LEBEN 2020春M3新譜「リコレクションシンドローム」感想(ネタバレ)



――鬼神口碑を聴いた後にリコレクションシンドロームを聞くと江井みゆきバグが起こる


そんな話をどこかで目にした。

という訳で、早速聴くかと調子に乗ってバグの確認をだね(違う)。

「ごめんなさい、好きな人がいるんです」

そんな言葉から始まるこの物語。
最初聴いた時、「え?江井……さん…………?」ってなった(台無し)。

この時点でバグってちょっと再生止めてキャスト確認したもんね。
実は江井さんって「4重人格だったりしない???」って困惑したぐらい。

閑話休題(早い)

なんとなく事情がありそうなのが、それだけで察せてしまう演技力。
素晴らしいと思う。

そうやって彼女は何度も断り続けているらしい。
無意識に指輪を触りながら。

さてさて、出版社に勤める彼女は上司から近江という先輩がどこに行ったか聞かれてる。
その自分の行方不明な先輩は村雨早雲という作家に何故か入れ込んでいるらしい。
先輩である近江が帰ってくるまでとりあえず仕事をする莉菜。
という、所謂現代編から始まる。

ネタバレありきだから言うけど、この時点で既に莉菜自身は実はなんとなく早雲の名前に見覚えがあって感づいていたんじゃないかなぁって思ってたりする。
だから近江の仕事に関係ありそうな話をピックアップしてたのかと。
もしくはなんとなく誘われていたって線もある訳だけど。
これに関してはどっちかと言うと、早雲の方もそれ目的でちょっかいかけていた可能性が否定できない。
大地主だという点を考えると、下手すると結構広範囲で影響力を残していても不思議じゃない。
まあ、可能性の高さで言うなら間違いなく、この後にある早雲と莉菜と穂高が3人で出会うシーンでの莉菜の言葉で関係があることに気付くってところだとは思うんだけどね。

そして過去回想。
幸せそうな出会いから浬との楽しそうな日常が描かれている。
この時点で既に不穏だよね。
私は直感してたね、これはNTRの予感(違うそうじゃない)。

そんな感じで朝香や岳も含めた彼ら彼女らの日常と出版社での莉菜と近江の話が交互に続くんだけど、ここで出てくる民間伝承の話。
割とこれで火がつくからちょろい。
なんとなく入り込んで聴いていくんだけど、次のトラックで現れる彼岸花。
作品のジャケットなどにも写っているし、歌の中にリコリスって出てくるからまあ出てくるよねって。
ここまでくればもう簡単!
浬……お前死んだな?(名推理)

ま、誰で予想できるやつなんだけどもここで私に火を付けるお話が出てくる。
民間伝承すこ。
なので、お話にどんどん集中しちゃう。
そうすると、どうなると思う?
答えは簡単。
修学旅行の事故ですっげぇショック受けるの(メンタル雑魚)。

いや、お前予想してたじゃんって言わないで。

思わず叫んじゃったよね、「びとーさーん!!!」って(まてや)。
そして莉菜は昏睡状態で半年間眠ることになる。
ここで夢に現れてる時点でおそらく勅使河原の呪いって既に発動してたんだろうなって思う(急に真面目)。

さてここまで来ると全容が大体見えてくると思ったら、なんと登場。

浬の弟(?)

いや、お前嘘じゃん。本人だろ(断定)。
ミルクティーだったり、段差の下りもう完全に浬じゃん。
いや、お前なんで居るんですか????(既にストーリーにのめり込んで推理は遥か彼方)

そうやって浬(断定)と離れ、民間伝承を探るために調べ物をする内に当然気付く莉菜。
うんうん、私もそう思う(さっきからなんだこいつ)。

今度は莉菜一人で、先程の場所に戻る。
すると近江は本物の勅使河原弟に出会い、ここでやっと近江も異変に気づく。
しかしここはやはり賢い近江穂高選手。
村雨早雲の資料と照らし合わせて、こいつなにか隠してると即座に看破。
鬼電による鬼電で問い詰める穂高選手(いいぞもっとやれ)。

さて、ここで浬と莉菜の真の邂逅。
ここで真実が明かされる。
勅使河原家の呪いの話もその実態も。
なぜ浬が現世に縛り付けられていたのかも。

そして、昏睡する莉菜と後から追いかけてくる穂高選手と朝香(いつまで選手なのか)。

ここで新旧彼氏対決が始まります(誰もそんな事は行ってない)。
彼岸花に指輪を引っ掛けるって普通に良くね?エモじゃね?(語彙力)

結局莉菜がずっと保ち続けていた気持ちが切れたことで、浬はようやく現世から開放されるのだ。
そういう呪いとは言え、悲しいね……。

こうして前を向いた莉菜と、穂高は目出度くゴールインを果たすんだなぁって思ってたらハリー・ウィンストンって言ったこの女????(急な失礼)
私ブライダルジュエリーは興味ないけど、私だったら「スリーロウ・ジオメトリック・リング」が好きだなぁ~(は?)
いや、穂高かっこよすぎやん……ずるじゃん……。

てな感じでした!
いやー感想を逐一入れながらストーリー追うの大変だな!
これまとめて感想にしたほうが良かったかも!(後の祭り)


さて、ここからは私の趣味で語っていこう(まだまだ続くぜ!)

