って思ってたりもする。
自分だけがこうなっているんじゃない、ゼクスも食べた後そうなら皆そうなんだと言う自分の存在の確認のような気もするしね。

さてさて、馬鹿みたいに感想書いてしまったわけだけど、こんなところだろうか?
ちなみに今現在4985文字書いてて、「お前書いたら止まんねぇな」って自分で思ってる。
あ、5000文字超えちゃった……。
まあ、いいや!
とりあえず、非常に楽しめたのでよし!
美少年はいいものだ!

終わり!!!!(クソデカ大声)

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