Crystal+ 2020春M3新譜「スカイアウト」感想(ネタバレ)

はい
そんなわけでここ数日引きこもってどうぶつを狩ってる(違う)ので、またしても感想を書く

今回はCrystal+さんの「スカイアウト」
割と異能というかファンタジー多めのサークルさんの印象

んで、今回はSFでした
それで感想なんだけど、惑星ブラハに住む少年少女の話って言いたいんだけど、これ結構複雑なんだよね…

どこぞの科学者が研究していたらしい菌
その「ジストリス菌」と名付けられた細菌をどうにもこの科学者達は凄く重要視してるみたいで
単純に考えると細菌兵器としてなんだろうけど
・人間に感染しないこと
・物語の開始時点ではドナーの少女が感染に成功したが、菌自体は皮膚病を他人に移す程度で大した力を持たない
とこんな感じで、それをどうにか改良して触れた相手を即座に殺せる何かに変えたかったみたい
後述するけど、その目的が不明瞭なんだよね

んで、そのあとその少女とその少女が感染しているジストリス菌に耐性のある他のドナーと一緒に惑星ブラハと呼ばれる辺境の星に投下
この時点でおそらく記憶を弄られているためか自分たちがどこから来たのかなどの詳細な記憶を失っているかもしくは無菌室のような場所で育ったが故にまともな外の世界「この物語で言う宇宙を移動できる人間たちの存在」を知らない可能性がある(一部例外も居るから判断に迷うけど)
だもんで、ブラハに落とされた彼らはどうにかして自分たちの力で生きる必要があったんだけど、このブラハという惑星は元々人間が住んでいたか、それに近い環境が整ってる場所だったと推測できる
だから生きていく分にはかろうじてなんとかなるみたいで
そんでそんな彼らが育った頃にやってくる「白いバケモノ」
結局それは上で説明した科学者一派の人間たちなんだけど、ブラハでの知識しかない彼らからすれば何かわからない訳で
おそらく「白い」と表現されるものは防護服の色かなと
そんで空から降りてくるってのは多分戦闘機か輸送機だね
分厚い大気を抜けることが出来る時点で相当の科学力が伺えるわけだけど、そんなこと彼らが知る由もなく、結果的に「白いバケモノ」と呼び戦いながらも逃げることになる
当の「白いバケモノ」側からすれば、ドナーである少女を捕まえたいんだよね
しかも科学者の目論見通り皮膚病程度の能力だったものが、おそらく防護服を着ているはずの人間に触れただけで殺すことが出来るレベルで何か変異が起こってる訳で、科学者からすればさっさと回収して目的のために使いたいってところ
そうして、逃げ惑っていたミナヅキと呼ばれる少女は自分の力に恐怖して一人で彷徨い歩いて生きていた所をキサラギたちと一緒に行動することになる
キサラギたちも同じくドナーなので感染しないか、しても死なない程度の耐性があるということだよね
そこからは皆と一緒に行動することになるんだけど、やっぱりジストリス菌がちゃんと進化してることを確認した科学者たちはもう是が非でも手に入れようと攻勢を強めて来る
結果、やっぱり戦力的に勝てるわけがなくて捕まるんだけど、クヌートとか言うおっさんここで登場
どう考えても悪役
どっから見ても悪役
「保護」って言葉はこの世で最も信用できないってあたい知ってる
この言葉を使う大人は大体無責任で、自分勝手で、子供のことをなんにも考えてないクソッタレだって

というのは置いといて、保護された彼ら
しかし、家族を探してくると出ていって残されたミナヅキとキサラギ
ここでやっぱり予想通りの悪役クヌートが出てくるんだけど
やっぱそうだよねぇー!って思ったね
ここで余分な免疫とか言ってるからやっぱり何かに使いたいんだよね
バレてはいけない何かに
んで、結局お互いに人質になった二人は逃げることが出来ずに…

そこでやっとわかるんだけど、時々この作品に彼ら以外の話が混じってるんだよね
それって実は大人になったミナヅキとキサラギでしたって言う
同じ時間軸で話してると思ってたからてっきり科学者サイドの兵士の話かと思ってたよね(素直に物語を受け取るマン)
結局取り残された家族を探すために、家族を救うためにクヌートたちの言いなりになってずっと機会を伺ってた
結局あの細菌に対しての耐性なんかは全く無くて、クヌートはあっさり死ぬんだけど、これってもしかして細菌兵器として使う訳ではなかったのかな?

ああ、そうそう
大きくなったミナヅキとキサラギはここで分かれるんだよね
お互いに、家族のために
キサラギは家族を探しに
ミナヅキは家族を守るために
そこでやっと彼らの物語が再び動き出すって感じで終わる
いやーちょっと物悲しいよね
二人共凄く長い時間我慢し続けて家族を救うためだけに(もちろんお互いに人質だからというのもあるけど)相手の懐でずっと待ってたんだから
これから二人がどうなるのかだけは凄く気になるけど、ここから先は蛇足なのかなって感じもする
このもやもや感たまりませんなー!(ドM)

さてさて、そんで気になったクヌートたちの目的
なんかねちっこさ故に新興宗教感満載だから何かの教団っぽいのかなって感じる
だって、細菌兵器としてならミナヅキの腕からサンプル採取して、培養して敵の基地に向かってドーンで終わるわけで
だから余計な免疫、余計な情報そういったものを消し飛ばすためにブラハに向かって核兵器ぶっ放したんだし
でも結局ミナヅキは何やら生き残っていて、彼女自身はどうにもお偉い人になっている
という訳で考えられそうな線だと人を殺すことの出来る神の左手を持つ少女として教団に祀り上げられたって説
1宗教団体が細菌兵器を扱いますなんてもう世の中溢れてるし、なんだったら日本ではめっちゃ有名な集団居たよね
という感じで、何らかの権威的な意味合いもあってミナヅキは殺されなかった説が有効なのかなって
そうすると余計なことを知ってる存在は居ないほうが望ましいし、細菌ではなく神の力だと言えるわけで
でもその教団はそれを祀り上げて何がしたかったのかまではわからんかった

「もう一度、神を信じるために」
ってキャッチコピーから考えるとやっぱりこれであってるのかもって思う次第ってぐらいかな

とまあ、作品の感想はこんな感じで
家族って本当に何より大切なんだよって訴えてくる作品でした

Crystal+さんのBOOTHはここ

今回の作品はここで


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