まずタイトルからリコレクションシンドローム(回想する病)という意味で、これはおそらく夢に出てくる浬のことを指しているのだと思われる。
そんで次にジャケット絵もエモいのよね。
穂高は莉菜の左手に手を添えているんだけど、浬は少し離れているのね。
そしてこれ、その離れた背景に懐中時計があるのってこれ時間によって断絶してるって意味に見えるんだ。
しかも懐中時計のチェーンが莉菜の腕に絡んでるの。
だからこのジャケットの時点で既に浬が死んでいて、莉菜が過去に縛られ続けてて、それを現実に居る穂高が繋ぎ止めてる感じって分かるの。
エモくない?私はエモい(迫真)。

んで、作中に出てくる民間伝承について。
ぶっちゃけよく分からん!(台無し)

ただ、色々と気になる所はあるのでそれを書いていこうと思う。
まずはその呪いの実態。
伝承の男は一体何だったのか。
これに関しては色々と考えられるんだけども、一番可能性が高いのは客人(まろうど)。
次点で蛇や猿になるかなって感じ。
蛇神や猿婿の場合、これは人間の女を嫁にもらう異類婚姻譚と呼ばれるもので、この場合大体破局して終わることが多い。
今回も破局してるわけだが事情が違う。

そう。

女は男が好きだったのだから。
異類婚姻譚において、女性が人間の場合前述の通り破局することが多いが、これは親だけでなく女性本人の意志で破局する場合が多い。
これには理由として単純なものであれば人身御供として差し出されるという贄の役割を女性が担っていたからと言う面が影響する。

しかし、今回に置いてはそうではない。お互いに好きあっていたのだ。
そうして考えられるのが、所謂客人信仰。
外の知識を持った人間の存在。
客人(まろうど)でググれば出てくるのでそれを見てもらえればどれだけ神聖視されていたかが分かると思う。
特に外との交流が少ない場所においては、血を薄めるという意味、新しいものを持ってきてくれるという意味で非常に歓迎された。
故に関西地方の土間など馬鹿みたいに玄関口が広いのはそれが理由だったりする。
話が逸れたが、この客人は実際には別の地方に住む人間であることが殆どで、旅をしてるだけである。
旅の道すがら色んな話と色んな文化に触れて、村にとどまっている人間よりも多角的な視野が出来るだけというのが往々にしてある。
そして今回もそれに当たるのではないかと思ってたりする。
故に女は惹かれ、男との婚姻を了承したと。
そして没落寸前だった勅使河原は男の知識により復興出来るという寸法。

でも、客人を信じる人達にとってはそれはまさに神のような力を持つ「なにか」でそりゃ怖かっただろうと。
だから調子よく縁談が来たらそりゃもう排除したいよね。

んで、ここで気になったのが彼岸花の毒。
あれって、作中でも言う通り人間を殺そうとすると結構な量が必要になる。
だから死なないんだよね。通常混ぜ込む程度の量では。
それに伝承通りなら男にはそれしか効かなかったという。
となると怪しいのはまず伝承の方。
そもそも彼岸花は忌み名がつく通りの嫌われようだが、同時に非常食になる得る重要なものでもあった。
それに毒性を嫌って虫などが寄り付かないことから田畑のあぜ道に植えることが多かった。
故に当たり前にどこにでもある有毒植物なのだ。
後付で彼岸花が効くと言い出してもおかしくはない。
それに彼岸花は別名「曼珠沙華(マンジュシャゲ)」天上に咲く花でもあるのだ。
故に黄泉送りにする花と言われても仕方がない事ではある。
じゃあ、実際にはどうか。
おそらく別の毒物も使われたか、本当に大量に練り込んだかのどっちかになる。

実際に猿婿や蛇などの場合でも怪しくはあるね。
確かに嫌っていはいるだろうが、本当に死ぬかは懐疑的である。
故に男に関しては客人、毒は別のものを練り込んだか、多量に練り込んだで結論が付けられそうだと思う。


そんで、次は女の方。
こちらは呪いの根源。
これは女が悲観してこの土地を呪ったがゆえに起きたもの。
男は元々呪いに関係ないのだ。
ではどうしてこうなったのか。
悲恋故の憎しみが呪いに変わったのだとすれば理解は出来るが、そもそもその土地全体に呪いを振りまくなんて法外過ぎる。
ただ、これが勅使河原への呪いであったなら話は別だ。
そうなれば簡単に出来るものがいくらかある。
丑の刻参りや蠱毒、犬神など、式神を使えばいくらでも振りまけるし、産土様を利用せずとも御霊信仰の通りに怨霊になることで振り撒き続けることも可能だ。
女の悲恋が憎しみに、それはやがて呪いになる。
本を見て事情を理解しただけで勅使河原に伝播する呪い。
夢に捉え続ける呪い。
なんだどっかで見たことあるよね。

ジャパニーズホラーの筆頭、リング。

そういう考えると得心が行くかなと思う。
どういった事情かは分からずとも、少なくともその原理現象は現代の呪いの定義には収まった感じはする。
思いの強さ故に延々と捉え続ける呪い。
勅使河原の人間だけが、その思いの強さに比例して束縛され続ける。
「思い合え」と。
「私達が思い合えない」分も全部お前たちが「永劫思い合え」と。
そう女が伝えているようにも思う。
純粋に「私達のようにならないで」と訴えているようにも思えるのは悲恋ゆえかもしれない。

そうそう。
あと彼岸花って韓国語で「サンチョ(相思華)」って言うそうで、相思する花だって。
お互いにずっと思い合う花。

そう考えるとこの呪い実は呪いと呼べるものではないのかもしれないね。

あと、凄く余談だけど、「吉原彼岸花」って乙女ゲー思い出した。
OPが「相思花」ってタイトルで結構いい曲だった記憶。


そんな感じで、凄く雑になったけど締めたいと思う。
非常に面白かったです。

趣味の範囲広すぎる感想で笑うしかねぇ。
流石にアホだな()

皆も聴いてね!!(だからこれネタバレ)

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今回の作品「リコレクションシンドローム」はここで


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