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ライター橘さまの応援の形 ~甲州手彫印章~

コロナ禍、自分が社会に出来ることは何だろう?私は、伝統工芸を応援するつたえ手として、少しでも多くの方に職人さんや作品が目に留まるといいなという思いからインスタグラムでの発信活動を継続している。オリジナリティを出すためにはどうしたら良いか?そこに自分の体験や考え方が織り込まれないと、人は面白いと思わないだろう。

2018 年つたえ手講座でご一緒させていただいたライターの橘さつきさん。橘さんの言葉は、いつも私を惹きつける。自分の名刺に甲州手彫印章の職人さんに手彫りしてもらった印を押していること。その名刺を渡した時、その印から話が広がるというエピソードを講座でご紹介下さった。

その橘さんが7年に渡り取材を重ねてきた「家族と葬送」をテーマに2021年、本を刊行された。

私も含めて家族との関係に悩む人にとって、「感謝で送るお葬式」「大切なご家族のおみおくり」という、葬祭業者のキャッチコピーは正直眩しすぎる。(中略)世の中には家族関係に苦しんでいても、家族が相手ゆえに助けを求めることもできずにいる人が多くいることがわかった。

『絶縁家族終焉のとき』P4

この本には、8家族の事例が紹介されている。また、著者である橘さんご自身の体験も「私の家族の三十年戦争」と題して。

私は一人っ子で、両親から愛情をかけて育ててもらった。親孝行をする前に、大好きだった母は亡くなってしまった。そのことをずっと悔やんでいる。そして尊敬する父。今の私は子育てをすることに精一杯で、正直父にも親孝行が出来ているとはいえないのだが、この本を読んで、私が健康で笑顔で子どもに優しく接することが出来たら、それでもう十分なのではないかと思った。

橘さんが刊行記念として作られた大切な栞をいただいた。

「いちごんほうおん」一言かけてもらったことを忘れずに感謝することを大切に という意味の言葉だそう。ひとつひとつ大切に押された手彫りの落款は甲州手彫印章伝統工芸士、望月煌雅さん作。

コロナ禍、ライターとして魂を込めた本を上梓された橘さん。栞というアイデアで自分が応援する職人さんの作品をも世に出されたことに感動!


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